英国では、1979 年のサッチャー保守党政権誕生以降、地域経済開発を役割とする地域組織が幾つか設置されている。その背景には、特にサッチャー、メージャーの保守党政権が、自治体は地域経済支援の役割を担う能力に欠けると考えていたことがある。これらの組織の例には、保守党政権下で創設された都市開発公社(Urban Development Corporations、UDCs)、職業訓練・企業審議会(Training and Enterprise Councils、TECs)などのほか、労働党政権(1997~2010 年)が設置した地域開発公社(Regional Development Agencies、RDAs)、ビジネス向上地区(Business improvement districts、BIDs)、地域戦略パートナーシップ(Local Strategic Partnerships、LSPs)などがある。多くの場合、これらの組織では、民間部門の代表者が、自治体の代表者と同程度に重要な役割を担っている。本報告書では、2011 年に誕生した保守党と自由民主党の連立政権下でのこうした組織の設置に向けた動きなどについて解説する。更に、現政府の主要政策である「大きな社会(Big Society)」及び「地域主義(Localism)」のロンドンでの実施を狙いとする住民主導の地域組織の設置提案についても触れる。
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経済活性化と市民参加拡大のための地域運営 - 地域パートナーシップは英経済復活 のカギとなるか(英国)