イギリスの何百もの高層ビルは防火設備が不適切であると、Camberwellで6人が亡くなった火事の後専門家がコメントした。
現在新築の高層ビルは、集中管理された煙探知機と非常ランプを備える必要があるが、古いビルにこれらを装備するようよう地方自治体に強制することはできず、多くは中央政府からの助成金がないため実行されていない。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 17.08.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=3198305)
カテゴリー別アーカイブ: 欧州の地方自治情報
ウィーンが生活の質調査で世界トップに
2009年08月17日 インターナショナル・マーサー・コンサルティング・グループの生活の質調査によると、ウィーンが総合点で初めて首位に輝いた。
この調査は世界215都市を対象にしており、ニューヨークを100点とした相対的点数評価が行われる。治安、医療、教育、交通に合わせて、政治、社会、経済、環境等の国際的業務を課されるビジネスマンにとって重要な39分野の要素について点数評価が行われる。ウィーンは常に上位に位置し、昨年はチューリッヒに次ぐ2位を獲得していたが、今年は108.6点を獲得し首位となった。
マーサーのSlagin Parakatil上席調査員は今年の調査について以下のようなコメントをしている。
「昨今の金融危機の結果、多国籍企業はコスト削減の観点から自社の国際戦略を見直している。今後も生活の質に基づいた職員への海外手当は重要な要素であろうが、多くの企業は、可能な限り長期的な海外業務の数を減らしたり、海外で行っていた給与支払い業務を国内業務に戻したりしている。」
【出典】
http://www.mercer.com/qualityofliving
http://www.wien.gv.at/english/news/mercer-study.html
グリーンランドの自治権拡大
2009年08月17日1 内容
6月21日に約3百年間デンマーク統治下にあったグリーンランドがその自治権を拡大することとなった。
グリーンランドの人口は5万7千人で、その財政の約30%はデンマーク政府からの補助金に依存している。自治権の拡大に伴い、補助金が打ち切られることはなく、デンマーク政府はグリーンランドにおける防衛や外交については最終的な意思決定を行う。グリーンランドでは警察と裁判所については責務を負う。グリーンランド語が公用語となり、グリーンランド人は国際法上デンマーク人とは別の人種に位置づけられることとなる。
2 経緯
1979年にグリーンランドは自治権(限定的自治権)を付与され、2008年11月の国民投票でデンマーク政府からの独立を推進するという意見が大多数となった。デンマーク政府はその投票の結果を重く受け止め、グリーンランドの自治権を拡大することとなった。
3 背景
この自治権拡大の背景としては、グリーンランドに住む人々の次のような考え方が挙げられる。第一に、地球温暖化により、北極圏の氷床が減少し気温が上昇したことで、グリーンランド北部にあると考えられる石油、天然ガス、レアメタルなどの天然資源がより簡単に入手できるかもしれないということである。第二に、産業が現在の主要産業である漁業だけでなく多様化できるかもしれないということである。しかし、完全な独立について全体的にまとまった動きはなく、現グリーンランド自治政府は、独立よりもまずアルコール中毒問題、家庭内暴力や高い自殺率への対応に現在は焦点を当てる必要があると述べた。
(参考)
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/greenland/5594140/Greenland-takes-step-toward-independence-from-Denmark.html
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/europe/8111292.stm
クレジットクランチ(信用収縮)により地方自治体にさらなる問題
2009年08月14日監査委員会は、景気後退が、地方自治体が対処しなければならない第二波の問題を引き起こすだろうと警告する報告書を発表した。
これには、公立学校への需要増やホームレス問題と同様にアルコール依存症、薬物乱用、家庭内暴力の増加といった問題が含まれてくるかもしれない、というものである。さらに、多くの人々が財政上の問題に苦しんでいることから、高利貸しがはびこる環境を助長するかもしれないと伝えている。中央政府の取組みに関して、この報告書では、国のスキームの多くが、効果を最大限に発揮するために地方の知識をあまり役立てていないと批判した。
*参照LGC 13.08.2009 P.4
地方の特定地域で共有形態の住宅の売却を制限
2009年08月14日8月12日、イアン・オースチン住宅担当相は、住宅不足に直面している地方の特定地域で、一般市民が購入できる安価な住宅を確保するために規制を設けると発表した。
