イギリスで日本のお酒を
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(1)街中のお酒
イギリスにはたくさんのパブがあり、多くの人で賑わっています。パブは日
本でいう居酒屋のような場所ですが、日本と決定的に違うのは、屋内・屋外問
わずに立ちながら飲んでいる人たちが多いということです。また、パブで注文
する場合、基本的にお会計はペイ・アズ・ユー・ゴー(注文時にその都度お金
を払うこと)になります。
私の主観ですが、レストランのテーブルではワインをボトルで注文している
人が多く、カウンターではカクテルを注文する人も多く見られます。意外とウ
イスキーを注文している人をそんなに見かけません。ウイスキーの市場規模が
日本と同じく大きいため、今後の研究課題としたいと思います。客層は日本と
比べると平均年齢が低く、男女比率は日本よりも女性が少し多いようです。
日本酒はイギリスでは高価なため、なかなか街角で見かけることはありませ
ん。多くの人がビールもしくはサイダー(炭酸のりんご酒)を飲んでいます。
(2)日本食ブーム
そんな中、現在日本食ブームです。ロンドン中で日本食料理店を見かけます。
日本酒の人気も徐々に高まっており、注目が集まっています。
日本に関するイベントでは、しばしば日本酒が振る舞われます。その際に飲
みやすいお酒(地ビール、梅酒、炭酸の日本酒など)を併せて用意することに
より日本酒にも馴染みやすいよう心配りをしているようです。
(3)ロンドンワインフェア
2016年5月3日から5月5日にかけて、世界のワインやスピリッツについての見
本市である第36回ロンドンワインフェアがケンジントン(オリンピア)で開催
されました。世界中からワインが集まる中、今回が初の出展となる日本酒や梅
酒なども展示されており、多くの人で賑わっていました。出展者であるMUSEUM
of SAKE代表の菊谷なつき氏は、「日本酒への注目は高まっている。ワインと
肩を並べることができるようになってきた。」と熱心に来場者に日本酒をPRさ
れていました。また、熊本地震で被害を受けた酒造の皆さんを少しでも支援す
るため、ブースに募金箱を設置し「熊本は日本酒にとって大変重要な協会9号
酵母の発祥の地。可能な限り支援をしたい。」と話していました。
(ロンドン事務所 吉嶋所長補佐)