カテゴリー別アーカイブ: 欧州の地方自治情報

ゴミ税導入でゴミ削減を目指す

2010年10月15日 

 スウェーデン南西部のヨーテボリ市(Göteborg)はゴミ削減のため、ゴミ税を導入する。
 これはゴミの重さに基づいて家庭に課税する制度で、ヨーテボリ市内のある地域ではこの方法によりゴミが20%減少している。
 ヨーテボリ市のAskim地区では各家庭のゴミ回収箱に認識用の特殊なチップを貼付し、収集車がゴミを積み込む前に重さを量る。その重さに基づいて課税された税金は各世帯から引き落とされる。スウェーデンでは年間約500万トンの家庭ゴミが排出されている。ゴミを削減するためにヨーテボリ市の一部の地域で始まったこの取り組みは、同市の他の地域でも導入されることになる。

【出典】
Radio Swedenのウェブサイト
http://sverigesradio.se/cgi-bin/isidorpub/PrinterFriendlyArticle.asp?programID=2054&Nyheter=0&grupp=3581&artikel=4072009


大きな社会(Big Society)」に関する認識調査(政治課題「大きな社会」に対する大衆の判決)

2010年10月14日 

雑誌Local Government Chronicleは、主要な地方自治体、ボランティア団体、およびパリッシュ等小規模自治体を対象に、「大きな社会」に対する見解について調査を実施した。
これによって重要な事実が数多く判明したが、最もショッキングな結果は、「大きな社会」の目的として政府が明言している成果の達成について、肝心要のボランティアセクターこそが、最も懐疑的だったことである。また、主要な地方自治体が、「大きな社会」によってパリッシュが強い役割を持つようになるということについて懐疑的であるのに対し、パリッシュはこれに対する強い期待を表明するなど、自治体によって顕著な相違が見られる。
*参照LGC 14.10.2010, p. 12 to 18


歳出削減により「100万人が失業」の可能性

2010年10月13日 

会計事務所プライスウォーターハウスクーパース社によると、8300万ポンドに及ぶ政府の公共支出削減の決定の結果として、今後4年間で100万人が失業すると見込まれている。
同社のレポートでは、学校や病院の建設計画の撤回により、公共部門で50万人が、民間部門でも同じく50万人近くが職を失うこととなりそうだと予測している。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 13.10.2010


労働組合が市民の不服従運動を計画

2010年10月13日 

全英労働組合は、公共部門の支出削減に対する政府への圧力を強めるために、組織的なストライキ、市民の不服従運動、さらには「ここ何十年となかった規模の抵抗運動」を行うと脅しをかけている。
主要な労働組合の1つであるUniteは、自治体が支出削減への備えを行うにつれて、食事の宅配、学校における果物の無料配布や高齢者へのケアサービスが「蜘蛛の糸」の危険に瀕していると警告した。「公共サービス防衛」と名付けられたこの運動は、本日の全英労働組合の年次総会に先立ち、国内の大部分の主要な労働組合により署名された。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 13.9.2010


福祉手当の受給状況が最悪の地域が明らかに

2010年10月11日 

英国の134の地域では、住民の半数以上が国からの福祉手当で生活していることが、本日発表された報告によって明らかになった。
Centre for Policy Studies(政策研究シンクタンク)からの報告によると、英国は無職世帯数がヨーロッパの中で最も多い国となっている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 11.10.2010


外郭団体廃止は負債処理のため過重負担に

2010年10月08日 

政府内からの漏洩文書により、180に上る特殊法人を廃止することによって巨額の経費節減を確保しようとした政府の計画は、廃止にかかる賃貸借契約の違約金、退職金、年金をカバーするために必要な負債が何十億ポンドにも上るため、頓挫する可能性があることが明らかになった。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 8.10.2010


児童貧困対策地域先進事業が成功(教育省が報告書の中で地域の貧困対策の成功を賞賛)

2010年10月08日 

労働党政権下で10の児童貧困対策パイロット事業が地方自治体により実施された。これらの対策は2011年まで実施される予定であり、教育省はこのたび児童貧困対策の進捗状況に係る中間報告を発表した。
これまでのところ、コンウォール県やタイン・ゲートウェイ(ノース・タインサイド市及びサウス・タインサイド市を含む大都市圏地域)などいくつかの地域では、児童貧困家庭の減少や家族支援に関して顕著な成果があったことが分かった。現在の課題は、これらの取り組みを、どのようにして「地域主導財政(place-based budgeting)」確立への努力や地方分権の実現に結びつけていくことができるかかである。


