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CLAIRメールマガジン vol.164(2016年12月26日)=スマホとコミュニケーション

2016年12月19日 

【記事】スマホとコミュニケーション

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平成26年の総務省の調査によれば、日本のスマートフォン保有率は、53.5%に

対して、英国は80.0%、タブレット保有率にいたっては、日本が17.3%である

のに対し、英国は57.3%となっています。この調査では、年代別の普及率も調

査されていますが、50歳以上の普及率は日本の約2倍となっています。

 

英国では、インターネットを介して、さまざまなサービスを受けられます。役

所への申請や光熱水費の支払い、交通違反の反則金の役所への支払いもインタ

ーネットでできます。振り込みも銀行に出向かず、自宅で端末画面を見ながら

行ってしまうのが一般的ですが、私は、着任当初、端末操作が不慣れなため、

銀行窓口で送金を依頼していました。窓口に出向くたびに、インターネットバ

ンキングをなぜしないのかとよく問われたものです。こうした便利さや必要に

迫られて、シニア層でもスマートフォンやタブレットを抵抗なく使いこなせる

ようになったのではないかと思います。

 

また、地下鉄に乗っていると、30代のサラリーマンを中心に、シニア層までタ

ブレットに見入る人をたくさん見かけます。何を見ているのかというと、電子

書籍であったり、BBCで放送のあったドラマや映画をサイトからダウンロードし

て見ているケースが多いようです。BBCのオンデマンドサービス「アイプレーヤ

ー」では、放送から一定の期間、放送済みのテレビ、ラジオ番組をいつでもど

こでも何度でも視聴できます。しかも無料です。決められた放送時間にテレビ

の前に座っている必要がなく、見逃した番組もベッドで寝転びながらや、通勤

、通学のちょっとした時間に楽しむことができます。こうした便利さもスマー

トフォンやタブレットが急速に普及した理由かもしれません。

 

こうした端末の普及は、少なからず家族のコミュニケーションにも影響を与え

ているようです。英国では、小学校の間は、親が学校まで子供を送っていきま

す。私は、通勤途上、手をつないで仲良く談笑しながら歩く親子をよくみかけ

ます。そんな微笑ましい姿を見て、英国の家族に対して、会話の絶えないにぎ

やかな家族像を思い描いていました。しかし、どうやらそうとは限らないよう

です。英国人の知り合いと家族間の会話の話になって驚いたことがありました

。家族全員がスマートフォンかタブレットを持っていて、みんな好きな時間、

好きな場所で映画を視聴したり、本を読んだり、スカイプでおしゃべりしたり

して、同じテーブルを囲んで、同じ話題で盛り上がることは少ないそうです。

便利さと引き換えに、なくしてしまったものがあるような気持ちになりながら

も、その反面、お互いを許しあえている固い絆の存在も確信しました。

 

(ロンドン事務所次長 浅田)

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