カテゴリー別アーカイブ: 調査・研究

地方自治政策の発表:地方自治体の新しい権限に関する意見の公募

2009年07月24日 

7月21日、コミュニティ・地方自治省のジョン・デナム大臣は、地方での民主制をより強固なものにするための政府が提案した改革について、意見の公募を行うと発表した。
この改革によって、住民は自らが住む地域や自ら利用する公共サービスのあり方を決めるためにより大きな役割を果たせるようになる。地方議員もまた住民の代表としての務めを果たせるようにするため、より大きな権限が与えられる。地方議員に与えられる主な権限は以下のとおり。
・監査権限の強化
・現在は地方議員の監督権限が及んでいない公共サービス分野への監督権限の拡大
・公共住宅運営制度の抜本的な改正を通じての資金の柔軟な利用(この点については別途協議が行われる)、追加的なビジネスレイトの設定(この点は既に存在しており新規の権限ではない)
・16歳から19歳の若者への教育や職業訓練の方針策定に関与する権限(既に発表された政策)
・政府が設定した国全体での基準よりも厳しい二酸化炭素排出基準の設定
今回の意見公募手続きでは、これまで個別に発表された政策がまとめて検討されることとなる。


公共サービスの「苦悩の10年」

2009年07月24日 

イギリスの研究機関であるThe Institute for Fiscal Studiesは、次期選挙で誰が勝利しようと、公共支出が1977年以降最も厳しい状況となる「苦悩の10年」を迎えるだろうと警告している。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 24.07.2009


地方自治体がゴミを極秘に調査

2009年07月24日 

80以上の地方自治体で住民のリサイクル状況を確認するため、生活ゴミを調査していることが明らかになった。
地方自治体は、この調査は人々の行動に影響を与えることなくその行動を正確に調査に反映させるために極秘でなされるべきだ、と考えている。地方自治体協議会の広報担当は、「地方自治体の住民のためのごみ処理費用は増加しており、リサイクルを促進することは地方税の減少に必要不可欠なものである」と述べた。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 21.07.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=2536572)


シンクタンクのセンター・フォー・シティーズ(Centre for Cities)が公的部門の雇用に対する過信を警告する報告書を出版

2009年07月17日 

主に都市の開発やガバナンスについて考察を行っているシンクタンク、センター・フォー・シティーズ(Centre for Cities)が、公的部門の雇用に対する過信を警告する報告書を出版した。
ここでは、主にスウォンジ(Swansea)やイプスウィッチ(Ipswich)のような多数の中都市を主に対象としているが、大都市であるニューカッスル(Newcastle)の影響も考慮されている。この報告書では、1998年から2007年の間に、120万の雇用が生まれたが、その内の69%が公的部門によるものだったと伝えている。これは都心部では今でも4つに1つの雇用が、公的部門によるものであることを意味している。比較的高い率の公的部門による雇用(例を挙げれば、スウォンジで38.5%、ヘースティングズで42.2%、イプスウィッチで32.8%)が、過去1年に渡って景気後退からこれらの街を救っている。地方の特殊法人同様、地方公共団体の出先機関も相当な雇用を生み出している。しかしながら、2011年からの公共支出の大幅な縮小を受けて、これらの都市が今後ひどく影響を受けるだろうとCentre for Citiesは警告し、次の3点を勧告している。
・イギリスの都市は、経済における公的部門の役割を再考する必要がある。イギリスの都市で公的部門が主な雇用者である限り、次の10年に渡って雇用を増やすことはできないだろう。
・イギリスの都市は、経済回復に向けて雇用成長を刺激したいと考えるなら、政府事務所の移転による雇用をあてにするよりはむしろ、民間部門において、低レベルから中レベルのスキルを必要とする雇用を支援する必要がある。
・政府は、経済が回復する間は注意深く、公的部門による人員削減を段階的に行わなければならない。また賃金凍結やフレックスタイムといった代替手段を考慮し、短期的な政府の賃金支払高を減少させるべきである。


地方自治体がより高性能計測器の導入を強く勧める(エネルギー計測器を最優先で)

2009年07月17日 

政府は来年から地方自治体に対し、二酸化炭素削減義務(CRC)スキームに参加するよう求めている。
この計画がいかに機能するかを見るために、地方自治体情報機構(LGIU)(シンクタンク)は、34の自治体を1年にわたって参加させてシミュレーションを始めた。
その結果の一つとして、正確な情報が重要な要素であることが認められた。いつどこでエネルギーが消費されるかを理解するために、エネルギー使用の詳細な情報を集める高性能エネルギー計測器が不可欠である。自治体のエネルギー使用量の中で学校は大きな割合を占めており、そのため自治体が学校にエネルギー計測器を必ず持たせるようにすることは重要である。LGIUは、計測器の導入を学校に任せず、自治体が機械的にすべての学校に導入することについては議論がある、と話している。
*参照LGC 16.07.2009 front page


