調査・研究

デンマークの地方自治情報メモ

デンマーク

サイクリング・シティの混乱を一掃する提案

2011年06月15日 

コペンハーゲン市民の1/3が自転車を通勤に利用している。この活用実態は政界中から賞賛されているため、都市が自転車インフラを整備する方法を議論するときにはいつもコペンハーゲンが話題になる。
 しかし良いことばかりでなく、市内には毎日、大量の自転車が駐輪し、中心部の鉄道駅の外では乱雑さと混乱を招いている。観光客にはそれがデンマーク人のアウトドア好きを代表する魅力的な場所に映るかもしれないが、住民たちはうんざりし始めている。

 フランク・ジェンセンFrank Jensen市長は、違法駐輪した利用者に50クローナーの罰金を科すことで、駐輪が許された場所への移動を促し、都市のイメージの向上を図りたい考えである。
 しかし市長の提案は多くの反対に遭っている。デンマーク自転車協会(DCF)は、「市がやるべきは、罰金を科すより前に、まずは清潔でより多くの駐輪施設を増やすことだ。
充分な駐輪施設が整備されれば、その時点で我々は市長の提案を支持するかもしれない」と主張している。
 もっとも駐輪場を増やしただけでは混雑の原因を解消することにならない。なぜなら多くの盗難自転車や放置自転車が正規の駐輪場に置かれるからである。自転車にラベルを貼り、申し出が無ければ撤去するという警察の計画はこの問題解決に攻を奏すであろうし、技術者のJen Junker Eriksen氏が開発したパーキング・ディスクparking discs(※)の活用も放置自転車を特定するための信頼できるシステムとなり得るだろう。
 現在、パーキング・ディスクの活用をするかどうかが議論の的になっている。全国導入には法令が必要で、コペンハーゲン市の都市計画局はまずはもっと小さな都市でテスト導入すべきとの考えを示している。
 
※注:パーキング・ディスク
 自転車のハンドルバーに取り付け、置かれた時間を表示する装置。駐輪取締官はその自転車がどれくらいの期間、駐輪しているかをすぐに判別でき、30日間以上経った場合は撤去するしくみ。
 
【出典】コペンハーゲンポストのウェブサイト
 http://www.cphpost.dk/news/local/87-local/51664-proposals-compete-to-clean-up-bike-city-mess.html

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