カテゴリー別アーカイブ: 欧州の地方自治情報

構造基金の未使用分、若者の雇用促進に再調整

2012年02月15日 

欧州理事会による2012年1月30日の合意を受け、EU加盟各国は構造基金の未使用分820億ユーロを若者の雇用促進、域内の成長、小規模企業の支援に再度振り向けることを決定した。
この資金の多くは、若年層の失業率が特に高い8カ国(スペイン、ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スロバキア、ラトビア、リトアニア、アイルランド)の就職・職業訓練支援に充てられる。
欧州委員会によると、820億ユーロは2007〜13年向け構造基金のうち、依然として割り当てが決まっていないもの。EU加盟各国が直面する財政難の中で、EUの構造基金は、成長促進に向けた投資の貴重な財源となる。加盟国間で差はあるものの(アイルランドの48.3%からルーマニアの16.5%まで)、2011年末時点で同基金の消化率は33.3%となっている。

出典:
– “EU funds support youth employment and SMEs”, European Commission, 31 January 2012, http://ec.europa.eu/regional_policy/newsroom/detail.cfm?LAN=EN&id=167&lang=en


米“スーパーコップ”の発言に批判

2012年01月16日 

「英国の銃犯罪は取るに足らない問題だ」との米国“スーパーコップ”の発言が話題を呼んでいる。

ビル・ブラットン氏は、ニューヨークとロサンゼルスで「ゼロトレランス政策(不寛容政策)」を導入したことで知られ、現在、キャメロン首相のアドバイザーを務めている。
米国雑誌へのインタビューで、ブラットン氏は、「英国の銃犯罪は、非常に規模が小さく、取るに足らない問題である。英国の青年犯罪は、基本的にギャングになりたがっている者が起こしている。彼らは、服装や言葉、身ぶりなど米国犯罪の影響を受けている。」と述べた。
このコメントに対して、英国国会議員や拳銃所持反対運動に携わっている人たちから怒りの声が寄せられている。下院内務委員会の委員長を務めるキース・バズ下院議員(労働党)は、「彼の発言にはがっかりしている。彼の発言は、英国が抱えている銃犯罪の解決には何の役にも立たない。これは銃規制の問題であることをしっかりと受け止める必要がある。自分たちが、こうした問題に一緒になって取り組むというメッセージを出すべきだ。」と述べた。また、前ロンドン警視庁副長官で、現在、自由民主党の次期ロンドン市長候補であるブリアン・パディック氏は、ブラットン氏の発言について、「すべては相対的な問題であるが、彼の指摘は、認識不足だ。」と述べている。

こうした声にブラットン氏は、「自分の発言により不快感を与えた方々に謝罪する。自分の真意ではなかった。英国の青年犯罪対策は、狙いを定める必要がある、と伝えたかった。英国の青年犯罪は米国の青年犯罪をまねており、これが問題となっている。米国の銃の使用は、ギャング団における暴力犯罪と頻繁に結びついているが、これは、英国では通常見られない場合が多い。」とスタンダード紙に語った。

【出展:Evening Standard Friday 6 January 2012 】


ノルウェー国民の移民に対する見方の調査結果

2012年01月15日 

ノルウェー国民の多くは、2011年7月22日に起きた連続テロ事件後、それ以前に比べて、移民に対してより肯定的な見方をしたというノルウェー統計局の調査結果が明らかになった。
移民に対する国民の考え方に関する調査は、ノルウェー統計局によって毎年行われ、2011年は7月4日から8月13日の期間に実施された。調査のうち17%は、テロ事件後に行われ、同局では事件前と後との回答を比較するのに十分な数であるとしている。
「移民はノルウェーの労働力に貢献している」という質問項目に対して、テロ事件以前は73%が賛成意見であったのに対し、テロ事件後は85%だった。テロ事件前と後での回答の大きな違いは、ノルウェー国民の移民に対する見方で、「移民は社会の不安定要素である」という質問項目に対してで、テロ事件前は48%が賛同しないと回答したのに対して、テロ事件後は不賛成の数は70%にまで上った。その他の回答では、昨年と比べて特に大きな変化は見られなかった。10人中9人が「移民もノルウェー国民と同じ職業に就く機会を得られるべきである」とし、10人中7人が「移民はノルウェー経済に貢献している」と回答した。難民や政治的亡命者受入の基準を厳しくするべきか、このままでよいかについては、意見はおよそ半々だった。わずか6%の人が基準を緩和すべきであると答えた。また、回答は年齢、性別や教育程度によって変わる。一般的に、女性は男性より移民に対する見方が好意的であり、都市部の住民や高水準の教育を受けた人も肯定的な回答が多い結果となっている。
【出典】Norway Post
http://www.norwaypost.no/news/new-perspective-on-immigrants-26078.html


