イングランドの自治体の代表組織である「地方自治体協議会(Local Government Association、LGA)」は、2012年8月、「公共サービスの業務の統合と共同提供 ― 経費削減につながっているか?(Services shared: Costs spared?)」と題する報告書を発表した。これは、イングランド内の複数の自治体またはその他の公的機関が業務の統合または公共サービスの共同提供を行っている 5つの例について詳細な分析を行い、経費削減を目的としたこうした試みの利点などについて考察した調査の結果報告書である。イングランドの自治体またはその他の公的機関が、IT(情報技術)や法務などのバックオフィス業務の統合や、廃棄物処理または道路管理などのいわゆる「フロントラインサービス」1を共同で提供することによってこれまでに達成した経費削減の規模の詳細を明らかにする初めての報告書であり、調査は、LGA の依頼で経営コンサルタント会社「ドラモンド・マクファーレーン(Drummond MacFarlane)」が手掛けた。報告書によると、調査対象となった 5 つの事例でこれまでに達成できた経費削減額は総額約 3000 万ポンドである。