カテゴリー別アーカイブ: 地方自治一般

中央政府がストーク・オン・トレント市への介入を強化

2009年05月15日 

5月11日、ジョン・ヒーリー地方自治担当閣外大臣は、政府がストーク・オン・トレント市に対する介入を強化する予定であると発表した。
これは「直接公選首長とカウンシル・マネージャー」(Mayor-city manager)制度が廃止され、「リーダーと議員内閣制」(Leader-cabinet)を採用することを市民が住民投票で可決した後でのことである。しかし地方議会選挙の選挙サイクルを4年毎に全議員を一斉に改選する方式に変更するというストーク・オン・トレント市の独立ガバナンス委員会による勧告は、議会に採択されなかった。このため政府は、この選挙に関する法律を制定する意向である。政府はまた、市における継続したサービスの供給を支援すると同様に、ストーク・オン・トレント市への政府介入の準備移行を指揮監督する移行委員会(transition board)の構成員を発表した。議長はマイケル・クラーク教授が続ける予定である。新しいメンバーは、ウエスト・ミッドランドの政府地域事務所の地域事務所長(regional director)同様、ウエスト・ミッドランドの他の都市から選出された議員で構成される予定だ。政府は、2011年までにこの都市が、もっと安定した状態でよりよい地域のリーダーシップの確立と、現在苦労している問題が克服されることを望んでいる。
*参照The MJ 14.05.2009


政府は、地方自治体の代表制度の改善策導入を中止

2009年05月15日 

政府は、地方議会選挙に立候補する人を増加させるための方策や地方議員の活動を活発にする方策、例えば、地方議会から離れたところにいるときでも投票できるような-を導入する法案の審議手続を中止した。 
 「コミュニティ管理(Communities in Control)」白書のなかで提案された「地方に権限を与える法案(empowerment bill)」は議案から漏れた。その他の問題、例えば、直接選挙制の市長の数をどう増やすか、また、パリッシュ*をどう改善するかという問題も、当面、取り組まれないこととなった。
しかしながら、例えば、地方自治体が民主化を促進するための責務や、幹部職員の政治的活動を制限する規則を修正するといった他の政策は、上院を通過し、下院で審議される予定の地方民主主義・経済開発・建設に関する議案に加えられるであろう。
*パリッシュ:教会の布教のために設けられた教区に起源を持つ、地域共同体的な性格を持つ法律上の準自治体(Sub-principal authority)。
*参照LGC 14.05.2009


自治体再編で9つの新ユニタリーが誕生

2009年04月01日 

2009年4月1日、かねてから伝えられていた通り、イングランドの自治体再編成が行われ、一層制の自治体であるユニタリー(unitary)が新たに9つ誕生した。
 チェシャー県、ベッドフォードシャー県、コーンウォール県、ノーサンバーランド県、ダーラム県、シュロップシャー県及びウィルトシャー県の7つの県で、県と県下の市が合併し、計9つのユニタリーに再編成された。7つの県下には、合計37のディストリクト(日本の市町村にあたる基礎自治体)があった。
 チェシャー県及びベッドフォードシャー県はそれぞれ2つのユニタリーに分割されたが、それ以外の5つの県は、もとの県境を維持してそのままユニタリーに移行した。これら9つの新ユニタリーの人口は合わせて320万人である。
 政府が主張している今回の自治体再編成の根拠は主に二つある。一つは、二層制の地域で生じる、「どちらの自治体がどのサービスを提供しているのか分からない」といった混乱を避け、公共サービスを提供する自治体を一つに統一することである。二つ目は、自治体の規模を大きくすることで経費を削減し、金銭的効率性(value for money)を向上させようという狙いである。今回ユニタリーとなった自治体が、ユニタリー化申請の際、再編によって削減できると主張していた経費の額は、7自治体合わせて1億ポンドであった。今後これが実現できるかは、各自治体の手腕にかかっている。
 ユニタリー化によって多くの自治体職員のポストが失われ、合計300にも上る上級職員のポストが廃止された。しかしそれのみならず、選挙区も大幅に拡大し、地方議員の議席数は、全地域合わせて2037議席から725議席に減らされた。このように非常に広い選挙区でも真に民意を反映した地域民主主義を実践できるかという問題は、今後に残されるだろう。
 チェシャー県から誕生した二つのユニタリーであるチェシャー・イースト市及びチェシャー・ウェスト・アンド・チェスター市、更にダーラム県、ノーサンバーランド県では昨年既に、新ユニタリーが誕生するまでの暫定的な議会である「影の議会(shadow councils)」の議会選挙が行われていたが、今回の再編をもって正式な議会となった。その他の5つの新ユニタリーでは、今年6月の地方選挙で議員が選ばれることになっている。
 今回の自治体再編によって、イングランドの住民にユニタリーの住民が占める割合は60%となった。
【参照】
http://news.bbc.co.uk/1/hi/england/7974898.stm


