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CLAIRメールマガジン vol.233(2019年8月9日)=ロンドンの大気汚染対策

2019年08月09日 

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【ロンドン事務所】ロンドンの大気汚染対策
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赴任して間もない2019年4月8日、「前代未聞の最も急進的な計画」とも評さ
れるロンドンの新たな大気汚染対策が始まりました。今回はロンドンの大気汚
染の状況とその対策についてご紹介します。

今回導入された、「Ultra Low Emission Zone (ULEZ)」(超低排出規制ゾーン)
によって、新たな排ガス基準を満たさない車やバイクが市中心部に乗り入れる
場合、すでに導入されている混雑税に上乗せして、1日につき£12.5(約1,750円)、
トラックやバスなどの大型車は£100(約14,000円)の支払いが義務づけられました。
導入当初、ロンドン交通局は一日当たり4万台の乗用車、2万台のバン、2千
台のトラックに影響を及ぼすと試算しており、5月16日発行の英国ガーディア
ン紙では、2019年3月と比べ、4月に市内中心部に乗り入れた排ガス基準を満
たさない車の数が一日当たり約9,400台も減少し、約26,200台になったという
統計を発表、サディク・カーン市長も「大胆なアクションが成果に繋がった」
と述べています。ULEZは2021年10月から、その対象エリアを大きく拡大し
( http://www.clair.or.jp/j/forum/c_mailmagazine/20190809/1.png )、
より多くのロンドン市民に影響を及ぼすことが見込まれます。

ULEZのような大胆な規制が必要なほどロンドンの大気汚染は深刻なのでしょう
か?2017年発行のガーディアン紙では、ロンドンにある97の大気汚染観測地点
の60%以上において、法で定められた汚染許容量を大幅に超過しており、許容
範囲を超えたNO2(二酸化窒素)ガスは年間約23,500人の死に影響を与え、ロン
ドン市民にとって最大の健康問題であると報じています。

スウェーデン人の環境保護活動家のグレタ・トゥーンベリさん(16)が4月に
ロンドン入りした際は、連日ホワイトホール(ロンドン事務所と英国中央省庁
が面する通り)で大規模なデモが開催されるなど、環境問題はロンドン市民の
関心が高いトピックの一つです。子を持つ親や医師団体、環境活動家などは
ULEZ以上の取り組みを進めるよう政府に要請しています。

ロンドン事務所 所長補佐 阿部

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