オーストリア議会は夏季休会前の7月6日から8日の本会議で、改正エスニックグループ法のほか改正エコ電気法、長期社会福祉基金法及び長期福祉手当法を可決した。
改正エコ電気法は基金積立額の上限を大きく増加させるもので、風力発電、太陽光発電、バイオマス発電に当てられる積立金をこれまでの2,100万ユーロから5,000万ユーロまでに引き上げるものである。一方で、年間100万ユーロを取り崩し、2021年に4,000万ユーロになるまで認められた事業に充当する。これによりグリーン電気のための財源の年間総額は2011年の3億5,000万ユーロから2015年には5億5,000万ユーロとなる。ラインホルト・ミッターレーナー経済大臣は、このエコ電気法により、オーストリアは2015年までに原子力発電の輸入から脱却し、さらに電気を輸出するまでになるだろうと述べた。グリーンテクノロジーへの投資は約120億ユーロと見込まれ、2020年までには数千もの「グリーン雇用」も創出される。再生可能エネルギー(大規模水力発電を含む)がエネルギー消費全体に占める割合は現在の68%から85%に拡大する見込みだ。
また、新しく適用される長期福祉基金法は、増加し続ける州の福祉サービス支出に対し財源措置するものである。予算の3分の2を連邦政府が負担し、3分の1を州が負担する。2011年において長期福祉基金予算は1億ユーロである。2014年までにはこれを6億8,500万ユーロとする。
長期福祉手当改革法は福祉手当の事務を簡略化させるもので、約300ある手当ての管理・支給業務を行っている団体をわずか8つにまで減らし、州の福祉手当事務については連邦政府が責任を持つ。
【出典】オーストリア内務省ウェブサイト(2011年7月18日)
http://www.austria.gv.at/site/7459/default.aspx#id44368