9月28日、オーストリア国民議会の下院選挙が実施された。
内務省が発表した速報結果によると、最大政党である社会民主党(Social Democratic Party for Austria)が得票率29.4%で最大、オーストリア国民党(Austrian People’s Party)が26.0%と1、2位を維持してはいるが、極右政党と見られている自由党(Freedom Party)が17.7%、オーストリア未来同盟(Alliance for the Future of Austria)が10.8%と大幅に議席を拡大した。なお、緑の党(Greens)は10.1%と、僅かに票を失っている。
社会民主党と連立を組んでいたオーストリア国民党は、社会民主党が進める税制改革に同意できないことを理由に連立を解消している。現状では各党とも単独与党となれないため、今後どのような形で連立が形成されるか注目を集めている。
今回の選挙では、EU諸国で初めて16-17歳の若年層が投票に参加した。約200万人となる若年層は、オーストリア全有権者6,300万人中でも比較的大きな位置を占めている。さらに今回は、国外居住者を含むオーストリア国民にとって初めての試みとなる郵便投票が実施されている。有権者は電話、郵送、FAX、インターネット等で郵送用の投票用紙を申請することができ、選挙管理委員会もしくは在外公館まで専用の封筒で宣誓書と共に郵送する。郵便投票の結果は今後徐々に集計に加えられることとなるが、今回の選挙では、郵便投票が全投票数の約10%を占めている。
【出典】
オーストリア連邦政府ウェブサイト
http://www.bka.gv.at/site/5923/default.aspx#id31786
BBCウェブサイト
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/7639805.stm