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ヘルシンキ市がフィンランドの食文化を発信

2011年11月01日  ,

ヘルシンキ市は「2009年-2012年戦略プログラム」で、ヘルシンキをフィンランドの食文化の中心とすることを目指している。
同プログラムの目標は、食品業界の環境への影響を小さくすることとヘルシンキをヨーロッパで美食を楽しむことができる都市として、ますます魅力的な街にすることである。市は、既存のヘルシンキ食品卸売市場を個人客やレストランへの卸売を強化することで、ヘルシンキの食文化の中心にすることを進めている。ヘルシンキ食品卸売市場の再開発は、カラサタマ地区(ヘルシンキの湾岸地域で、住宅やオフィス等の開発が進められている地域)の開発の一環でもある。
アクションプランでは、デイケアセンターにおいて2015年までに有機食品の利用を50%にするなど、食品業界における有機食品の使用の増加、市民菜園を増やすことで市内での食物栽培を促進すること、食品廃棄物のリサイクルや堆肥化を進めることで食品産業由来の温室効果ガスの削減を目指している。

【出典】ヘルシンキ市のウェブサイト(2011年10月26日付)
http://www.hel.fi/wps/portal/Helsinki_en/Artikkeli?WCM_GLOBAL_CONTEXT=/Helsinki/en/news/helsinki+promotes+culinary+culture


ヘルシンキ市の紙の使用量削減に向けた取組

2011年09月27日 

ヘルシンキ市は、紙の使用量の大幅削減に向けた取組をスタートした。
 市議会や会議で、電子システム「Ahjoシステム」が導入され、議題や会議スケジュールは、今後は主として、パソコンのスクリーン上で見ることになる。
 市議会や市の会議における紙の使用量の削減だけで、年間330万ユーロの節約になるとヘルシンキ市のEila Ratasvuori事務総長氏は、述べている。電子システムは、今後は市の内部組織にも導入される予定で、将来的には、市の意思決定は個々の会議ではなく、電子上で行われることも考えられている。
 昨年、ヘルシンキ市内部で行われた会議で、200万枚以上の紙が使用され、その他に会議資料の郵送コストも発生した。今回の電子システム「Ahjoシステム」の導入には500万ユーロかかった。Eila Ratasvuori事務総長は、「紙の印刷とその郵送には、1日半かかる。この新たな取組によって、会議参加者は、会議の前に電子上で資料を読むことができるようになる。」と、電子システムの導入は時間の節約にもなると話している。
 Risto Rautavaヘルシンキ市議会議長は、都市計画など他の分野でも電子システムが使用できる潜在的可能性があるとしており、今回のシステム導入について肯定的な見方を示している。

【出典】HELSINGIN SANOMAT(2011年8月10日)
http://www.hs.fi/english/article/City+of+Helsinki+sharply+reducing+use+of+paper/1135268434061


フィンランドの自治体における総合窓口

2011年06月20日  ,

日本では、住民サービス向上の観点から、行政サービスを一つの窓口で受けられる総合窓口を設置したり、設置を検討したりする自治体が増えている。フィンランドの自治体における総合窓口について紹介する。
 フィンランドでは、すべての自治体に1カ所の窓口のみで複数の業務に対応する総合窓口がある。(ここでいう総合窓口とは、 自治体のすべての業務を一つの窓口で取り扱うもので、住民がワンストップでサービスが受けられる窓口のことである)また、336の自治体のうち、141の自治体に市民サービス窓口(Citizen Service Office)がある。141の自治体に、176の市民サービス窓口がある。
 市民サービス窓口は、その自治体の業務だけではなく、他の自治体や国の業務、社会保険・福祉、税、雇用、経済開発等の公共サービスにも対応する窓口である。
 特に、2007年に「国民サービス法(Citizen Service Act)」が施行されて以降、住民サービス向上のため、自治体や国、社会保険事務所等の機関の情報を一つの窓口で市民に提供する市民サービス窓口が増加した。窓口は、市役所だけではなく、ショッピングセンターや図書館等、市民がアクセスしやすい場所に設置されており、担当者による直接的な窓口での対応だけではなく、電話やインターネットを通じての住民サービスも提供している。また、自治体が市民サービス窓口で住民に他の自治体のサービスを提供した場合、代わりに住民サービスを行った自治体に対してサービスに対する費用を請求することができる。市民サービス窓口の増加は、国の地方機関の廃止も要因の一つで、より良い住民サービス提供に向けて、窓口サービスの多角化が進められている。

