カテゴリー別アーカイブ: 調査・研究

世界最大級の洋上風力発電所

2010年09月15日 

デンマーク議会は、40万世帯に環境に優しい電力を供給する風力発電所をアンホルト(Anholt)島沖に建設する計画を許可した。
デンマーク議会は、アンホルト洋上風力発電所の建設と運営について、DONG Energy社からの応札の受入れをほぼ満場一致で決定した。
入札結果に基づき、Lykke Friis気候・エネルギー大臣は現在のエネルギー政策を支持する各政党と、洋上風力発電所の建設に関する将来モデルの分析を開始することについて合意した。この調査の目的は、将来の投資に向けた土台を築き、消費者に可能な限り安価な電力を提供することである。
400メガワット発電可能なこの発電施設は、デンマーク最大の洋上風力発電所で、2012年から2013年には、40万世帯の電力消費量に相当する環境に優しい電力を供給できる予定である。また同時に、このプロジェクトは雇用を創出し、最大8000人が建設期間中に職を得ることができる。さらに、デンマークは2020年までに再生可能エネルギーの割合を30%にするという目標に、1%近づくことになる。
唯一の応札者であったDONG Energy社は、発電施設の寿命の約半分の期間を、1kwあたり1.051デンマーク・クローネで落札した。残りの期間は、補助金などはなく市場価格で販売される。これは現在建設中の風力発電施設Rødsand IIより高額であるが、隣国の同様の風力発電施設と同等の価格である。
また、アンホルト洋上風力発電所は、消費者にとって最終的には安い買い物となるだろう。年間の補助金は1kiw当たり0.01デンマーク・クローネの見込みで、平均的な家庭(4000kw使用)に換算すると年間44デンマーク・クローネとなる。しかし、この発電所で生産される電力により、電力価格が抑制され補助金分は相殺されると考えられている。
気候・エネルギー大臣は、電気・天然ガスの輸送システムを運営する国営会社であるEnerginet.dkに対し、風力発電所とアンホルト島を海底ケーブルで結び、電力網に接続するよう指示した。これにより、島の140人の住民は軽油発電機に替わり、環境に優しい電気を利用することができる。このプロジェクトは、化石燃料からの脱却を目指す国のエネルギー政策に基づくものであり、さらに地域環境の改善に貢献すると考えられる。

【出典】
デンマーク 気候・エネルギー省ウェブサイト
http://www.kemin.dk/en-us/newsandpress/news/2010/sider/greenlightforoneoftheworldslargestoffshorewindparks.aspx


ローカル・エンタープライズ・パートナーシップ(LEPs)の最終的な姿は依然不透明

2010年09月09日 

コミュニティ・地方自治省は、全国から56のローカル・エンタープライズ・パートナーシップの申請を受理した。
しかしこれらの多くは小規模で、一つの自治体のエリアのみをカバーするものもあり、申請の多くがカウンティ(日本の県に相当)の境界を反映したものとなっている。これは、政治家がこのようなパートナーシップの内容として期待していた内容を反映しているとは言えない上、エリアが重複する申請も多い。この新しいパートナーシップの最終的な形が明らかになるまでにはまだしばらくかかるだろうが、他の自治体の先導的な役割を果たすため、いくつかのパートナーシップについては、早急に立ち上がるものとみられている。
※ローカル・エンタープライズ・パートナーシップLocal Enterprise Partnerships(LEPs)
新連立政権がEnglandに現在9つある地方開発公社Regional Development Agency (RDA)を2012年までに廃止し、それに代わり地域経済を発展させることを目的に設立を計画している地方自治体と企業による新しい形態の広域パートナーシップ。
*参照 The MJ 9.9.2010, front page


仕事を続けたければ、タダ働きをしなさい

2010年09月07日 

ソルフォード市職員は職を維持するためにただ働きすることを求められることになりそうだ。
市の幹部は年間440万ポンドを節約するために1万1千人の職員に対して1週間に1時間、勤務時間外労働をするよう求めることを検討している。同市の報告は、「余剰人員の解雇と比較するなら、この方法は職員にとっても魅力的な選択肢ではないか」と述べている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 7.9.2010


10万戸の住宅新築計画が廃止に

2010年09月03日 

全国住宅連盟によると、新政権発足後に自治体が計画を中止した公営住宅の数は10万戸に上るという。
。棚上げになったのは、ノースサマセットの10,750戸、ブリストルの9,600戸、ノースハートフォードシャー及びスティヴネージの9,200戸などである。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 3.9.2010


近隣の地方自治体同士で企業誘致競争(「隣の自治体が職員駐車場課金に悩む企業を勧誘」

2010年09月02日 

ブリストル市では企業に対して職員駐車場課金制度の導入を検討している。
隣のグロースターシャー県では、このブリストル市のこの動きを好機と捉え、同県では同制度の導入を予定していないことを宣伝し、ブリストル市内の企業を積極的に誘致しようと考えている。職員駐車場課金制度は、2000年交通法に基づき導入が可能となったものだが、現在のところノッティンガム市のみがすでにこの制度の導入を決定している。この課金収入は、地元の交通のために利用されなければならないこととされている。上記の動きにもかかわらず、ウィルトシャー県やリーズ市など他の地方自治体も、この制度の導入を検討している。
*参照 The MJ 2.9.2010, p.4