グラント・シャップス住宅担当閣外大臣「新政策により、高齢者が自宅でより長く暮らせるように」

2012年01月13日 

グラント・シャップス住宅担当閣外大臣は1月3日、高齢者が自宅で快適に暮らせるよう支援するため-とりわけ病院から戻ってくる高齢者を支援するための新政策を発表した。

2020年までに総人口のほぼ5人に1人が65歳以上の高齢者になることを踏まえ、高齢者が独立した生活を送るために必要な支援を受け、怪しい商法や詐欺にだまされずに安全でいられるようにするべきだと大臣たちは決意したのだ。
シャップス大臣は住宅修繕機構に5100万ポンドを供給した。同機構は以下のような支援、助言を行う。

・必要に応じてより適切な物件への引っ越しについての支援も含む、住宅に関する助言
・簡単な住宅修繕、ホームセキュリティー設備設置等の施工サービス
・エネルギーの効率性についての助言
・手すりや階段昇降機の設置、床の拡張工事など自宅の改修工事等のための調整
また、同機構は、退院についてのサービスも提供する。これは、退院するお年寄りが自宅で快適な療養生活を送れるよう支援するものである。

同大臣は、自宅の改造が必要な人々に対し、さらに2000万ポンドを障がい者用設備補助として追加し、今年1年で2億ポンドとする旨も明らかにした。
また、150万ポンドを、お年寄りが将来の住宅を考えるうえで必要な助言を提供している「ファースト・ストップ」という団体に拠出することも発表した。これは、お年寄りが自分の財産を処分することなく、将来のケアが受けられるよう資金を出すことができる、革新的な取り組みを探るという既存の施策への追加の措置である。
さらに、同大臣は、高齢世帯の将来的なニーズを考慮するうえで、地方自治体は、例えば、車いすでも通れる広いドアや、そのまま入れるシャワー室を備えるなど、お年寄りのニーズに合致した機能を備えた住宅を建設する計画等、地域住民の住宅ニーズをよく踏まえた計画を立てなければならないと述べた。

【出典】
英国コミュニティ・地方自治省
http://www.communities.gov.uk/newsstories/newsroom/2060027


借金抑制策、連邦政府と州で合意

2011年12月15日 

 2011年11月29日の集中的な折衝の後、連邦政府と州及び市は、2017年から「借金抑制策」を導入することで合意した。
 取り決めでは、州及び市の予算において、構造的な赤字額がGDPの0.1%まで、あるいは連邦政府の予算において、同様にGDPの0.35%までに押さえられた場合には、均衡が保たれていると見なされる。一方この率を超過した場合には、赤字額は「調整会計」として認識される。その上限は州・市予算でGDPの0.35%、連邦予算で1.25%である。そして、この値を超えた場合には、対策が講じられなければならず、借金削減計画の提出が求められる。
 アンドレアス・シーダー財務副大臣は、「大変良い考えだ」と語った。この手続きの目的は、安定と、将来を見据えた財政運営を金融市場に示すことである。借金抑制策が、「財政動向を逆転させる。」と同副大臣は述べた。

アロイス・シュテガー厚生大臣「医療病院改革に大きな一歩」

  最近改正された病院法は、「地域の需要に最適に応える病院づくりを目指している。多くの場合、病気の人は長距離を移動することはできない。各州に、地域住民の医療改善のために必要な最適の方法を与える。」と、アロイス・シュテガー厚生大臣は、2011年11月15日の閣議後に強調した。同法の改正では、迅速かつ最適な医療や初期治療の提供に影響を与えずに、実際の地域の需要に合致した病院サービスの提供を行うこととしている。例として、広大なスキーリゾートのある地域では、一般的な外科治療から負傷者専門の外科に特化するとか、あるいは一般的に増加している高齢者医療にシフトすることなどがあげられる。

