「英国の銃犯罪は取るに足らない問題だ」との米国“スーパーコップ”の発言が話題を呼んでいる。
ビル・ブラットン氏は、ニューヨークとロサンゼルスで「ゼロトレランス政策(不寛容政策)」を導入したことで知られ、現在、キャメロン首相のアドバイザーを務めている。
米国雑誌へのインタビューで、ブラットン氏は、「英国の銃犯罪は、非常に規模が小さく、取るに足らない問題である。英国の青年犯罪は、基本的にギャングになりたがっている者が起こしている。彼らは、服装や言葉、身ぶりなど米国犯罪の影響を受けている。」と述べた。
このコメントに対して、英国国会議員や拳銃所持反対運動に携わっている人たちから怒りの声が寄せられている。下院内務委員会の委員長を務めるキース・バズ下院議員(労働党)は、「彼の発言にはがっかりしている。彼の発言は、英国が抱えている銃犯罪の解決には何の役にも立たない。これは銃規制の問題であることをしっかりと受け止める必要がある。自分たちが、こうした問題に一緒になって取り組むというメッセージを出すべきだ。」と述べた。また、前ロンドン警視庁副長官で、現在、自由民主党の次期ロンドン市長候補であるブリアン・パディック氏は、ブラットン氏の発言について、「すべては相対的な問題であるが、彼の指摘は、認識不足だ。」と述べている。
こうした声にブラットン氏は、「自分の発言により不快感を与えた方々に謝罪する。自分の真意ではなかった。英国の青年犯罪対策は、狙いを定める必要がある、と伝えたかった。英国の青年犯罪は米国の青年犯罪をまねており、これが問題となっている。米国の銃の使用は、ギャング団における暴力犯罪と頻繁に結びついているが、これは、英国では通常見られない場合が多い。」とスタンダード紙に語った。
【出展:Evening Standard Friday 6 January 2012 】