カテゴリー別アーカイブ: 欧州の地方自治情報

ノルウェー政府が石油基金を景気対策に使用

2009年03月12日 

ノルウェー政府は石油売買の利益によって蓄えられた潤沢な2,220億ポンドの国家基金を使った新しい財政支出を行う見込みである。
ストルテンベルグ首相は、「好況時には基金は厳しく保持・管理されてきたが、景気減退が始まっている現在は、この基金を使いはじめる時である」と語っており、今後、中央銀行の利下げと共に大規模な財政支出が予定されている。この財政支出は主に、学校やインフラ建設といった公共事業に支出され、地方自治体に対して多くの予算が与えられる見込みである。
非EU国でありながら、順調な経済発展を遂げてきたノルウェーであるが、現在は失業率の増加、不動産価格の下落等、EU各国と同じ問題に悩まされている。

【出典】
Financial Times
http://www.ft.com/cms/s/0/c601f6aa-ca47-11dd-93e5-000077b07658.html


収斂プログラム2008の策定

2009年03月12日 

2008年12月、デンマークの収斂プログラム(Denmark’s Convergence Programme 2008)がEUに提出された。
EU加盟国は、EU安定成長協定(Stability and Growth Pact)に基づき、加盟国の財政政策の監視と協調等のため、中長期的な財政政策等について、EU加盟国のうちユーロ加盟国については安定プログラム(Stability Programme)を、ユーロ非加盟国については収斂プログラムを、毎年提出することとなっている。
今回のデンマーク収斂プログラム2008は、2007年8月に策定された2015年計画(2015-plan)のアップデートでもあり、2008年12月に発表された経済調査概況(Economic Survey December 2008)等に基づいて策定された。
当該プログラムは、2015年までの財政政策の基本方針と優先事項についてまとめたものであり、昨今の世界金融危機によって厳しい状況におかれてはいるものの、2015年までの財政の持続可能性と構造的な黒字化に向けて、順調に進んでいるとしている。
これらの目的を達成するため、2万人の雇用創出や、最近の平均従業時間の短縮に対抗するような構造的改革が、実施されているとしている。

【出典】
デンマーク財務省ウェブサイト
http://uk.fm.dk/Publications/2009/Denmarks%20Convergence%20Programme%2008.aspx
ECウェブサイト
http://ec.europa.eu/economy_finance/sg_pact_fiscal_policy/fiscal_policy528_en.htm


リージョン制導入への道が開かれる

2009年03月12日 

 Radio Swedenによれば、スウェーデンの連立与党である中道右派連合(穏健、中央、自由、キリスト教民主)は、今後の地方自治体の組織のあり方について、ついに合意に達した。
 その内容は、最近の政府の調査報告書が、すべてのカウンティを廃止してリージョン制へと移行すべきであるとの提案に対し、より緩やかな内容となっている。

・現行のカウンティカウンシル(County Council・・・県に相当する自治体)に代わり、これらが合併して、より広域のリージョン(region)を形成することを認める。
・リージョン制導入を希望する地方自治体は、政府機関に対し申請書を提出する。
・ただし、必ずしもすべてのカウンティがリージョンに移行することを強制するものではない。カウンティカウンシルがリージョンに移行することを望まなければその必要はない。
・既に、試験的にリージョンを導入しているヴェストラ・ヨータランドとリジョン・スコーネは継続することを認められる。

【出典】
Radio Sweden 2009年1月28日より
(http://www.sr.se/cgi-bin/International/nyhetssidor/amnessida.asp?programID=2054&Nyheter=0&grupp=3574&artikel=2597550)


必要とされる電子身分証明のための新しい方法

2009年03月12日 

 行政開発庁(Verva =Verket för förvaltningsutveckling)*は、そのレポートで、民間企業が将来も引き続き電子身分証明の全面的な責任を担い続けることを提案している。
 SKLは、その意見書の中で、電子身分証明には、現行のソリューションの修正ではない新しい方法を考案することを求めている。
 「電子身分証明は、電子による個人番号に相当するものを含むものですから、国が責任を持つべきです。市場は、それに従ってこの『電子個人番号』の保有者の電子身分証明書(カード)を発行することが可能となり、スウェーデンは、長期的に維持できる電子による認証処理のシステムを確保することができます」とSKL の議長アンダーシュ・クナーペは述べる。
 「Vervaの提案は、コミューンおよびランスティングの持つニーズに配慮していません。その上、コミユーンおよびランスティングへの影響の分析や結果の判断がなされていません」とSKL の議長アンダーシュ・クナーペは述べる。
 詳細はこちら(スウェーデン語)http://www.skl.se/artikel.asp?A=55811&C=2977

*英語でSALAR(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のことを指す。
【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2008年11月25日発行分)


