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CLAIRメールマガジンvol.218(2018年12月14日)=地域のコンサートホールを住民に身近な存在に-ロンドン・サザーク区-

2018年12月14日 

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【ロンドン事務所】地域のコンサートホールを住民に身近な存在に
―ロンドン・サザーク区―
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サザーク区はテムズ川沿岸に位置する自治体で、欧州最大級の芸術複合施設
「サウスバンクセンター」やシェイクスピア時代の劇場を模した「グローブ座」
等が立地しています。一方、アフリカ等からの移民が多く住むエリアもあり、所得
格差の激しい地域で、区の貧困率(※1)はロンドン33区中8番目に高い31%(2014年)(※2)
となっています。

このように区内に格差がある中で、高所得層の象徴ともいえる芸術施設と貧困層
の家庭を結びつける取組として、サウスバンクセンター内のコンサートホールで
地元小学生の舞台公演が行われています。「スプラッシュ」と呼ばれるこの公演
は、金銭的・文化的にコンサートホールとは縁遠い家庭がホールに出向き、ステ
ージ上で生徒達が自信をつける場、家族が子どもを誇りに思う場になればと、区
内の学校に音楽授業のプログラムを提供している団体「サザーク・ミュージック
・サービス」が中心となって、サザーク区の協力の下、毎年開催されています。

公演には貧困地区の学校を含む複数の小学校が合同で参加し、ダンス・合唱・
演劇等の要素を取り入れたオリジナル演目をステージ上で披露します。生徒達は
数回のワークショップを受け、家庭でビデオ等を見ながら歌や振付を練習して本
番に臨みます。今年7月に行われた公演は、日本の学校の音楽祭のような美しさ
や統一感を演出するのではなく、生徒達が自由に表現できる舞台構成となってい
ました。また、ステージ上でダンスの先生や指揮者が次の振りや歌い出しを示し
ながら生徒達と一緒にパフォーマンスをしていたため、どの生徒も自信を持って
ステージに立ち、観客席では家族がその姿を見守りながら一緒に楽しんでいました。

区ではほかにも、文化施設や公演に無料入場できる1日チケットを区民に配布する
など、普段区の施設やサービスを利用しない移民・貧困家庭にも区の魅力を体験
してもらえるような取組を行っているとのことです。

(※1)英国全体の所得(住居費を除く)中央値の60%以下の所得の家庭の割合。
なお、ロンドンで最も低い区の貧困率は15%、最も高い区は39%
(※2)Trust for London( https://www.trustforlondon.org.uk/ )

ロンドン事務所 所長補佐 渡邉

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