昨年度の11月に首相より「Green Growth Vision」(環境成長指針)が発表された。
(指針概要)
デンマークを環境技術の中心地へと変貌させることで多数の雇用創出を図ることを目的とする。目的の主なものとしては、再生可能エネルギーの開発、エネルギー効率の高い技術を持つ産業の育成、長期間安定してエネルギーを生み出す建造物(住宅など)の建築、環境に配慮した交通システムの研究、環境に配慮した飲食産業の育成があげられる。
以下その指針に基づいた環境に配慮した政策について報告する。
1 環境交通センターの設置(2009.7.7)
・環境に配慮した交通技術の向上を目的として交通省が設置。
・自動車排気ガスの二酸化炭素排出量の減少や自動車数の断続的な増加などの環境問題への解決の糸口となるさまざまな計画について検証を行う。
・二酸化炭素排出量を減少させるため、特定の地域において、タクシーへのエネルギー効率の規制、バンのエネルギー表示や空気力学を応用したトラックの導入などを行う。
・民間企業や地方自治体と協力してエネルギー効率の高い交通に係る大規模な調査を実施する。
2 デンマーク最大規模の沖合風力発電所設置準備(2009-5.5)
・2012年に完成予定であるこの風力発電施設では年間400メガワット(約40万世帯分)の発電能力を持つ。
・環境大臣はこの風力発電施設について「化石燃料に依存しないことを目標とした政府の指針を現実的なものとする大きな一歩であり、再生可能エネルギーの開発と二酸化炭素削減という目標に向けた重要な政策である」と述べた。
・この風力発電所の入札に先立ち、Energinet.dk(デンマークの通信システムオペレーター)が事前に海底地勢調査を行い、また地域住民集会も実施される。
・なお、Energinet.dkは海底の地下鉄の設置と風力発電所と地上の発電所の接続を担当する。
・入札期限は2010年4月7日である。
・デンマークでは現在8基の沖合風力発電施設があり、その総発電能力は424メガワットである。
(関係リンク先)
デンマーク外務省ホームページ
http://www.investindk.com/visNyhed.asp?artikelID=22213
http://www.investindk.com/visNyhed.asp?artikelID=20734
デンマーク環境省ホームページ
http://kemin.dk/en-us/newsandpress/news/sider/denmarkslargestoffshorewindfarmreadyfortender.aspx