ロンドン協議会が公的支出の見直しを実施(ロンドン協議会が大規模な会計検査の実施を計画)

2009年07月17日 

ロンドン協議会(ロンドン区の代表により構成される組織)は、ロンドン全域における全公的部門の支出に関する会計検査を計画している。
この検査は、政府のトータル・プレイス・イニシアチブ(Total Place initiative)をモデルとしているが、ロンドン協議会は、全ての区および区の共同事業者における効率化の機会を探るために検査実施を検討している。2つのロンドン区(ロンドン中心部のルイシャム(Lewisham)とロンドン郊外のクロイドン(Croydon))はすでに試験的区域となっているが、厳しい財政状況と公共支出削減の必要性から、ロンドン協議会では全ての区において検査を実施したいと考えている。
*参照LGC 09.07.2009 front page


新地方自治体ビジネス成長インセンティブスキーム

2009年07月17日 

7月15日、ロージー・ウィンタートン地方政府担当大臣は、新しく拡張された地方自治体ビジネス成長インセンティブスキームを発表した。
経済成長率にもよるが、今後2年間で地方自治体は、1億ポンドの資金を利用できるようになる予定だ。このスキームは、地方自治体が協働する準地域*において適応される。その経済成長は、各55の準地域で決定したビジネスレイトを通して測定され、資金は、各地方自治体の人口により分配される予定だ。2層性の地域では、カウンティー・カウンシルとディストリクト・カウンシルに分配されるだろう。
*準地域とは、広範囲にわたる地域(Region)を構成するより小規模の地域で、イングランドの場合、政府地域事務所の管轄エリアで分けられた9地域の一部を構成する。それぞれの準地域は、2つ以上の自治体で構成され、イングランド全土に存在する。


4つのエコタウン発表

2009年07月17日 

優良なエコタウン候補地は、Rackheath(Norfolk), Whitehill Bordon(Hampshire), Bicester(Oxfordshire) とSt Austell近郊の China Clay Community (Cornwall)である。
これらの地域では、交通量の減少や無炭素建造物といった環境基準を満たさなければならない。11の最終候補地から選ばれたこの4つの地域の街づくりは2020年に完成する予定である。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 17.07.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=2512923)


高齢者ケア改革案発表

2009年07月17日 

昨日、政府は社会保障に係る予算の革新的な改革案の概要を発表した。
しかし、この改革に対して簡単にコンセンサスを得られる確証はほとんどない。この政策の提唱者は、労働者が退職までに老後のケアのために2万ポンドを支払うという案を「高齢者への人頭税」と呼んでいる。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 15.07.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=2436520)


国による教員配置システムの改革案は解決策にはならない

2009年07月06日 

 スウェーデン地方自治体および州議会連合(SKL)は、国が各学校への教員配置を行う新しいシステムに投資するよりも、教員の能力開発を図ることの方が遙かに重要であると確信している。
 しかし、SKLは、教習計画を完璧にすることが各学校の進展への鍵であるとも見なしていない。これとはまったく逆に、国による各学校へのすべての要求条件を本格的に縮減すること、および学校の中核的な任務に関する総合的な目標を明白化する作業の方がより良策であると考えている。
 昨日のDN新聞(注: Dagensnyheter、“今日のニュース”)の論評記事によれば、全国教職員組合は、カール・ベネット氏(注:ファイナンス会の有力者)と共に、一方では、教習計画は重要ではないと言いながらも、一部の地方自治体が完全な教習計画を持っていないことは問題であると見なす、という相反する論理を提示している。

— 計画性の観点から重要なことは、その形式や文書の名前でなく、学校に関する適切な計画と長期的戦略を持つことでしょう。この様にSKLのアンデシュ・クナーペ理事長は述べている。
このような適切な計画と長期戦略を持つことによって、多額の費用を学校に費やしている地方自治体ばかりでなく、僅かな費用しか学校に費やしていない自治体にも、生徒の成績を向上させるチャンスが生まれるでしょう。

— 学校におけるより良い成果の鍵は、精巧な教員配置システムで実現できるものではないでしょう。重要なことは、高い目標と期待する事項を設定すること、および生徒の関心を呼び覚まし、巻き込むことを説得する力のある教師を育成することの方がより重要です。このようにアンデシュ・クナーペ理事長は語っている。

【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2009年6月9日発行分)
http://www.skl.se/artikel.asp?C=361&A=60385


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