※フィンランド地方自治体協会(Association of Finnish Local and Regional Authorities)への問い合わせによる。


国民全員に専用アカウントを付与

2011年02月15日  ,

2011年1月28日より、国民全員に専用アカウントを付与されることになり、国民は政府の決定事項や関連情報を電子媒体で受信することが可能となった。
この国民アカウントは政府関係機関と国民との安定したコミュニケーションの確立を目的に政府のITサービスセンターが運営するものである。国民は専用アカウントを通じて様々な政府機関からの情報を受信することが可能になる。さらに、この専用アカウントを通じて国民が政府関係機関に書類を提出したり詳細情報の提供を求めたりすることも可能となる。
この専用アカウントの使用料は無料で、サービス利用に必要な個人認証は個人のオンライン銀行の認証や電子証明カードで行われる。この国民アカウントにより政府の情報を個人アカウント一箇所に集約することが可能となる。
国民アカウントは国内コミュニケーションの電子化に向けた大きな事業の一つであり、国民は政府との情報交換をする選択肢を増やすことができる。個人電子アカウントを国民に付与することで、今までは紙ベースでの政府関係機関からの情報が、電子媒体で提供されることになる。
国民アカウントの作成により公共サービスの経費削減にもつながる。各政府関係機関が国民アカウントを共有することで、各政府関係機関独自にアカウントを作成する必要がなくなる。
当面の間、国民アカウントで利用可能な公共サービスは、バンタ市の福祉サービス情報、地方戸籍管理局における戸籍変更や雇用経済省の失業保険給付証明などである。今後国民アカウントで利用できる公共サービスの範囲を順次拡大する予定である。最終的には政府関係機関の情報がすべて国民アカウントを通じて提供される予定である。
この国民アカウントは社会保険庁、雇用経済省、地方戸籍管理局、戸籍登録センター、オウル市及びバンタ市の協力の下、ITサービスセンターが財務省の許可を受けて運営する。

【出典】フィンランド財務省ホームページ
http://www.vm.fi/vm/en/03_press_releases_and_speeches/01_press_releases/20110128Citize/name.jsp


ヘルシンキにおける観光統計(2010年)

2010年12月15日  ,

 2010年のヘルシンキにおける観光の状況は2008年に実施された前回調査時よりも好況の見込みである。
 ヘルシンキでの観光客の宿泊日数は2010年1月から9月にかけて9%増加した。同期間のうち1月を除きすべての月で宿泊日数は増加した。フィンランドの国内旅行の目的地としてヘルシンキは人気が高く、2010年の第1四半期から第3四半期にかけてフィンランド国民のヘルシンキでの宿泊日数は15%増加した。外国人観光客のヘルシンキでの宿泊日数は5%の増加であった。
 2010年においてフィンランド国内のすべての宿泊施設における宿泊日数は平均で3%増加した。フィンランド国内で宿泊日数が最も増加したのはヘルシンキで、同市における宿泊の約55%が外国人観光客によるものである。ヘルシンキにおける主要外国人観光客の国籍は、ロシア、ドイツ、イギリス、スウェーデン、アメリカと日本である。特に、外国人観光客の宿泊日数について、ロシアからの観光客は8%の増加、英国からの観光客は4%の増加、スウェーデンからの観光客は15%の増加、アメリカ及び日本からの観光客は10%の増加となったが、ドイツからの観光客は6%の減少となった。
 その他の国では、ノルウェーからの観光客による宿泊日数は24%増加した。これは、主にヘルシンキ・オスロ間の格安航空会社の利用によるものである。この格安航空会社はヘルシンキ・ストックホルム間も運航しており、スウェーデンからの観光客数の増加に大きな影響を与えている。また、エストニアからの観光客による宿泊日数は47%と大幅に増加した。
 ヨーロッパ主要都市観光状況調査によると、ヨーロッパ内の主要30都市における観光客の宿泊日数は平均で7%の増加であった。ヘルシンキにおける観光客の宿泊日数はこの平均値を上回っている。ヘルシンキは、日本人観光客の北欧における旅行目的地としては2006年以来1位であり、ロシア人観光客の旅行目的地としても常に上位を占めている。前述の調査結果によると、ロシア人はプラハ、ローマやウィーンよりもヘルシンキでの宿泊日数が長いとのことである。

【出典】ヘルシンキ市ホームページ(11月12日)
http://www.visithelsinki.fi/In_English/Media/Press_releases.iw3?showlocation=5dbd2240-e503-4078-81b4-46d338ea60ec&newsID=b9d50a77-8b83-4e66-9dd7-f47b27433694


フィンランドにおける教育(続き)