子供の負債を防止するためには新しい法律が必要

2009年03月12日 

 より良い法律の制定によって、コミューンおよびランスティングへの支払い義務を、青少年ではなく両親に肩代わりさせることができるようにすべきである。
 SKLは、コンピューター監督局からのレポートでそう主張している。
 レポートは、債務が発生した時点で未成年だった人に対する現在続行中の支払い要求の案件が、79,500件余りもあることを示している。公共部門での貸付金には、予約無断キャンセル時に課される医療費、公共交通機関での罰金、返済されない図書館の書籍などがある。
 「現行の法律では、支払い義務が子供たちに課されることとなるため、子供たちが負債を負うリスクがあります。私たちは、両親がその子供たちの支払い義務を負うようにするために法律を改正することが望ましいと思っています」とSKLの法律担当、オロフ・モーベリィは述べる。
 詳細はこちら(スウェーデン語)http://www.skl.se/artikel.asp?A=55698&C=2977

*英語でSALAR(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のことを指す。
【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2008年12月02日発行分)


(国は)コミューンおよびランスティングに投資せよ

2009年03月12日 

 「現時点で未だにコミューン部門への資金配分が含まれていないことは残念です。政府からの地方自治体経済活性化措置についての返答を期待しています」政府の経済活性化パッケージについて、スウェーデン・コミューンおよびランスティング連合議長アンダーシュ・クナーペは、このように述べた。
 来年中には、ランスティングの半数が活動の低減を余儀なくされる。またそれはコミューンの多くにも当てはまり、すでに今年中に60余のコミューンは赤字決算を予想している。
 コミューンおよびランスティング内での就業率を維持するために特段の経済活性化対策が必要である。
 政府は、職業紹介所、職業教育、ROT税金控除の施行(持ち家およびマンション修理経費に対する税金控除制度、費用の50%を控除できる)、インフラストラクチャーへの特別な資金配分を決定している。
 詳細はこちら(スウェーデン語)http://www.skl.se/artikel.asp?A=55811&C=2977

*英語でSALAR(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のことを指す。
【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2008年12月09日発行分)


憲法による自治体自治権の大きな前進

2009年03月12日 

 SKLは、自治体の自治権の強化についての憲法調査会の提案を歓迎する。
 「(提案は)良い仕事をするための地方自治体部門の権限の拡大に重要な意味を持つ大きな前進です」とSKLの議長、アンダーシュ・クナーペは述べる。
 今日、発表される憲法調査会の提案によると地方自治体部門の地位について、憲法に特別の独立した章を与えられる。
 「これは、スウェーデンの民主主義に地方自治体の自治権が特別な意味を持つ事を非常に明確に意思表示したものです」とアンダーシュ・クナーペは述べる。
 調査会は、また自治権への不必要な侵害を不可能にする「均衡原則」の導入を提案している。政府はそれぞれの法案における自治体の独立決定権への侵害の程度が、達成したい目的に照らして妥当であるか否かの判断をしなくてはならない。さらにその後、立法委員会(www.lagradet.se)が最終的な監督機関の機能を果たす。
 「これは、自治権への制限の妥当性について検討する機関が2つあることを意味し、良いことです。このような「均衡原則」を私たちは長い間申し立ててきたのです」とアンダーシュ・クナーペは話す。
 「またそのような手順は、政府と自治体間における良く機能する正式な協議システムを前提としており、SKLはそれも求めてきました。継続的な対話は、政府と自治体部門の間での良い協力関係の最良の基盤です」
 憲法調査会は、また現在の自治体の税システムが憲法に反するものではないことを確保するため、このシステムを憲法に含める可能性も提案している。さらにコミューン法の幾つかの変更が提案されている。そのような提案の中には、コミューンが例外的な状況時においては選挙の実施を可能にすること、およびコミューンで住民投票を求める市民の権限を強化することが含まれている。

* SKLとは、英語でSALAR(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のことを指す。
【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2008年12月22日発行分)
http://www.skl.se/artikel.asp?A=55811&C=2977(スウェーデン語)


「沿岸の土地」(建築許可)を過疎地の誘致対策にせよ

2009年03月12日 

 過疎地のコミューンにはその沿岸の土地を競争上の強みとなるように利用できるようにさせよ。全国の多くの地域には、アウトドア活動や野生動植物に害を与えずに建築開発が可能である長い岸(湖岸/海岸)がある。
 SKL議長、アンダーシュ・クナーペは討論記事にこのように書いている。
 環境省は、過疎地ではより建て易く、過密地では建てにくくなるようになる良い提案を作成している。
 コミューンは、この提案を歓迎しており、従ってその方向に従った法案が提出されることを期待している。私たちは新しい沿岸保護規定を100%サポートする、とアンダーシュ・クナーペは書いている。
 現行のシステムは、非効率的で一貫性がなく、不明瞭である。現在、利害の対立による数百件もの沿岸保護の(裁判)案件が全国各地で進行中である。しかもそれらの最終判断が、合理的に決まるのかまたは行き当たりばったりなものになってしまうのかも判断しにくい状況にある。

