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CLAIRメールマガジン vol.199(2018年2月9日)=英国ペーパーカップ税導入か?

2018年02月09日 

【自由記事】英国ペーパーカップ税導入か?
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先日、朝のBBCニュースでペーパーカップの使い捨て問題が報道されていました
。コーヒーや紅茶をテイクアウトする際に利用するおなじみのペーパーカップ
はリサイクルされているものと思っていたので、それらのほぼすべてが1度使用
された後に廃棄されていることに驚きました。何と英国では1年間に25億個のペ
ーパーカップが廃棄されており、それらをつなぎ合わせると地球を5周半する計
算になります。英国のコーヒーショップ市場は拡大中であり、それに伴うカッ
プの廃棄量も今後ますます増える見込みです。

一見リサイクルが容易に思えるペーパーカップですが、実は紙とプラスティッ
クを合わせて使用しており、リサイクルするには高度な技術が必要とされるよ
うです。そのため、英国内ではまだ3か所のリサイクル施設のみでしか対応が
できず、日々排出されるペーパーカップはほぼそのまま廃棄されている状況で
す。

ペーパーカップの廃棄やポイ捨てに、環境団体やThe Local Government
Associationから政府に対して改善を求める声が寄せられており、現在「ペー
パーカップ税」の導入が検討されています。カップ1個に対し25ペンスを課税
し、その税収を英国のリサイクル状況の改善に充てようとするものです。

これに対して、ペーパーカップの生産業者や英国コーヒー協会は、「コーヒー
や紅茶の消費者だけに税を負担させるのは不公平、ペーパーカップは包装紙ゴ
ミ全体の0.7%にすぎない」という反発もあります。

導入に賛成する議員グループは「プラスティックバッグを有償化したことで、
71%の使い捨て使用が削減できた。ペーパーカップ税の導入でも同様の効果が
期待できる」と主張しています。

もしペーパーカップ税の導入となれば、今の状況がどう変化するのか、日本の
環境問題にも共通点が多く、結論が気になるところです。

(ロンドン事務所所長補佐 山口)

(参考) http://www.bbc.co.uk/news/business-42564948

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