オーストリアでは、2010年4月に連邦大統領選挙が予定されている。これに向けて、各党が重点政策に関する協議を党内で開始している。
先頭を切ったのは、オーストリア社会民主党(SPO)で、最重要政策として失業対策と教育制度改革をあげている。教育制度改革については、全日校の受入れ生徒数の増加、新中級学校(’New Middle School’)パイロット事業の拡大を求める党内の声が反映されている。連立を組んでいるオーストリア国民党(OVP)は学校の受入れ生徒数の増加を求めており、フレイマン財務相はこのOVPとの関係重視も強調している。ウィーンでは、受入れ生徒数が50%増加していることから、他地域の増加率が10%程度では、高まる需要に応えられないと見られている。
オーストリア国民党(OVP)の重要政策としては、経済政策と国防政策があげられている。経済政策について、昨今の金融危機の現状を踏まえてオーストリア国立銀行(OeNB)を完全国有化すべきだとの声も党内にはある。現在OeNBは、70%を国が所有、30%を他の金融機関が所有している。プロール国務大臣は、「OeNBは銀行の監督という点で重要な役割を担っている。OeNBに他の金融機関が出資していることには、歴史的な理由があるとはいえ、これはもう時代遅れである。」と述べている。またOVPは、経済回復の兆しが見えてきている状況下にあって、中小企業支援政策(SMEs)及び現行の支援事業の拡大を目指している。SMEsの拡大実施のため、25百万ユーロが今年投じられる見込みとなっている。
【出典】
オーストリア内務省ウェブサイト
http://www.austria.gv.at/site/6892/default.aspx#id37975