カテゴリー別アーカイブ: 地方自治一般

エクセター市とノリッジ市のユニタリー化を中止

2010年05月21日 

政府は総選挙前にエクセター市及びノリッジ市をユニタリー(一層制の自治体)へ移行する決定を撤回した。ユニタリー化に向けた作業を停止し、デボン県及びノーフォーク県を二層制として維持する法案が、近日中に議会に提出される予定である。 


中央政府から地方自治体への権限委譲に疑問符(CIPFAが地方自治体の財政制度の包括的見直しに警鐘)

2010年05月20日 

新政府は、首相の提唱する「大きな社会」の推進の一環として、地方自治体に「一般的事務処理権限(注:法令で明確に禁止されていない行政事務について自治体が一般的に行うことができるとする権限。現在は、地域社会および住民の福祉の増進に関する三分野-経済、社会福祉、環境-以外の政策については、法律により個別に授権された事務しか処理できないとされている)」を与えることを約束している。同時に、地方自治体の財政制度の包括的見直しを行うことについても発表した。
しかし、このことについてすべての関係者が賛同しているわけではない。英国勅許公共財務会計協会(CIPFA 、Chartered Institute of Public Finance and Accountancy)の事務総長は、「今は、地方自治体の財政制度を根本的に見直す適切な時期ではない。」と述べている。また他の専門家は、「2007年に公表された地方自治体財政に関するライオンズ卿報告書(Lyons Review)の内容を再度考慮すべきである。」と強く主張している。
*参照The MJ 20.5.2010, front page


「どのように政府を小さくするのか」クレッグ副首相による提案

2010年05月19日 

ニック・クレッグ副首相は本日、政府の規模縮小に関する概括的提案を発表する。
彼の計画は、CCTVカメラの設置規制強化、DNAの記録・保管に関する改革、IDカード導入計画の廃止等、広範囲に渡るものであることが期待されている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 19.5.2010


タワー・ハムレット区の直接公選区長制に関する住民投票

2010年05月14日 

英国総選挙と同日、タワーハムレット区長を直接公選区長とするかどうかを問うための住民投票があり、その結果、賛成多数で導入が支持された。
この結果、10月に直接公選区長を選ぶ選挙が行われる予定となり、それが実施されればロンドンで4人目(ルイシャム、ハックニー、ニューハムの各区では、既に直接公選区長が選ばれている)の直接公選区長が誕生する。


新しい首相と、自由民主党の5人が入閣した連立政権が英国に誕生

2010年05月12日 

デービッド・キャメロン氏が、この200年の間における英国で最も若い首相となった。
キャメロン首相は、ウエストミンスターでの驚くべきドラマがあった1日の間に行われた同意による保守党と自由民主党との連立政権のトップとして首相の座を射止めた。そして、自由民主党のニック・クレッグ党首は副首相となった。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 12.5.2010


英国は宙ぶらりんのままに

2010年05月06日 

出口調査と速報によると総選挙の結果はハング・パーラメント(支配政党のない国会)になる模様である。
一方で、複数の投票所で数千人が投票権を行使することができないまま帰宅することを余儀なくされたことへの怒りが報道されている。遅い時間に多くの人が投票所に押しかけたため、午後10時の投票締め切り時間になってもまだ投票の順番を待つ人々の長い列ができてしまったのである。また、幾つかの投票所では、投票用紙が底を突いてしまったという報道もあった。
SOLACE(地方自治体事務総長・上級職員協会)の選挙事務担当部門長のデヴィッド・モンクス氏は、タイムズ紙に、多くの選挙事務員は、午後7時から午後10時の間に仕事を終えた後で投票に訪れた大勢の人々に対応する準備ができておらず、また、多くの投票所では、処理できる事務能力の限界を単に超えてしまったと述べている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 6.5.2010


市民は行政サービスに自ら責任を持つことには関心がない

2010年05月06日 

住民たちは、公的サービスを改革するという主要政党の政治家のプランに警戒心を抱いている。そして、公的なサービスの実施方法の決定に直接参画したいと考える住民はほとんどいない。これが、国と地方の公共サービスに対する一般の人々の見方を定期的に調査している2020パブリック・サービス・トラスト(PST)が最近行った大規模な調査の結果である。
調査結果は、有権者は行政サービスに対して今までよりも大きな関与ができるようになることについては関心を持っているものの、その多くは、関与の過程で、特定の利益団体や他人の支出に関して物をはっきり言う中産階級の人々の声に左右されることとなってしまうのだろう、との疑いを持っていることを表している。また調査結果では、政府すなわち政治家も公的セクターの上級管理者層も等しく個人や地域社会のニーズを本当には理解していないという懸念も明らかとなっており、彼らへの信頼が特に高いわけではないことを示している。
*参照MJ 6.5.2010, front page


意見-分担することが効果的な政府につながる

2010年05月05日 

ピーター・ヘザリントン記者は、イングランドの地方自治体について、つぎのようなコラムを書いている。イングランドの125の自治体については、支配政党がないか、あるいは、過半数を得ることができない政党連合によって運営されている。
独立系シンクタンクの地方自治体情報機構(LGIU)の調査によれば、地方議会の議員たちは、絶対多数の政党のない議会においてしばしば、よりよい情報を入手している。なぜなら、議員たちは自治体の目標や方針により大きな関与権を持っているからである。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 5.5.2010


公共投資に依存した地域には厳しい状況が予想される

2010年04月26日 

独立系シンクタンクである経済ビジネス調査センターによると、英国の広範囲に及ぶ地域では、現在公共投資に大きく依存していることから、政府が最終的に歳出予算の削減を行うと、大きな打撃に直面することとなる。
同シンクタンクは、総選挙でたとえどの党が勝利しても、予算削減によって地域間で不均一な影響が及び、イングランド中西部、イングランド北部、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドにおいては、大きな影響があるだろうと予測している。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 26.4.2010


主要政党の地方自治体に関連する政策(絶対多数政党のない議会状況下における地方所得税の影響力)

2010年04月22日 

自由民主党は、カウンシルタックスを廃止し、これに代わるものとして地方所得税を導入するという公約を長年にわたり掲げてきた。総選挙後下院で絶対多数政党のない状況となり、自由民主党が連立政権に加わる見通しが出てきたことから、この政策が今以前に増して詳しい検討の対象となっている。
現在の経済情勢を考慮すると、課税構造にこのような根本的な変更が早急に行われる可能性は低いが、長期的には地方財政改革に関する検討が行われることは確実である。自由民主党はまた、この政策を健康や教育の分野における交渉の手段として利用するのではないかとの観測もある。
また全ての政党は、程度の差はあるものの、中央政府による管理と監査を縮小することを約束している。労働党は業績指標数の更なる削減を、保守党は地方自治体が法律の範囲内で地域のために実施する活動を可能にする「一般的な権限の付与」を、また自由民主党は業績指標の全廃を提案している。
*参照MJ 22.4.2010, page 5


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