特集・世界に広がる日本文化
【記事】チェルシー・フラワー・ショーにみる日本文化の浸透
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英国王立園芸協会主催で毎年5月にチェルシーで開催される「チェルシー・
フラワー・ショー」。15万人以上の来場者があり、世界各国から参加の園芸家
による前衛的なショーガーデンが見られるのも魅力的なのですが、会場を巡っ
ていて思わず立ち止まってしまったのは、BONSAI(盆栽)。
しかも出展していたのは、日本人ではなく、英国人のグループやショップで、
できもすばらしい。私などの素人では、本家日本人の愛好家が作り上げた作品
かと思うほどのできばえです。愛好家のグループも多く、Federal of British
Bonsai Societyという連合組織には、実に約60ものクラブが加入しています。
いつのころからここ英国でBonsaiは楽しまれるようになったのでしょう。
Bonsaiの歴史を紹介したサイトを見てみると、英国にお目見えしたのは1630年
ごろとの記述もありました。Federal of British Bonsai Societyの代表は、
団体のサイトの中で、Bonsaiに取り組み始めたのは1972年で、1977年にはBonsai
Societyに加盟したと紹介しています。少なくとも40年以上は、多くの方々に
親しまれているようです。定期的に品評会やtrade showも開催されていて、公
園の駐車場などで行われるtrade show は、日本の植木市そのものです。
Bonsaiのノウハウはどうやって習得するのでしょう。Bonsaiに関する書籍は多
く発刊されています。もちろん著者は英国人。Bonsai shopの傍ら、Bonsai
schoolを開校している、これまた英国人もいます。BeginnersからSpecialistま
で、実に決め細やかなコース設定になっていて、上達すること間違いなしです。
道具はというと、online shopが充実していて、starter setから、さまざまな
種類の剪定ばさみ、のこぎり、植木鉢に、土、化学肥料などありとあらゆるも
のが手に入ります。剪定のときに使うturn tableまで購入できるので驚きです。
中国で生まれ、日本で小型化されて発展した盆栽。世界各国のさまざまな文
化的な要素が加わった盆栽を眺めるのも楽しいものです。
(ロンドン事務所 浅田次長)