現在、住宅協会との共有である住宅(購入者が住宅の所有権の一部を購入し、所有権の残りの部分について住宅協会に家賃を支払う)については、購入者が取得可能な所有権の割合に上限を設けることや住宅協会が買い戻し権を留保することで、将来の住宅購入者にも住宅協会との共有の形態が保たれることとなる。これにより、一般の住宅市場から住宅全体を購入しなければならない場合に比べて、初めて住宅を所有する際の経済面での敷居が低くなる。安価な住宅が確実により多く供給されるよう、政府はCommunity Land Trusts(CLT:コミュニティー土地トラスト)を今後も支援していく予定である。CLTは地域の発展のために土地や住宅を所有し管理している民間団体であり、その主な業務はCLTが提供する土地への住宅の建築、その住宅の部分所有や賃貸である。CLTの果たす役割については、都市でも地方でも数多くの試験的地域で実証されており、政府はより一層CLTを支援し、このアプローチを進めようとしている。
*参照 http://www.communities.gov.uk/news/corporate/1310437
地方自治体が空き店舗を改装
2009年08月14日コミュニティー・地方自治省のジョン・デナム大臣は、メインストリートにある商店が受ける悪影響を減らすことを目的に、空き店舗をギャラリーや母子センターなどに転換するため、57の地方自治体へそれぞれ5万ポンド(約800万円)以上を支給すると発表した。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 13.08.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=3074421)
地方自治体は40億ポンド(約6400億円)の歳入不足
2009年08月14日地方自治体協議会の最新調査によると、不況の影響で資産売却や利子収入が減少したことにより歳入が落ち込み、地方自治体が40億ポンド(約6400億円)の歳入不足に直面していることが明らかになった。
地方自治体協議会副理事長のJeremy Beecham氏は、次のように伝えた。「地方自治体は、家の所有者や家庭が困窮しているのと全く同様に不況の影響を受けている。地方自治体は、低金利により預金に頼ることが困難になり、家屋や土地の価格の急速な下落に大きな打撃を受け、レジャーセンターやその他のサービスからの収入も減少している。」
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 11.08.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=3018056)
欧州文化都市リバプール・イヤーの結果について
2009年08月07日欧州文化都市プロジェクト全体を準備し運営しているリバプールカルチャーカンパニーは、このたび最終レポートを発表した。
会計見積によるとイベントは全体として地域経済をおよそ8億ポンド押し上げた。350万人の観光客を引き寄せ、年間を通じて1,500万人の人々が概ね7,000の文化イベントに参加したことになる。投じられた資金は1億2,200万ポンドで、このうち市から7,500万ポンドが拠出され、その他はイングランドのアーツカウンシル、ノースウェスト地域開発公社、文化・メディア・スポーツ省からとなっている。
リバプール市は、成功を収めたこのイベントのレガシーを残したいとしており、新たにリバプール生活博物館の建設と、地元のジョン・ムーア大学にデザインアカデミーを設立するため、2億ポンドの追加投資を計画している。
地方自治体の権限拡大に向けた提言(地方自治体協議会を説き伏せる提案)
2009年08月07日数年前に施行された持続可能なコミュニティに関する法律(Sustainable Communities Act)において、地方自治体は自らの自治体において行う事業に関し、その実施に当たり法改正が必要な場合、その改正を求める提言ができることとされている。
その提言は、地方自治体協議会(LGA)によって精査され、今年中に最終的な提言リストとしてコミュニティ・地方自治省のジョン・デナム大臣に提出される。
現在のところ各自治体の優先課題を反映した多くの提言が寄せられている。例えば、ビジネス・レイトを軽減する権限を求める提言、商店街の活性化に関する提言、ブロードバンドアクセスについて最低水準を示す計画を策定するための提言などがある。
最終的には中央政府が決定することから、どの提言が許可されるのか見守る必要がある。
*参照The MJ 06.08.2009 P.4
地域に関する協議事項を発表
2009年08月07日8月6日、ロジー・ウィンタートン地方自治担当大臣は、新しい地域戦略に関する協議事項を発表した。
今後はこの地域戦略が、現在の(各地域開発公社によって策定されている)地域経済戦略や、(2010年4月に廃止される地域審議会によって策定されている)地域空間計画に取って代わる予定である。(現在国会審議の最終段階にある)地域民主主義・経済開発・建設法案(The Local Democracy, Economic Development and Construction Bill)が、この新しい包括的な戦略を規定する。これらの戦略は、今後RDA(地域開発公社)と協働することとされており、これから設置される「地方自治体リーダー委員会」を通して、地方自治体により策定される予定である。今回の協議で政府が発表した提案事項は次のとおりである。いくつか例を挙げると、
・地域戦略を整備する政策綱領の草案
・地域戦略策定の過程で誰に協議するか、またどのような戦略内容を盛り込むかに関する法律の草案
・地方自治体リーダー委員会の設置に関するガイドラインの草案
これらの提案は、政府が2007年7月に発表したイングランド8地域における経済開発、地域開発の見直し作業の結果報告書や、それに続く協議や報告書に依るものである。地域審議会の廃止やマンチェスター、リーズの2つの都市圏の設立もこの過程の一部である。