カテゴリー別アーカイブ: 調査・研究

アルプス地域における集客のための共同キャンペーン

2010年10月01日 

「大アルプス地域」を設定することにより、当該地域の観光産業は世界的により激しくなってくる観光客の集客競争に対応しようとしている。
 2010年9月13日、各国から観光担当の代表者(政治家)が集まる会議において「私たちはより大きな市場を創設しなければならない。これにより全ての人々の商機を増加させなければならない。」と経済担当相は強調した。この会議は、「アルプス・プロローグ」というオーストリア、ドイツ、イタリア、南チロル、リヒテンシュタインから構成される会議である。

 同経済担当相はまた、共通の戦略が必要だとも話した。今次の経済危機の渦中にあっても、オーストリアはなんとか観光業のシェアを維持し、部分的には拡大させてもいる。しかし全世界的な競争によってそれが難しくなりつつある。経済担当相は、昨今オーストリアよりも力強い経済成長を記録している国の例としてアメリカについて言及した。

 オーストリアは、経済担当相が言及した、「都市と文化」、「ドナウ川と湖」、「アルプス山脈」という3つの固有な観光資源によって有利な立場に立つことができる。またこれらの観光資源に、より付加価値をもたせることに注意が注がれる必要がある。アルプス地域の国々は、マーケティングにおける共同参画に加えて、例えば観光客が同地域でより長く滞在してくれるようにするために共同で取り組みを行う予定である。各国の担当者は、今後定期的に会議を開催することとなっている。アルプス観光の振興に向けて、「the Alps(アルプス地域の国々)」が新しいロビー活動の舞台になるだろう。

【出典】オーストリア内務省ウェブサイト
http://www.austria.gv.at/site/6892/default.aspx#id40748


スポーツ競技場への過度な要求

2010年10月01日 

 スウェーデンの競技スポーツ団体は、多くの競技場を所有する地方自治体に対して、多額の出費を必要とする要求をつきつけている。
 SKL(スウェーデン地方自治体及び州議会連合。英語ではSALAR)が実施したアンケートに対して、多くの自治体はこれらの競技場を発展・充実させるには、スポーツ団体とのより綿密な協力関係が必要であると回答している。
 SKLは地方自治体によるスポーツ競技場の所有状況及び競技スポーツ団体からの要求に関して調査を実施した。調査の結果、地方自治体は競技場運営に関して大きな責任を負っていることが判明した。つまり地方自治体にとっては、今後さらなる負担がかかるということである。
 競技スポーツ団体側が要求している競技場の改築や建設に要する費用の総額は、2000年代に1兆円を超えたと、SKLは推計している。つまり個々の地方自治体にとっては、数億円の費用がかかるということになる。各自治体がこうした要求に対応するための予算確保を行うには、様々な前提条件を受け入れる必要がある。
 人気のあるスウェーデンの競技スポーツは、各地域社会だけでなく、近隣地方にとっても非常に大きな意味合いを持つ。また全国的にみても、多くの人々が競技スポーツに大きな注目を向けている。このため地方自治体は、投資を最適な方法で行うことは重要という見解を持っている。
 各地方自治体は、スポーツ団体とより良い協力関係を構築するための対話を強く望んでいる。まず対話を通じて最適な将来計画が提案されるようにすること、そして自治体の抱える諸課題に関してスポーツ団体側の理解を得ることが対話の目的である。

【出典】
スウェーデン地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions: SALAR)のニューズレター(2010年9月29日発行)http://www.skl.se/web/Hoga_krav_pa_arenor_fran_elitidrotten.aspx?UsePrintableVersion=true


労働党新党首、地方自治体の権限を強化する方針「エド党首、地域主権を言明」

2010年09月30日 

労働党のエド・ミリバンド新党首は、党首選後初となる演説において、地域社会を再構築したいと述べた。
ミリバンド党首は、労働党政権下において、地域の課題が無視されてきたことや、実質的な地域政策に対してあまりにも多くの官僚主義的なハードルが設けられてきたことを認めた。彼は党首選の選挙運動中、地域社会の権限強化への熱意について、ことあるごとに強調していた。
*参照 The MJ 2010年9月30日号 1面


