国際交流
2018年度実施事業 ダービーシャー
2018年度JLGCセミナー 「New Roads to Japan」
日時: 2019年2月1日(金)11:30~15:00
場所: The Roundhouse (Derby College, Roundhouse Road, Pride Park, Derby DE24 8JE)
参加者: 計77名
【概 要】自治体国際化協会ロンドン事務所では、日英両国の地方行政に関する取組や課題を紹介し相互理解を深めるため、JLGCセミナーを毎年開催している。2018年に愛知県豊田市とダービーシャー県、ダービー市、南ダービーシャー市が姉妹都市提携20周年を迎えたことを記念し、ダービー市において、地域自治体・経済・中小企業関係者等を招き、地域経済の活性化に向けた日本企業との関係強化策について考えるセミナーを開催した。
【第1部】
① Chair:Judith Lamie氏(University of Derby 副学長)による開会挨拶
② 黒野 嘉之(自治体国際化協会 ロンドン事務所長)による主催者挨拶
③ 久野 幸一郎氏(豊田市 国際まちづくり推進課(英国ダービーシャー派遣)担当長)による挨拶
・1989年にトヨタ自動車の英国工場がダービーシャーのバーナストン地区に設立されたことをきっかけに、1998年11月姉妹都市提携を結び、2018年で20周年を迎えたこと、また同市は教育、文化、産業、スポーツなどのさ まざまな分野でダービーシャーと交流事業を実施していること、そして、2019年は豊田スタジアムでラグビーワールドカップ 4試合が開催されるほか、2020年東京オリンピック・パラリンピックでは英国チームのホストタウンの1つになっていることが報告された。
④ 講演:Gregory Sutch氏(Intralink CEO)
演題:Perspectives from the field (innovation and collaboration)
・元JETプログラム参加者であり、現在は英国オックスフォードの本社のほか、日本(東京)、米国、中国、韓国、台湾にオフィスを置き、企業の海外進出・販路開拓支援等、対外ビジネスコンサルタント会社を経営するGregory Sutch氏から、オープンイノベーションの現状や今後の市場についての講演があった。
【パネルディスカッション1】
Steve Crane氏(CEO, Business Link Japan)
Rob Gorton氏(Toyota Motor Manufacturing (UK))
Prof Judith Lamie氏(Pro Vice-Chancellor, External Affairs, University of Derby)
Sharon McCarthy氏(Area Manager – North Team, East Midlands, Department for International Trade) ほか
・ダービーシャー地域企業および自治体関係者がそれぞれの知見からパネルディスカッションを実施した。質疑応答にて、日本でのビジネス進出に反対する人に売り込むにはどうすべきかという質問に対し、Steve Crane氏は日本では多くのビジネスチャンスがあることに言及しつつ、一方でそのビジネス市場が自社にとって本当に適合しているのかを見極める必要があり、その一助として国際通商省(DIT)やビジネスリンクジャパンを活用することができると応えた。
【第2部】
講演:岩村浩幸 氏(Ashurst法律事務所 パートナー)
講師略歴:Ashurstロンドンオフィスの会社法部門所属パートナー、欧州ジャパンデスク代表。M&Aやジョイントベンチャーを通じた日系企業の海外進出の支援を専門にしているほか、在英日系企業が直面する様々な法律問題に関するアドバイスを幅広く提供。英国と米国の弁護士資格を所有。
・日本企業が海外投資を検討する際のポイントとして、正しい職業倫理を持つ労働力やサプライヤーへの輸送ルートの確保、英国での法令規則等を挙げた。また、英国に進出する多くの日本企業はロンドン市内に拠点を置く人材派遣会社に頼る傾向にあるが、市内の人材派遣会社は市外とのネットワークが弱いため、結果的に市内から人材を派遣する必要がある。この課題に対し、地方自治体は、地元新聞などを通じて、その地域の労働者プールに関する情報を提供することで、会社と地域双方にとって有利な状況を作り出すことができると述べた。
・最後に岩村氏は、英国の地方自治体は、すでに持っている日本との繋がりを通じて、日本企業に自身をもっと売り込むべきだと強調した。
【パネルディスカッション2】
Tony King氏(Derbyshire County Council議員)
Frank McArdle氏(South Derbyshire District Council Chief Executive)
Laura Howard氏(East Midlands Chamber 国際貿易部長)ほか
・行政・民間それぞれの視点から、日本とのビジネス関係について質疑応答を交えながらパネルディスカッションを実施した。質問の多くは、日本の企業が海外に投資する際に何に着目しているか、英国の地元企業が自らの地位をどのように強化できるかという点に集中した。その答えの1つに、テクノロジーがあり、日本企業は自社の事業に役立つ技術力を模索しているため、英国の中小企業はそのサービスと技術を役立てることができると世界に発信していくことが大切であると述べた。