ピクルス大臣が大都市における「地方主権」を宣言

2010年10月04日 

エリック・ピクルス・コミュニティ・地方自治大臣は昨日、イングランドの12の大都市に対して「地方主権」を宣言し、直接公選首長制に関する住民投票導入のための新しい立法を約束した。
11月提出予定の地域主義法案(Localism Bill)では、バーミンガム市、リーズ市、シェフィールド市、リバプール市、ブリストル市、マンチェスター市などの都市で、公共支出における強化された権限を持った直接公選首長導入のための住民投票を促す内容となる見込みである。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 4.10.2010


アルプス地域における集客のための共同キャンペーン

2010年10月01日 

「大アルプス地域」を設定することにより、当該地域の観光産業は世界的により激しくなってくる観光客の集客競争に対応しようとしている。
 2010年9月13日、各国から観光担当の代表者(政治家)が集まる会議において「私たちはより大きな市場を創設しなければならない。これにより全ての人々の商機を増加させなければならない。」と経済担当相は強調した。この会議は、「アルプス・プロローグ」というオーストリア、ドイツ、イタリア、南チロル、リヒテンシュタインから構成される会議である。

 同経済担当相はまた、共通の戦略が必要だとも話した。今次の経済危機の渦中にあっても、オーストリアはなんとか観光業のシェアを維持し、部分的には拡大させてもいる。しかし全世界的な競争によってそれが難しくなりつつある。経済担当相は、昨今オーストリアよりも力強い経済成長を記録している国の例としてアメリカについて言及した。

 オーストリアは、経済担当相が言及した、「都市と文化」、「ドナウ川と湖」、「アルプス山脈」という3つの固有な観光資源によって有利な立場に立つことができる。またこれらの観光資源に、より付加価値をもたせることに注意が注がれる必要がある。アルプス地域の国々は、マーケティングにおける共同参画に加えて、例えば観光客が同地域でより長く滞在してくれるようにするために共同で取り組みを行う予定である。各国の担当者は、今後定期的に会議を開催することとなっている。アルプス観光の振興に向けて、「the Alps(アルプス地域の国々)」が新しいロビー活動の舞台になるだろう。

【出典】オーストリア内務省ウェブサイト
http://www.austria.gv.at/site/6892/default.aspx#id40748


スポーツ競技場への過度な要求

2010年10月01日 

 スウェーデンの競技スポーツ団体は、多くの競技場を所有する地方自治体に対して、多額の出費を必要とする要求をつきつけている。
 SKL(スウェーデン地方自治体及び州議会連合。英語ではSALAR)が実施したアンケートに対して、多くの自治体はこれらの競技場を発展・充実させるには、スポーツ団体とのより綿密な協力関係が必要であると回答している。
 SKLは地方自治体によるスポーツ競技場の所有状況及び競技スポーツ団体からの要求に関して調査を実施した。調査の結果、地方自治体は競技場運営に関して大きな責任を負っていることが判明した。つまり地方自治体にとっては、今後さらなる負担がかかるということである。
 競技スポーツ団体側が要求している競技場の改築や建設に要する費用の総額は、2000年代に1兆円を超えたと、SKLは推計している。つまり個々の地方自治体にとっては、数億円の費用がかかるということになる。各自治体がこうした要求に対応するための予算確保を行うには、様々な前提条件を受け入れる必要がある。
 人気のあるスウェーデンの競技スポーツは、各地域社会だけでなく、近隣地方にとっても非常に大きな意味合いを持つ。また全国的にみても、多くの人々が競技スポーツに大きな注目を向けている。このため地方自治体は、投資を最適な方法で行うことは重要という見解を持っている。
 各地方自治体は、スポーツ団体とより良い協力関係を構築するための対話を強く望んでいる。まず対話を通じて最適な将来計画が提案されるようにすること、そして自治体の抱える諸課題に関してスポーツ団体側の理解を得ることが対話の目的である。

【出典】
スウェーデン地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions: SALAR)のニューズレター(2010年9月29日発行)http://www.skl.se/web/Hoga_krav_pa_arenor_fran_elitidrotten.aspx?UsePrintableVersion=true


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