街路の邪魔物を削減

2010年08月26日 

エリック・ピクルス・コミュニティ・地方自治大臣とフィリップ・ハモンド運輸大臣は、8月26日、不要な標識その他の街路に設置された公共物の撤去に取り組むよう、地方自治体宛てに通知したと発表した。
「大きな社会」の実現に向けた取組の一環として、不要な標識や、車止めのように街路にあふれて視界を悪くするとともに道路を利用しづらくしている物の撤去について減らすよう、地域住民が地方自治体に働きかける動きを後押ししたいと両大臣は考えている。


緊急予算は家族と年金生活者を2倍の厳しさで直撃

2010年08月25日 

本日発表された分析によると、年金生活者と子供のいる家族が、ジョージ・オズボーン財務大臣の策定した緊急予算の最大の被害者となる見込みである。
シンクタンクの財政問題研究所は、連立政権による税制と福祉手当の改正により、今後4年間、上記の2グループは、子供のいない夫婦世帯に比べて、はるかに多くの収入を失うことになるだろうと述べている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 25.8.2010


大気浄化のため環境区域を指定

2010年08月24日 

 運輸審議会は、各地方自治体が大気浄化のため道路交通に環境区域を独自に制定できるよう、当該法の改正を提案している。この提案は多くの都市において大気の改善に効果的であり、スウェーデン地方自治体及び州議会連合(以下「SKL」、英語ではSALAR)は歓迎している。
 現在、多くの自治体が大気に関する環境品質基準を満たすことが困難な状況にある。地方自治体の大気には基準を超える二酸化窒素や複数の素粒子を含まれている。このため運輸審議会は、地方自治体が環境基準を満たさない自家用車、小型トラック及び小型バスなどの乗り入れを禁ずる環境区域の制定を独自にできるよう国会に提案している。なお現行法では、大型トラックに対しては環境区域指定が認められている。

— 「地方自治体が独自に環境区域を指定できるようにすることは、非常によい提案です。SKLでは地方自治体が大気環境改善のための具体的な手段が必要であると、長期にわたって提言してきました。環境区域制定は、市街地の大気品質を改善するための第一歩となるでしょう。」とSKLのカローラ・グンナルソン副理事長は述べている。
 運輸審議会は地方自治体が環境区域内でのスタッド・タイヤの使用も禁止できるよう提案している。現行では一部の道路及び路線のみにおいて可能である。SKLは環境区域制定により、地方自治体が環境基準を遵守することが容易になると考えている。

【参考】
現在、十数ヶ所の地方自治体において EUの空気品質基準(EU指令:2008/50/EG 2008年 )を満たすことが困難であるため、環境区域制定を各自治体に委任できるよう、その法制化が運輸審議会から国会に提案された。提案の要旨は各種車両に対しての乗り入れ禁止区域の設定、スタッド・タイヤ装着車の乗り入れ禁止区域設定、乗り入れ制限基準の遵守状況管理方法改善などである。

【出典】
スウェーデン地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions: SALAR)のニューズレター(2010年8月24日発行)http://www.skl.se/web/Miljozoner_for_battre_luft.aspx


歳出削減チャレンジへの次なるステップ

2010年08月20日 

財務省は、8月18日から31日までの間、「歳出削減チャレンジ」のテーマで提案されたアイデアの中から最優秀のアイデアを決めるために、一般国民からの投票を受け付けると発表した。
この「歳出削減チャレンジ」では、一般国民の誰でも歳出削減の提言を行うことができ、6月23日から7月8日までの間に63,000通以上の応募が行われ、100,000件以上のアイデアが提案された。今回、国民はこれらのアイデアについて有益性の観点から評価することを求められており、2010年10月に発表予定の「支出見直し(the Spending Review)」において、どのアイデアを採用して歳出削減を行うか財務省が決定する一助とされる。


地域企業パートナーシップ(LEP結成の困難さが明らかに。地方自治体はその準備段階で衝突。)

2010年08月19日 

地域開発公社(RDAs)に代わる新政策「地域企業パートナーシップ(Local Enterprise Partnerships)」は、多くの地方自治体がその適用エリアの決定に困難を覚えていることで、簡単には実現できないことが判明しつつある。
というのも、地方自治体は、これまでより自由に決定することが可能になり、元々の地域開発公社(RDAs)や以前の地域議会の境界を考慮する必要がなくなったからである。逆に、このことによって、地方自治体が、一体どの地方自治体と組むべきかについての論争を紛糾させる結果ともなっている。
*参照 The MJ 19.8.2010, page 4


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