EUの「大型燃焼施設指令(LCPD)」が2008年に英国に及ぼした影響が、近隣諸国と比べ著しく大きいことが最新調査で分かった。
同指令は域内における二酸化硫黄(SO2)や窒素酸化物の排出量を削減する目的で1988年に導入された。ICISヘレン(エネルギー市場調査会社)の調査によると、エネルギーの卸売価格は規制の影響を多大に受けている。また英国は指令を守るために多くの石炭火力発電所を閉鎖しているが、この影響も他国より大きくなりそうだ。同国が2015年末までに11ギガワット超の発電容量を失う見込みなのに比べ、フランスは3.6ギガワット、ベルギーは1.4ギガワット、イタリアは6.7ギガワットにすぎない。ドイツの石炭火力発電への依存度は英国と変わらないものの、指令の影響はより小さいといえる。同国は1990年に国内の排出量を制限する「連邦排出管理法」を成立させるなど、対応が素早いためだ。