デンマーク議会は、40万世帯に環境に優しい電力を供給する風力発電所をアンホルト(Anholt)島沖に建設する計画を許可した。
デンマーク議会は、アンホルト洋上風力発電所の建設と運営について、DONG Energy社からの応札の受入れをほぼ満場一致で決定した。
入札結果に基づき、Lykke Friis気候・エネルギー大臣は現在のエネルギー政策を支持する各政党と、洋上風力発電所の建設に関する将来モデルの分析を開始することについて合意した。この調査の目的は、将来の投資に向けた土台を築き、消費者に可能な限り安価な電力を提供することである。
400メガワット発電可能なこの発電施設は、デンマーク最大の洋上風力発電所で、2012年から2013年には、40万世帯の電力消費量に相当する環境に優しい電力を供給できる予定である。また同時に、このプロジェクトは雇用を創出し、最大8000人が建設期間中に職を得ることができる。さらに、デンマークは2020年までに再生可能エネルギーの割合を30%にするという目標に、1%近づくことになる。
唯一の応札者であったDONG Energy社は、発電施設の寿命の約半分の期間を、1kwあたり1.051デンマーク・クローネで落札した。残りの期間は、補助金などはなく市場価格で販売される。これは現在建設中の風力発電施設Rødsand IIより高額であるが、隣国の同様の風力発電施設と同等の価格である。
また、アンホルト洋上風力発電所は、消費者にとって最終的には安い買い物となるだろう。年間の補助金は1kiw当たり0.01デンマーク・クローネの見込みで、平均的な家庭(4000kw使用)に換算すると年間44デンマーク・クローネとなる。しかし、この発電所で生産される電力により、電力価格が抑制され補助金分は相殺されると考えられている。
気候・エネルギー大臣は、電気・天然ガスの輸送システムを運営する国営会社であるEnerginet.dkに対し、風力発電所とアンホルト島を海底ケーブルで結び、電力網に接続するよう指示した。これにより、島の140人の住民は軽油発電機に替わり、環境に優しい電気を利用することができる。このプロジェクトは、化石燃料からの脱却を目指す国のエネルギー政策に基づくものであり、さらに地域環境の改善に貢献すると考えられる。
【出典】
デンマーク 気候・エネルギー省ウェブサイト
http://www.kemin.dk/en-us/newsandpress/news/2010/sider/greenlightforoneoftheworldslargestoffshorewindparks.aspx