国会の初日、ラスムセン・デンマーク首相は政治家、王族を含む来賓を前に、40分間の演説を行った。首相は、自身が所属する自由党及び連立パートナーである保守党が共に合意に至っていない税制や早期退職制度などの話題には触れず、福祉国家の実現に向けた取組を強化することに焦点を当てた。
演説において、最低学年の児童の授業時間数を一日6時間に延長することが提案された。これにより授業時間数を最大2時間延長することになり、これに要する経費は、自宅で生活している高校生に支給されている奨学金を削減することで賄う予定である。
また首相は、貧困地区を解消する手段として公営住宅を廃止する計画とともに、2050年までに石油、ガスの利用をやめ炭素ガスを排出しない国を実現するという政府目標、アフガニスタンに駐留するデンマーク軍を2014年までに撤退すること、若年層の年金制度改革を発表した。
野党である社会民主党のトーニング・シュミット党首は、首相の演説は成長のためのイニシアティブを欠いていると批判し、任期の2011年11月より前に総選挙を実施するよう求めた。
【出典】The Copenhagen Postウェブサイト
http://www.cphpost.dk/news/politics/90-politics/50172-pm-announces-ambitions-for-the-welfare-state.html