新規則により自治体の広報紙は年4回までに制限

2010年09月29日 

2010年9月29日、エリック・ピクルス・コミュニティ・地方自治大臣は、自治体自身による広報紙(新聞)の発刊および自治体によるロビー活動に関する新しい規則について発表した。
自治体は自らの広報紙の発行を年4回までに制限しなければならず、また行政サービスに直接関係のある事柄だけを取り上げるようにしなければならないこととされた。この制限の目的は、民間の地方紙との競合を回避することにある。これに加えて、自治体は今後、政府機関に対するロビー活動を行うために私企業を雇うことや、政党の党大会会場でロビー活動のための出展スペースを購入することが出来なくなる。


連立政権による特殊法人の「間引き」に対する怒り

2010年09月27日 

労働組合の代表や公共部門の職員、労働党議員は昨日、177の特殊法人を廃止するという連立政権の計画に対して怒りを表明した。
94以上の特殊法人が廃止の危機にあり、4特殊法人が民営化、129特殊法人が合併される予定という内閣府のメモが不安を引き起こしたことに対して、政府は特殊法人の職員に陳謝した。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 27.9.2010


監査官が「イージーカウンシル」モデルに異議

2010年09月24日 

格安航空会社のサービスを手本とした、英国初の「イージーカウンシル」(※)としての改革を試みるロンドン北部バーネット区の取組は、区のリーダーたちは適切な事業計画の策定に失敗しているとする独立監査の指摘を受けて難航している。
外部監査官のグラント・ソーントン氏は、イージーカウンシル方式は主要な公共サービスの削減や民営化についての充分な費用便益分析が欠けていると警告した。バーネット区は勧告を受け入れる予定だが、施策のガバナンスについては、全般的にしっかりしていると主張している。
※イージーカウンシル
全ての住民に提供される公共サービスを減らして基本的なもののみとし、それ以上のサービスの利用に対しては利用者に料金を課す方式をとる自治体の通称。イージージェット、ライアンエアなど格安航空会社の業務方式をモデルにしている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 24.9.2010


サフォーク株式会社:これが自治体の将来の姿?

2010年09月23日 

イングランド東部のサフォーク県は、専門家による検討の過程で、実質的にすべての公共サービスを外注する「バーチャル」自治体となることを提案している。これが実現すれば、サフォーク県は公共サービスを住民に全く直接提供しない初めての自治体となる。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 23.9.2010


新たな借入権限を手にした地方自治体(クレッグ副首相がTIF借入権限を提案)

2010年09月23日 

増加税収財源措置(TIF)とは、地域的に引き上げられたビジネスレートによる見込み増収額を担保に、地方自治体が借り入れを行うことを許可する制度である。ニック・クレッグ副首相は、マンチェスターで開催された自由民主党総会で、この施策を10月に公表される「包括的支出見直し」に盛り込む予定であることを発表した。
この制度は、シカゴ市では成功を収めたが、カリフォルニア州ではそれほど成功していないとの批判がある。
*参照The MJ 23.9.2010 and internet


自治体の委員会制執行機関への復帰が可能に

2010年09月20日 

2010年9月20日、アンドリュー・スタンネル・コミュニティ担当副大臣は、自治体が希望すれば、その執行機関を従来の委員会制に戻すことが許可されるようになるだろうと発表した。2000年地方自治法により、人口8万5千人以上の自治体は、それまでとは異なる内部執行体制、すなわち、「リーダーと内閣制」又は「直接公選首長と内閣制」のどちらかを採用することが強制されていた。


情報公開法は自治体にとって高く付く(情報開示請求にかかる費用が3,400万ポンドに増加

2010年09月16日 

2005年情報公開法の施行以来、開示請求件数が毎年増加しており、あわせて地方自治体への開示請求件数も増加している。
2005年における全自治体への開示請求件数は60,000件であったが、2008年には118,000件まで増加した。開示請求1件の処理時間は平均11.6時間である。1時間あたりにかかる経費を25ポンドとすると、2008年に全自治体において開示請求への対応に費やされた経費は3,400万ポンドに上る。英国最大の自治体であるバーミンガム市(※)では、2008年にかかった経費は79万1,000ポンドと算定されている。
※ ロンドンは分割されたそれぞれの区が自治体であり、どの区もバーミンガム市より小さい。また大ロンドン(グレーター・ロンドン・オーソリティ)は、地域政府であって地方自治体ではない。
*参照 LGC 16.9.2010, page 12 and following


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