「生理の貧困」とは、経済的な理由などから、生理用品を入手することが困難な状況にあることをいいます。
スコットランドでは、2022年8月にすべての人を対象に生理用品を無償提供することを規定した法律が施行されました。そのため、必要な人は誰もが無料で生理用品を手に入れられるようになり、スコットランドは生理用品を無償で提供する世界初の国となりました。そして、スコットランド政府の取り組みに連動するように、レストランなどを経営する個人事業主も自主的に生理用品を提供し始めました。実際にスコットランドを旅行していると、大学などの教育施設だけでなく、レストランやパブ、フェリーにいたるあらゆる場所で生理用品が無償で提供されているのを目にすることができ、社会全体として生理用品の無償提供が当たり前になっているのです。
生理用品の無償配布はニュージーランド、アメリカやオーストラリアの一部の地域など、世界各国で行われており、「生理の貧困」を解決するための取り組みが世界中で広がっています。
この動きは、経済的な負担を減らすだけでなく、生理への社会的偏見をなくすことにもつながり、性別関係なくすべての人が活躍できる社会への大きな前進となることが期待されています。
「生理の貧困」を終わらせるための世界的な取り組みに注目が集まります。
ロンドン事務所 所長補佐 藤本