カテゴリー別アーカイブ: 地方自治一般

地方自治体に影響を及ぼす数々の法案が女王の裁可を受ける

2009年11月13日 

①地域民主主義・経済開発・建築法
地域の経済政策や協働を保証し、また地元の意思決定に住民が直接的に参加できる機会を提供するため、地方自治体にさらなる権限を与える法律
②徒弟制度・技能・児童・学習法
義務教育を18歳までに延長し、25歳までの学習障害者及び少年犯罪者たちに教育の機会を確保する法律
③検視官及び司法法
イングランドとウェールズで全国検視官サービスを開始し、遺族のため上訴制度を含めた新しい権利を創出するとともに、検視官に新たな権限を与えるための法律
④平等法
人種、性別、障害、年齢、性的志向、宗教や信念、妊娠と母性や性転換の権利を守り、また年齢差別と戦うための、全体的な単一公的団体である「Equality Duty」を創設するための法律
⑤健康法
国民医療サービス(NHS)の質を改善し、また公衆衛生の改善を目的とした法律。特に自分で成人社会福祉サービスをアレンジしている人々からの苦情を考慮して、地方自治体オンブズマンによる監視事項を拡大する。
⑥海洋沿岸アクセス法
海域をよりよく保護し、海岸線沿いに途切れのない海岸道を整備し、これに地方自治体が関与できるようにするための法律。
⑦福祉制度改革法
給付金生活から働く生活に変えようとする人々に対する奨励と支援、また障害者に対してより多くの選択と自己決定の機会を与えることを含む福祉と社会保障体系の改革を目的とした法律。
⑧警察業務・犯罪対策法
警察業務の有効性と説明責任を増加させ、警察業務の意思決定において地元住民により強い発言権を与え、さらに地元の警察業務の優先事項に集中させるため、警察機関により大きな自由裁量を与えることを目的とした法律。
⑨追加的ビジネスレイト法
経済開発を促進させる事業の支出を増加させるため、ビジネスレイトの納税義務者に対して付加的な税を課すことができるようグレーター・ロンドン・オーソリティ(GLA)や一定の地方自治体に権限を与える法律


公共部門の1000億ポンドの経費削減により、8700人が解雇されると労働組合が警告

2009年11月13日 

政府の今後二年間で1000億ポンド(約15兆円)の経費を削減する計画により、公共サービスは前代未聞の歳出カットを迫られている。
地方自治体における失業者数は、過去3ヶ月の1700人から次の3ヶ月で7000人に増加し、3倍に達する見込みである。地方自治体は、図書館やケアホームのスタッフ配置など「必須ではない」サービスの削減から着手している。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 09.11.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=5520296)


地方自治体自身による支出割合は、当該地域における公共支出の5%に過ぎない

2009年11月06日 

13の地域で試験的に実施されているトータル・プレイス事業によって明らかになった数字によれば、地方公共支出のわずか5%にしか、地方自治体の権限が及んでいないことがわかった。
ある地域では、公共サービスについて一人当たり7000ポンドが支出されているうち、350ポンドのみしか地方自治体の民主主義的コントロールの下にないことが明らかになった。総額に換算すると、一地域平均30億ポンドの公共支出のうち、およそ1億5000万ポンドのみが地方自治体の権限下にあることになる。
 この試験事業の報告書では、異なる公的部門による重複支出も明らかにされている。具体的には、ダラム市には住宅供給のために47の異なる補助金が支出されていた。また、ルートン市、セントラル・ベッドフォードシャ-市には、49の異なる公共組織があった。
 これらの数字は、地方自治体の公共支出に関する権限が小さいこと、地方における多くの意思決定は、地方自治体ではなく当該地域のニーズを反映しているとは言えない中央政府寄りの他の機関によってなされているということを明らかにしている。LGAと地方自治体は、この結果をもとに、地方歳出における地方自治体の権限拡大を求めていくこととしている。
*参照MJ 05.11.2009 Front page


地方自治体が増税率を抑制

2009年11月06日 

イングランドの地方自治体におけるカウンシルタックスの増額率が、過去10年以上で最低となることがLocal Government Chronicle(地方自治体職員向けの機関誌)の調査により明らかになった。
回答した81の地方自治体の平均増額率は今年の3%のほぼ半分である1.6%であり、また34の地方自治体では凍結または削減する予定となっている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 05.11.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=5402974)


