「EU・ドナウ地域戦略」が12月8日に採択され、同地域はバルト海地域に続き、EUで2番目の「マクロ地域」となった。同戦略は報告書および行動計画から成り、以下のような目標を定めている:
• 同地域に住む全てのEU市民が2013年までに高速ブロードバンドに接続できる
• ドナウ川の貨物輸送量を2020年までに20%増やす
• ドナウ川のチョウザメの数を2020年までに安定的なレベルに引き上げる
• 黒海の生態系を2020年までに1960年代の水準に再生する
戦略の対象となる分野としては、他に運輸、社会経済活動(ドナウ川の船舶の近代化、共同研究センターの設立、マクロ地域への観光誘致)、環境(排水処理施設の建設)などが挙げられる。この戦略用に直接的な支援金が追加拠出されることはないが、欧州地域開発基金(ERDF)、結束基金、欧州社会基金(ESF)から既に割り当てられている計1,000億ユーロの資金をより多く活用できるようになる見込み。欧州投資銀行(EIB)と欧州復興開発銀行(EBRD)からの助成金や融資も期待できる。この戦略は、マクロ地域政策を通じて現地の問題に対処しようという動きの一環だが、新たな課題はドナウ地域14カ国のうち6カ国がEU加盟国ではない点にある。
【出典】 欧州委員会のドナウ地域戦略のページ
http://ec.europa.eu/regional_policy/cooperation/danube/index_en.htm