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イングランド、6億7,100万ポンドのEU基金失う

2009年03月12日 

 英政府は1月末、2000〜06年中期予算で割り当てられた「欧州地域開発基金(ERDF)」の未使用分について、欧州委員会からの使用期限延長の申し出を辞退した。
 同委は景気悪化に苦しむ英国の地方がERDFを受け取れるよう、本来は2008年末までだった期限を半年延ばすことを決定。同国政府はスコットランド、ウェールズ、北アイルランドに関しては提案を喜んで受け入れたものの、イングランドについては拒否。これにより、イングランドの貧しい地域は「目的1」(後進地域の開発と構造調整の促進)と「目的2」(構造的困難に直面する地域の経済的・社会的転換の支援)の各プログラムで、それぞれ2億6,800万ポンド、3億8,900万ポンドを失うことになる。
 期限延長の背景には対ユーロのポンド安に伴う割当金の相対的な増加があるが、政府は使い切るには時間が足らない上、「公的・民間を問わず、国内での調達資金は欧州連合(EU)からの支援額に匹敵しなければならない」とする欧州委の規定を満たせないと主張。他の目的に費やす方が賢明との見解を示した。
 ただ余った資金は今後の分担金から差し引かれる可能性が高いため、英国にとっては無駄にはならない。他の加盟国が軒並み期限延長を受け入れる中、同委は英国の決断を驚きを持って受け止めており、イングランドの国会議員は政府に対し怒りを表明している。

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