地方自治体の条例制定について政府からの許可を不要に

2009年10月30日 

条例制定には中央政府の大臣の許可が必要で、時間がかかり煩雑な手続きを要するというのが、長い間にわたる英国の地方自治の特徴であった。
この自治体への負担を減らし、地方の特殊な事情に即した条例の導入をし易くするための約束が政府の地方自治白書「地域社会の繁栄と強化」に盛り込まれた。コミュニティ・地方自治省のジョン・デナム大臣は、これはすぐに実行に移されるべきであり、自治体は条例制定についての地域住民からの合意さえ得られれば済むようになるだろうと発表した。
また、自治体が中央政府の承認を必要としている他の行政分野においても、協議手続制consent regimesを採る数が現在の52から少なくとも半分に減るだろうと発表した。
この計画は地域社会の抱える問題やニーズに対して自治体がより効果的かつより迅速に対応できるようにし、行政的な負担を軽減することを目的としている。
*参照MJ 29.10.2009 P.3


公的部門の給与に対する疑問

2009年10月30日 

内閣官房長官のGus O’Donnell卿によって、昨日、公共部門のトップのうち、誰がどのような給与を、そして何故得ているのか、についての広汎な再調査の要請が行われた。
彼は、一部の給与はあまりにも高すぎると考えている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 30.10.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=5273335)


ディストリクト・カウンシル(日本の市町村に該当)が、近隣の自治体とお互いに経営管理部門の役職員をシェア

2009年10月23日 

「ディストリクト・カウンシルは、事務総長(chief executive)や幹部職員(top team)をお互いにシェアすべきで、そうでなればそれらのポストを一斉に失くすべきである。」
これは、リンカンシャー州のサウス・ホランド・ディストリクト・カウンシル(South Holland District Council)のリーダーの意見である。SHDCはすでに隣接する自治体のイースト・リンジー・ディストリクト・カウンセル(East Lindsey District Council)と共に幹部職員をシェアすることを決定した。英国内では現在、10の地方自治体が、事務総長や幹部職員をシェアする取組みを行っている。改善開発協会(IDeA)は、これらの事例をすでに検証しており、それによれば、人件費が2年間で400万ポンド節約できるだけでなく、自治体間で行政サービスの共同化を促進させることが可能となり、さらにパートナー機関への影響力を増加させられることが分かった。
*参照MJ 22.10.2009 P.3


地方自治体幹部の給与等の公開

2009年10月23日 

10月22日、ロージー・ウィンタートン地方自治担当大臣は、地方自治体幹部の給与と経費の公開に関する新しい政策を発表した。
この政策案によると、475に昇る地方自治体が、給与、ボーナス、年金、特別手当、功労金を含む詳細な支給状況について、次年度の会計報告に記載する法的義務を負うことになる。
今後、年末までに新しい法律が制定され、地方自治体は報酬額上位2500の職について給与と手当を公表するよう要求されることとなる。これは、公共支出を切り詰めなければならない時代にあって、全ての公的部門が公正かつ責任を持って行動していることを納税者に示すための取り組みの一環である。
http://www.communities.gov.uk/news/corporate/1364107


地方自治体が「使った分を支払う」公共サービスへ移行

2009年10月23日 

住民は、追加の公共サービスには割増料金を支払うことになりそうである。
格安航空会社の取り組みに因んで「easyCouncil」と名づけられたこの制度は、バーネット区が来年度に2200万ポンドのコストを削減するため、今週導入が決定された。この割増料金には、通常より多い日数のごみ収集やより迅速な計画申請の処理を求めた場合の料金などが含まれている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 23.10.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=5070789)


地方自治体により大きな法的権限を導入(より大きな法的権限に向けた流れ)

2009年10月16日 

政府は、現在審議中の地方自治体法案(正式名称:地域民主主義・経済開発・建設法案)に修正事項を入れようとしている。
その修正は、地方自治体が共同保険会社を設立できることを明確化するためのものである。これは、ロンドン区による試みが越権行為であると司法判断されたことを受けた対応である。
しかしこの判例では、2000年に地方自治体に与えられた「住民福祉に関する権限」とは(地方自治体が求めている)「一般的な権能」と同等ではないということが明らかにされている。裁判所が狭い法解釈を適用したことから、政府が当初想定したようには法的権限が機能していない。地方自治体協議会は現在、真の「一般的な権能」を導入するためには、どのような法的枠組みが必要であるかを検討している。判決を受けて政府が挿入した修正条項は、地方自治体により大きな権限を与えるための解決策ではなく、暫定措置に過ぎないとみなされている。
*参照MJ 15.10.2009 Front page


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