調査・研究

スウェーデンの地方自治情報メモ

スウェーデン

アルメダール会議で活発な経済論議

2009年07月02日 

 スウェーデン南部のゴットランド島にあるヴィスビーで開催されたアルメダール(注1)会議において、SKL(スウェーデン地方自治体協議会および州議会連合)の初のセミナーを開催したところ、活発かつ建設的な討論が行なわれた。
 市町村や州議会の財政について論議された際、公開討論会は白熱化した。
 SWED銀行の主席エコノミスト、セシリア・ハーマソンは、現在の経済不況は単に一時的なものではないと懸念を表明した。
 セシリア・ハーマソンからの論評に対し、穏健党のウルフ・ウイックマンは自治大臣マツ・オデルに対して、政府の追加経済措置に関する情報を提供するよう求めた。この情報が、自治大臣マツ・オデルの所管外にも関わらずである。
 これに対して、経済の追加経済措置が採られるのであれば、各自治体に振り向けられるべきであろう。このように自治大臣マツ・オデルは応じた。
 また大学卒業者協会(SACO)(注2)のアンナ・エークストルーム会長は、不況下の予算削減時期における追加経済措置については、 支出先を振り替えるよりも事業への投資に重きを置くべきであると提案した。
 SKLのアンデシュ・クナーペ会長は、地方自治体にとっての今後の最も大きな挑戦は、経済状況に関わらず福祉の必要性は増加しており、これに伴って費用が増大する現状があり、これに対してどのように公共福祉の財源を確保するかにある、と見解を述べた。

(注1)アルメダール(Almedalen)
政治政党各派が集合し政治上の諸問題について語り、討論する場。毎年一回、6月の第一週にゴットランドで開かれる。Almedalenは、ゴットランドの公園。
(注2)大学卒業者協会(SACO)
学卒者の中央機関。23の労働組合、職業組合により構成。学生、研究者、個人事業者、官公庁職員を含み60万人。
【出典】
スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2009年7月2日発行)
http://www.skl.se/artikel.asp?C=361&A=61007

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