【出典】オーストリア内務省ウェブサイト
http://www.austria.gv.at/site/7459/default.aspx#id45921
http://www.austria.gv.at/site/infodate__21.11.2011/7459/default.aspx


英国の国立博物館・美術館の入場料無料政策導入10年

2011年12月15日 

2011年12月1日、英国の国立博物館・美術館の入場料の無料化が施行されて10年の節目を迎え、昨年度(2010年度)の入場者は、約1800万人と過去最高を記録した。国内の人気観光アトラクショントップテンのうち8つが、文化・メディア・スポーツ省が補助を行っている国立博物館・美術館であった。

ジェレミー・ハント文化・オリンピック・ メディア・スポーツ大臣は、「文化というものは、国民すべてのためにあり、国立博物館・美術館の入場無料政策はそれを可能にしている。厳しい財政状況下でもこの政策を継続する」と述べている。文化・メディア・スポーツ省が補助を行っている国立博物館・美術館の常設展示の入場料無料化は、前労働党政権下の2001年12月1日に始まった。1999年4月から子どもが無料、2001年4月から60歳以上が無料、2001年12月にすべての人が無料となった。国立博物館・美術館の入場無料政策の維持は連立政権の公約の一つで、継続のための財源は、昨年の「支出見直し(Spending Review)においても確保された。

文化・メディア・スポーツ省が補助を行っているロンドンにある国立博物館・美術館の入場者数は、入場料が有料であった2000年度と比べて、2010年度は151%を記録した。特に多かったのは、国立海洋博物館の204%、自然史博物館の187%、ヴィクトリア&アルバート博物館の180%であった。また、ロンドン以外の国立博物館・美術館では、入場者数は148%増加した。リバプールにある国立博物館が269%、マンチェスターにある科学産業博物館が122%であった。
国立博物館・美術館の入場料無料化は、海外からの多数の観光客を招き、英国の観光経済に大きく貢献をしている。ニューヨーク近代美術館(MoMA)25ドル、パリのルーブル美術館10ユーロ、トロントのロイヤルオンタリオ博物館22カナダドル、アムステルダムの国立博物館12.5ユーロなど、世界の主要都市にある博物館・美術館では入場料がかかる。英国観光庁(ビジット・ブリテン(VisitBritain))によると、海外からの観光客は、国内の博物館・美術館に年間、10億ポンドの利益をもたらしているとされる。英国の文化・歴史的遺産に関する最近の報告書によれば、ワールドクラスの所蔵品を誇る博物館・美術館に無料に入ることができることは、海外からの多くの観光客が、英国を旅行先として選ぶ重要なポイントとなっていることがわかった。

【出典】英国文化・メディア・スポーツ省のウェブサイト
http://www.culture.gov.uk/news/media_releases/8659.aspx


地方自治体の大幅な予算削減は現在も議論中(政府は前倒し方式からの転換を準備)

2011年11月21日 

地方自治体の直面する財政状況は、未だに不透明なままである。地方自治体は包括的支出見直し(Spending Review)において、来年は最大の支出削減(地方自治体全体で8.4%)、続く3年間はこれよりも削減幅を抑えた削減について提示された。
しかしながら多くの地方自治体は、ここに示された不均等な削減率に対して抗議している。政府は現在削減率のバランスをよりよくする方法について検討を行っており、12月に発表される見込みの自治体に対する詳細な妥協案では、特定の自治体に対して極端に大幅な削減が行われることを防ぐ方策が盛り込まれることが予想されている。
*参照 The MJ 25.11.2010, front page


