調査・研究

英国の地方自治情報メモ

英国

消費者の権限強化と消費者保護

2011年06月21日 

 より優れた消費者保護・助言サービスを提供するため、現在の施策を簡素化することを目的とした新しい政府提案が発表された。

 エドワード・ダビー消費者大臣は、本日、紛らわしく重複している消費者保護の条項を簡素化する新提案を行った。
 「消費者の権限強化と消費者保護」と題した新しい意見公募では、関係大臣は、現在消費者が助言を求めている二つの団体「Trading Standards」と「Citizens Advice service」に公的補助を集約することで、新たな消費者保護政策の展望を打ち出そうとしている。その主旨は下記のとおりである。
・ Citizens Advice serviceを、消費者が情報と助言を同時に求めることができる唯一のサービスとする。
・ 自治体間の境界をまたがる困難事例に対応する地方自治体のTrading Standardsのリーダーシップと調整能力を強化する。
 意見公募は9月末まで14週間にわたって実施されることになっており、政府は、消費者、ボランティア団体、民間企業から、改正案についての意見が寄せられることを期待している。
 エドワード・ダビー消費者大臣の発言は下記の通り。
「政府は、市民にもっと多くの権限を付与したいと考えている。我々の消費者政策はすべて、消費者が自ら購買する商品とサービスについて適切な判断を下すことが出来る能力を消費者に与えるためのものである。
 一方で、我々はまた、消費者が支援を必要とするときに、助力、助言、保護を提供するための適切な体制を確保する必要がある。なぜなら、あまりにも長い間、消費者は、役割や責任が重複している公共機関、民間、ボランティア団体によって混乱状態におかれてきたからだ。
 消費者が被害にあった時、消費者が正しい選択をし、権利を行使するために信用のおける助言や情報を求められる場所は、必ずしも明らかなわけではない。
 今日発表した申請は、このような混乱に終止符を打ち、消費者を力づけ、権利を与えるためのものである。Citizens Advice serviceは長い間信用のおける助言、情報と弁護サービスを提供していた。それゆえ、我々の計画の中心にCitizens Advice serviceが位置するのは当然である。
 同様に、Trading Standardsは、消費者の立場に立って消費者法を執行する役目をよく果たしていると国民に信頼されている。
 しかし、そこには、自治体の境界を超えて活動する悪党に対する効果的な対応を阻む障壁がある。我々の申請した改正案は、これら消費者に対する脅威に取り組む者の権限を強化することにある。
 消費者の権限を強化することは、競争を促し、ビジネスをより効率的かつ革新的なものとする一助である。消費者の置かれている状況を改善することは、予算策定時に発表された、強靭で持続可能なバランスの良い経済成長をもたらすために最適な状態を創造することに焦点を絞った政府の成長計画にとって重要な一部である。」

【出典】ビジネス・改革・技術省
http://www.bis.gov.uk/news/topstories/2011/Jun/consumer-protection-reform

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