調査・研究

オランダの地方自治情報メモ

オランダ

オランダ薬物対策

2009年06月29日 

オランダにおける薬物対策について薬物政策特別委員会から意見が出され、以下の4つのことについて重点を置くべきだとされた。

1 若者の間での薬物乱用の懸念
 現在よりも若者が薬物とアルコールに手の届かないようにしなければならない。18歳未満の若者は特に薬害の危険性が高いこと(脳の発達に与える危険性など)が科学的に立証されている。恵まれない若者の間で特に流行し、不登校にも影響があるとされる恒常的な薬物使用は、彼らの健康を害するだけでなく、彼らの社会における将来の見通しにも悪影響を与える。

2 コーヒーショップに対する規制
 コーヒーショップと薬害の関係は一般的なものとなっている。そのため、厳格な取り組みが急務となっている。地域レベルでの薬物使用防止のため小規模のコーヒーショップに目を向けるべきである。コーヒーショップは他国から大麻を買い求める客に応じる場所ということでは元来決してなかった。厳格な規制や組織的な強制取締りなどが導入され、大麻栽培に厳格な条件を付せば、コーヒーショップへの薬物の供給を規制できる。コーヒーショップに保管できる大麻の量を見直し、市長、警察署長や検事と協議し、対策を考える必要がある。

3 組織犯罪の取締り
 組織的な薬物犯罪が与える社会への破滅的な悪影響や社会の道徳への脅威を真剣に考えなくてはならない。従前よりも厳格に対処する必要がある。大規模な大麻栽培にのみ目を向けるのではなく、不法に活動をしている専門的な犯罪組織に注目するべきである。

4 薬物対策官庁の設置
 薬物政策の調整には、中央政府と地方自治体の協力、関係省庁間での協力、そしてオランダと他国の協力が必要である。近年この政策は軽視されているので、注目度を上げ、組織的な監視を強化することが急務である。現在は、焦点が分散しており、適切なタイミングで組織的に新しいことに対応することができない。そこで特別委員会では、新型薬物対策などの薬物対策に迅速に対応できる薬物対策官庁の設置を要望した。このことにより、薬物実験の監視や検証、他国との協力体制を整えることができるようになる。

(関係リンク先)
オランダ保健省ホームページ
http://www.minvws.nl/en/nieuwsberichten/vgp/2009/tackle-drug-use-among-youngsters-more-rigorously.asp

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