有毒ガスで食肉加工地区の開発がストップ

2011年11月15日 

コペンハーゲン市の夜の人気スポット、ベステルブロ地区コドビエンの未来が脅威にさらされている。地下のアンモニア施設の安全性に疑問が生じたためだ。
 可燃性で有毒であるアンモニアが、舗装道路の下の管を通じて、冷却システムの燃料として、広大だが今ではほとんど稼働していない食肉加工保存施設に送られている。
 この20年間再開発が行われ、レストラン、バー、ギャラリーなどが同地域に移って来、コペンハーゲンでの創造的活動や、社会的なハブとしての評価が高まってきている。
 しかし、コンサルタント会社COWIによるアンモニアの輸送システムのアセスメントの後、コペンハーゲン市の環境部局、自然環境センターは、COWIが詳細なリスクアセスメントを行うまで、進行中や予定されている一切の開発を中断させた。
 多くの人を集めてのイベントも開催することが禁止された。
 コドビエンはコペンハーゲン市が所有しているが、アンモニアを除去するのには8千万クローネから1億クローネがかかる見込みだ。
 アンモニアのもたらす危険性のため、同地域での経済活動が大きく阻害され、補償金額は1億クローネに到達すると見込まれている。

【出典】コペンハーゲンポスト(2011年11月14日)
http://www.cphpost.dk/news/local/87-local/52507-toxic-gas-stalls-development-of-meatpacking-district.html


オーストリア議会、エコ電気法と福祉基金に青信号

2011年08月17日 

オーストリア議会は夏季休会前の7月6日から8日の本会議で、改正エスニックグループ法のほか改正エコ電気法、長期社会福祉基金法及び長期福祉手当法を可決した。
 改正エコ電気法は基金積立額の上限を大きく増加させるもので、風力発電、太陽光発電、バイオマス発電に当てられる積立金をこれまでの2,100万ユーロから5,000万ユーロまでに引き上げるものである。一方で、年間100万ユーロを取り崩し、2021年に4,000万ユーロになるまで認められた事業に充当する。これによりグリーン電気のための財源の年間総額は2011年の3億5,000万ユーロから2015年には5億5,000万ユーロとなる。ラインホルト・ミッターレーナー経済大臣は、このエコ電気法により、オーストリアは2015年までに原子力発電の輸入から脱却し、さらに電気を輸出するまでになるだろうと述べた。グリーンテクノロジーへの投資は約120億ユーロと見込まれ、2020年までには数千もの「グリーン雇用」も創出される。再生可能エネルギー(大規模水力発電を含む)がエネルギー消費全体に占める割合は現在の68%から85%に拡大する見込みだ。
 また、新しく適用される長期福祉基金法は、増加し続ける州の福祉サービス支出に対し財源措置するものである。予算の3分の2を連邦政府が負担し、3分の1を州が負担する。2011年において長期福祉基金予算は1億ユーロである。2014年までにはこれを6億8,500万ユーロとする。
 長期福祉手当改革法は福祉手当の事務を簡略化させるもので、約300ある手当ての管理・支給業務を行っている団体をわずか8つにまで減らし、州の福祉手当事務については連邦政府が責任を持つ。

【出典】オーストリア内務省ウェブサイト(2011年7月18日)
http://www.austria.gv.at/site/7459/default.aspx#id44368


ロンドン貸自転車サービス:対象区域を市の西部まで拡張/契約更新に疑義

2011年08月15日 

昨夏導入され、延べ600万回の利用実績を誇るロンドンの貸自転車サービスが、2013年夏までに西部並びに南西部まで拡張されることが発表された。

 この計画は、サービス導入の1周年を期して発表された。
 昨年7月に開始され、毎日、約2万2千人が5千台以上の自転車を利用している。現在、カムデン区、シティ、ハックニー区、イズリントン区、サザーク区、タワーハムレット区、ウェストミンスター区のそれぞれ全域と、ランベス区とケンジントン&チェルシー区の一部、さらにいくつかの公園で運用されている。
 今回拡大の対象となる範囲は、ワンズワース区、ハマースミス&フルアム区、ランベス区、ケンジントン&チェルシー区の全域。サービスのスポンサーであるバークレー銀行から新たに2千500万ポンドの出資を得て、今後2年間で実現する。
 その端緒として、ロンドン西部のホワイトシティにあるウェストフィールドショッピングセンターに別途4百万ポンドの出資を募り、2012年春までに、新たに12のドッキングステーションを増設することとしている。
 ロンドン交通局は、2012年までに、ロンドン東部に2700、セントラルロンドンに1500のドッキングポイントを増設すると発表した。
この事業拡大に2500万ポンドを拠出するバークレー銀行は、この事業への協力を3年延長し、2018年まで継続する。
 一方で、本件については多くの批判もある。
 