*SKLとは、英語でSALAR(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のことを指す。
【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2009年1月13日発行分)
http://www.skl.se/artikel.asp?A=55811&C=2977(スウェーデン語)


リージョンに関する報告書

2009年03月12日 

 政府により任命された国会の委員会(Ansvarskommitténs)のリージョンに関する報告書につき、SALARが下記のとおり説明している。

1.地方の競争力がより重要になる。長期的な成長率および福祉を確保するためには、国際的な競争に勝たなくてはならない。専門化への要求は、「地理的近さ」に基づいた協力を促し、競争は今日、地方単位であることが特徴となっている。地方レベルでは企業、下請け、コミューン、リージョン、大学、研究機関がしばしば様々な業界の集合地点になっている。しかし地方の成長のための前提条件は全国で格差があり、優先的に必要とされるのは政治的な決定である。そのため、独自のリージョンの知識に基づいてそれらの意思決定をするのは選任された代表者であるべきだ。

2.労働市場としての地方は拡大している。すなわち労働市場の地理範囲は継続的に拡大している。30年間に労働市場として自然に機能する地域は、200から80地域に減少した。さらに20年後には、50地域以下となる。このような展開は、より専門化する労働市場に起因するものだがそれを円滑に促すためには、より開発された交通インフラストラクチャーおよび機能する公共交通システムが必要とされる。これに関連して最良の優先順位づけ・選択を行い、地方の前提条件を利用するためには、地方(リージョン)レベルでの議員による大きな影響力が必要である。

3. 健康および医療ケア分野での開発は、益々迅速になっている。治療可能な病気の種類が日々多くなっている。そのことは、特に市民の意識が高くなり、治療形態への要求が高くなるにつれまた(医療が)高価になることでもある。これらのチャレンジに対処するためには、より大規模な患者基盤と、より大きな経済基盤が必要となる。同時に非中央化した政治的責任分担を保護することも重要で、特に異なる責任組織の間での競争は(医療)活動の開発を促進する。私たちのグローバルな競争力、またそれに伴う私たちの福祉を保持、強化し、同時に市民に平等で最良の質を持つ健康および医療ケアを提供するために社会組織を対応させる方法を見つけ出さなくてはならない。
 委員会の提案は、スウェーデンをリージョンに分割し、そこで信任選出された議員が健康および医療ケアや地方の開発問題の意思決定を行うことである。スウェーデンのコミューンおよびランスティングもそれに賛同している。

【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2009年1月20日発行分)
http://www.skl.se/artikel.asp?A=55811&C=2977(スウェーデン語)


全ての(自治体の)アジェンダである国際的な協力

2009年03月12日 

 全てのコミューン、ランスティング、リージョンは、何らかの形での国際的な活動を行っていることを SKLによる新しいアンケート調査が示している。
 半数余りのコミューン、ランスティング、リージョンは、国際的活動のための文書化されたストラテジーを作成している。
 「他国との協力は、活動が最良な形で開発されるために重要なことです。ですから、アンケート調査に参加した全ての組合員の全てが国際活動に携わっていることは喜ばしいことです」とSKL議長、アンダーシュ・クナーペは述べている。
 組合員の間で最も一般的な活動は、海外視察またはその受入れである。10に8のコミューンが視察を受け入れており、10に7は視察旅行を実施している。ランスティングおよびリージョンでは、90%が視察を送りまた受入れている。視察の大多数の行き先はブラッセルである。アンケート調査の返答の半数は、EUに国際活動の焦点を当てている。しかし、多くが他の国際活動もEUと同様に重要であると考えている。
 例えば「最高60%に及ぶ(地方自治体の)活動が、EU決定に影響されるなど、EUの決定が組合員の活動の非常に大きな部分に影響を与えていることを承知しています。そのためそこ(EU)で何が起こっているかに大きな注意をはらうことは重要でありまた適切なことです」
 多くの組合員は、特に北欧およびバルト海周辺地域での姉妹都市との協力を行っている。バルト海周辺地域問題、エネルギー政策、青少年に関する問題が組合員の参加する国際的ネットワークの活動の大きな部分を占めている。
 調査は、またコミューン、ランスティング、リージョンの半数以上が国際活動のための文書化されたストラテジーを作成していることを示しており、さらにストラテジーを持つ組合員が最も活発である。またコミューンの大きさにもより、大きなコミューンは小さなコミューンより活発である。しかし、組合員の間には議会の過半数を占める政党によっての明らかな違いは見られない。
 調査の返答は、国際活動を行う組合員の最も一般的な理由が能力開発および産業開発であることを示している。
 アンケートは国際活動担当の職員によって返答された。

*SKLとは、英語でSALAR(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のことを指す。
【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2009年1月20日発行分)
http://www.skl.se/artikel.asp?A=55811&C=2977(スウェーデン語)


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