2010年11月01日  ,

フィンランドにおける教育制度について紹介します。

3 フィンランドの教育目標
(1)平等性
・年齢、地域、性別、所得や言語に関係なく均等な教育機会を提供する。
・教育を無料で提供(私立を除く)する。
・国で策定された基本カリキュラムを基礎とした同質の教育を提供する。
(2) 柔軟性
・親が学校を自由に選択できる。
・義務教育課程で科目を選択できる。
・高等教育過程で生徒個人の目標ごとに学習計画を立てる。
(3) 自由度の高さ 
・Spirit of Trust(信頼性)を基にして、国レベルで基本カリキュラムを制定し、地方自治体が運用する。
・教育に係る国の監査を受けない。
・義務教育課程で全国テストを行い点数はつけるが、成績の順位をつけない。
・中等教育過程の最終学年で再度全国テストを行う。
(4) 生徒に対する支援
・学習到達度が低下しないように早い段階から生徒指導を行い、生徒の学習と環境を整える。
・生徒個人の学習計画を支援し、カウンセリングを行う。
・教員はレベルの高い資格を有している教育の専門家である(教員なるためには修士号が必要)。

4 教員資格と研修
・ 教員(すべての教育課程)になるためには修士号を取得しなければならない。
・ 教員資格取得は難しく、給与水準も高くないが、社会的な地位がとても高いため、教員志望者が多い。
・ 教員研修は中央教育委員会や地方公共団体が企画する。研修費用は原則国が負担する。研修内容としては、地域の大学で科目ごとの教授法セミナーなどがある。

5 問題点
・ 科目が細分化され科目数が多いため、科目ごとの授業時数が少なくなっている。
・ 一般的に楽手時間が少ないと考えられつつある(学校授業日の延長が必要では?)。
・ 学校評価が自己評価だけであるため、他者との比較が難しい。
・ 高齢化が進み、政府財政を逼迫しつつあるため、教育費の確保が難しくなる。
・ 移民の増加による社会構造の変化が教育環境を変えてしまう可能性がある。
・ ITを活用した授業の運用方法が難しい。
・ 生徒の読解力が男女間で差が出てきている(女子が男子よりも優れている。)
なお、上記のことについては、2014年の基本カリキュラム改訂の際の検討事項となっている。


フィンランドにおける教育

2010年09月15日  ,

フィンランドの教育制度について紹介します。
1 フィンランド教育一般
・ 2006年PISA(OECD加盟57カ国の学習到達度調査)で科学的リテラシー第1位(日本第5位)、数学的リテラシー第2位(日本第10位)、読解力第2位(日本第15位)
・ 公立であれば授業料は無料
・ 学校評価は学校独自で行うことが義務付けられている(他校との比較を基本的にはしない。)。
・ 国全体の教育に係る公的支出は国内総生産の5.9%(日本は3.5%)(2002年)
・ 移民が少ない(総人口の3.6%)。
(教育課程)
・ 早期教育は0歳から5歳までで、義務教育準備期の6歳を経て、義務教育は7歳から16歳までの9年間行われる。ただし義務教育履修者の3%は10年間の義務教育を受けることができる。義務教育課程の第7から9学年は前期中等教育課程に分類される。
・ 前期中等教育課程修了者の55%は一般後期中等教育課程に進学し、38%は後期中等教育職業訓練課程に進学をする。後期中等教育課程は単位制であるため、生徒は一般課程と職業訓練課程で学習と実習を組み合わせることが可能である。
・ 大学教育は理工科大学と総合大学に分類される。

2 教育に係る行政組織の役割
(1)教育省
教育行政の根幹部分(教育基本法や科目ごとの授業時数など)の調整を関係省庁や国会と行う。
(2)国家教育委員会
 教育省からは独立した機関ではあるが、下部組織的な役割を担う。教育省の決定事項に基づき、基本カリキュラム(学齢ごとの履修科目の具体的な内容の決定)の制定を行う。なお、現在は2004年に制定されたカリキュラムに基づき教育施策が実施されており、2014年に基本カリキュラムの改訂が予定されている。
また、国家教育委員会ではカリキュラムに基づいた教科書を作成する。教科書検閲は行われない(1990年代に検閲を行った時期があったが、必要性がないと判断され現在は実施していない。)。教科書作成会社は民間大手2社が引き受けている(寡占状態)。
(3)地方公共団体
  基本カリキュラムに基づき、地方公共団体の地域の特色を踏まえたカリキュラムを作成する。公立学校教員の採用は原則として学校単位で行う。また、学校間や親と学校での問題に必要に応じて対処する。(教育施策はほとんど学校に委ねられている)
(4)学校
  公立校の財源は国からの拠出金でまかなわれているが、その財源の使途の自由度はとても高い。テキストの選択は各教員(学年や教科担当者で相談して決定)にゆだねられている。