 ジョンソン市長は先週、現在2015年までとなっているバークレー銀行との、本サービスに対するスポンサー契約を2018年まで3年間延長することを発表した。しかし、ロンドン議会の自由民主党議員から、契約更新にあたって、当初は計画されていた競争入札のやりなおしを行わなかったことを批判されている
 BBCロンドンの調査が明らかにしたところに拠ると、ジョンソン市長は、バークレー銀行に対して支援を続けるよう、個人的に働きかけた一方、他の銀行に対しては一切接触しなかったという。
 自由民主党のカロライン・ピジョン議員は、なぜ、他の銀行や団体に対してアプローチすることを検討しなかったのか、入札の実施を検討しなかったのかを明らかにするよう、市長に対して質問状を送付した。
ロンドン交通局のスポークスマンは、「スポンサーシップについては、銀行、金融業を含めて様々な出資元を想定した」と発言している。
 BBCロンドンは先週、バークレー銀行は、第2回目の入札手続きの後契約を行ったが、その手続きの実施は公告されておらず、競争的ではなかったことを明らかにした。
 本サービスの第1回入札は2009年8月に実施され、電力会社EDFと携帯電話大手ノキアが応札したが、入札額が低過ぎて、不調に終わった。このとき他にO2とニュースインターナショナルの2社が、興味を示していたが、応札には至らなかった。
 バークレー銀行との交渉の後、スポンサーに対する要求内容は、ロンドン交通局の職員によって大幅に改善された、
 今回は、契約内容に事業費2億ポンドの自転車用高速道路へ出資が追加された。この事業費は、貸自転車サービスとほぼ同じくらい高額である。また、オリンピック開始に間に合うようロンドン東部へのサービス拡大を完了させることを保障している。バークレー銀行本部はカナリー・ワーフにあるが、カナリー・ワーフは第2期計画の拡大対象範囲である。
 本サービスのスポンサーは、サービス利用者の個人情報にアクセスする権利を持ち、利用者に直接マーケティングツールを送ることができる。ロンドン交通局は、バークレー銀行はこの権利をそれほど行使していないとしている。バークレー銀行は、さらに、市が運営するこの貸自転車サービスに対しては、競争関係にある他の銀行からの出資は排除するという保障を与えられている。
 バークレー銀行は、2010年3月、契約に対する入札に指名された。
同行はすでに2500万ポンドを同サービスに拠出しているが、サービス拡大のため、追加で2500万ポンドを提供することになる。
 以前、バークレー銀行の広報担当者は「5千万ポンドはかなり高額な投資と考えている。が、本行は、当初の2500万ポンドの合意の際、第2期計画があることは承知していた。(第2期では)サービスエリアを東部に拡大することは知らされているが、具体的にどこになるかまでは聞かされていない」と発言していた。
 バークレー銀行の唯一の競争相手はEDFだけだったが、EDFは最初の応札時に、多額の資金出資に加えて、社会基盤整備にも投資すると誓約していたにもかかわらず、却下されていた。
 より多くのスポンサーの注目を集め、よりよい提案を得られたかもしれないにも関わらず、今回の契約更新の公告は、EUの公報に新たに掲載されることはなく、競争的プロセスの公開も行われなかった。
 マトリックス弁護士事務所のデビッド・ウルフ弁護士は、2回目の「プライベートな」手続きは、第1回目と同じ手続きに則ったものではないため、納税者にとって最も有利な成果を生むよう努力したとは見做されず、提訴される可能性があると指摘している。
ロンドン交通局の広報担当者は、「公告こそ行わなかったが、2回目の取引について、これまでに興味を示した4社に対しては、通知を行っている。前回興味を示した企業にとっては、提案内容を見直し、より魅力的なものにするために十分な機会だったと思うが、応札したのは結局1社だけであった。初回、2回目の入札とも内容は十分に吟味され、結果、バークレー銀行の提案が高評価を得てスポンサーと決定された」と発言した。

【出典】
BBCニュース
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-london-14322923(2011年7月28日)
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-london-14362121(2011年8月1日)
ガーディアン紙
http://www.guardian.co.uk/uk/2011/jul/28/london-cycle-hire-scheme-expand-west
(2011年7月28日)


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