フィンランドにおける男女同権計画及び賃金実態調査の実施状況

2010年05月01日  ,

 2005年に男女同権法が改正され、職場における男女同権計画の策定に大きな弾みをつけた。現在は、次の段階としてこの計画をいかにして実際に現場に導入するかが焦点となっている。また今回の調査で、男女同権の実現に必要な各職場における賃金実態調査が難航していることも明らかになった。
 今回の男女同権計画及び賃金実態調査の実施状況調査は、社会保健省がTampere大学労働研究センターに委託して実施したものである。この調査は各職場における男女同権計画策定状況とその質を検証するもので、3月24日に発表された。なお、同法における男女同権計画の策定は30人以上を雇用する雇用者に求められている。
 公共部門においては、男女同権計画の策定が86%の国家機関及び70%の地方自治体で導入されており、男女同権計画の策定が最も進展していた。一方、民間企業や教会団体では男女同権計画の策定率が約50%となっていた。中小企業は男女同権計画の策定率が最も低い結果となった。
 また、賃金実態調査は調査対象団体の60%が実施していることが分かった。これは、各職場における賃金実態調査の実施方法やその調査情報の活用法が不明確であると考えられていることを示唆している。賃金や手当に関する十分な情報を保持していない企業もあった。賃金状況が十分に分析されなければ、男女間の賃金格差の真の原因を究明することができず、その格差是正が難しくなる。その意味で、男女同権法及び均等賃金プログラムによる各職場における賃金実態調査は男女格差是正の一助となると考えられる。
 今回のような全国規模で公共部門及び民間部門を網羅した男女同権計画及び賃金調査の実施状況調査は、フィンランドで初めての試みである。今回の調査では、雇用者及び被雇用者の立場から男女同権計画と賃金実態調査の実施数及び内容の質が分析されている。また男女同権法の効率性についても分析評価がなされている。
 社会保健省は今年2月に男女同権法の効果について国会に報告をしており、今回の調査結果も男女同権法の効果測定結果の一部として国会への報告に含まれた。また今回の調査結果は均等賃金プログラムにも反映される予定である。

【出典】フィンランド社会保健省ホームページ
http://www.stm.fi/en/pressreleases/pressrelease/view/1489079#en


フィンランドの文化政策(一般情報)

2010年02月22日  ,

・フィンランドの文化政策全般は、教育省が担っている。主要な文化政策の取組みは、創造性の育成、アーティストの地位確立、地方の文化サービスのネットワーク構築、多文化主義、国際協力そして文化の輸出である。
・文化面は、公的資金と著作権補償制度によってサポートされている。文化面の第一の資金調達源は、教育省である。例えば2006年に文化・芸術に投入された予算は、合計360百万ユーロで、それらのほとんど(約85%)が、国の文化施設や地方自治体に配分されている。
・教育省の付託された権限は、国の文化施設全般にわたり、例えば、公的資金や補助金を受けた博物館・美術館や劇場、またオーケストラ、地方への文化供給、補助金を受けた組織や市民活動等にまで及んでいる。
・フィンランドにおける文化供給は豊富で、フィンランドの人々は、文化サービスのアクティブユーザーである。52の劇場、25のオーケストラそして132の博物館・美術館が、政府の資金援助を受けている。博物館・美術館の来館者数は、年間500万人であり、国立オペラ劇場やオーケストラには、年間90万人以上の観衆が集まる。

【出典】フィンランド教育省ウェブサイトから

http://www.minedu.fi/OPM/Kulttuuri/?lang=en


フィンランドの失業率

2010年01月05日  ,

 2009年12月末に発表された統計によれば、2009年11月の失業者数は、22万4千人で、失業率は8.5%となっている。
 2008年11月の失業者数は、16万1千人で、失業率は6.0%であることから、失業者数と失業率は、それぞれ前年比6万3千人増、2.5%上昇の悪化になる。男女別の失業者数は、男性で前年比4万9千人増、女性で前年比1万4千人増で、失業率は、男性9.3%で、前年比3.8%増、女性7.7%で、前年比1.1%増になる。15歳から24歳までの若年層の失業率は、21.1%で、前年比7.2%増となっている。
 2009年11月の求職者手当申請者数は、27万4千人だった。2008年11月の求職者手当申請者数は20万1千人であることから、前年比7万3千人増。
 2009年11月の就業者数は、241万人で、2008年11月より10万人減、就業率は前年比2.9%減。

【出典】フィンランド統計局のウェブサイトから
http://www.tilastokeskus.fi/til/tyti/2009/11/tyti_2009_11_2009-12-22_tie_001_en.html


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