最後の包括的業績評価の結果が発表される(7年間行われてきた包括的業績評価もこれが最後)

2009年03月06日 

新たな包括的地域評価システム(CAA)の稼動を前に、最後の包括的業績評価(CPA)が監査委員会によって発表された。
これによると、多くの自治体において大きな改善がみられ、全体的として良好な自治体が多い。しかしながら、深刻な問題を抱える自治体も存在している。特定のサービス分野に関していえば多くの自治体が改善してきたが、児童福祉分野においては、多くの自治体で悪化している。
 この最後の包括的業績評価において、最低ランクの自治体は皆無であり、62の自治体が最高ランクを獲得、最低ランクから2番目(1つ星)と評価されたのは4つの自治体に留まった。


新3ヵ年国庫補助金の最終年度に向け、景気悪化で懸念の声

2009年02月27日 

昨年度は、新3ヵ年国庫補助金の初年度だった。今年度の補助金額は既に合意されており変更はないはずである。
政府は「完全な例外的状況」が生じない限り、3ヵ年の配分額に変更はないとしている。
しかし、悪化する経済情勢の中、政府の税収は落ち込んでいる。
まだ公式な発表はないが、最終年度である来年度は、補助金額がカットされるのではないか、そしてそのためさらなる効率化義務が自治体へ課されるのではなか、と心配する声が自治体関係者の間であがっている。
※参照 26.2.2009 LGC(Local Government Chronicle)


保守党が地方自治体政策に関する緑書を発表

2009年02月20日 

2009年2月17日にコヴェントリー市で開催された党集会で、保守党は地方自治に関する緑書「地域コミュニティへのシフト制御と権限の回復(’Control, Shift, Returning Power to Local Communities’)」を発表した。
この緑書では、イングランドの12の大都市における直接公選首長の導入、イングランド8ヶ所の地域開発公社(RDA)と地域計画の廃止、包括的地域評価制度(CAA)の廃止、自治体幹部職員の給与情報の公開などが提案されている。これらの提案は今まで以上に地方分権を進める内容であるとして、LGAのマーガレット・イートン議長は緑書に対し歓迎の意を示している。
※参照 19.2.2009 LGC(Local Government Chronicle)


オックスフォードシャーで自治体幹部の共同化が進む

2009年02月20日 

サウスオックスフォードシャー市とヴェイル・オブ・ホワイトホース市はマネージメントチームの共同化を進めている。
以前は2つの市で21のシニア・マネージャーが働いていた。最終的には両市を担当する12のチームとなる。事務総長も両市を兼務するが、昨年9月からその任務についており、今回IT、住宅、都市計画及び環境衛生という戦略的部長ポストの共同化が発表された。
※参照 19.2.2009 MJ


CAA(包括的地域評価制度(Comprehensive Area Assessment))は不況の影響を受けないと保証する監査委員会

2009年02月13日 

監査委員会は、自治体に対し、新たなCAAにおいて、経済不況を原因として経済関連指標で悪い評価を付与されることとはならないと述べている。
CAAは、景気悪化に対し自治体がどのように対応してきたかを柔軟に評価するものであり、経済状況そのものを評価するのではない。CAAでは、優秀な業績にはグリーンフラッグが付与され、サービスの水準に懸念がある場合にはレッドフラッグが付与されることになっている。
※参照 12.2.2009 LGC(Local Government Chronicle)


地方自治体はCAA(包括的地域評価制度(Comprehensive Area Assessment))の導入の延期を望んでいる

2009年02月13日 

いくつかの自治体は、政府に対し、新たなCAAの業績評価の枠組みを、景気後退が終わるまで遅らせるようこれまでも働きかけてきた。
しかしながら、政府と監査委員会は予定どおり進める見込みである。保守党はCAAを廃止すると発表した。このため、最初から導入しないことを望む自治体も多い。
自治体協議会は、新たな評価システムではその主目的である効率化の促進に失敗するのではないかと自治体が懸念している、と述べている。
※参照 12.2.2009 MJ


カウンシルタックスの税率上昇率は、5%以下でキャッピング

2009年01月23日 

カウンシルタックスの上昇率は、国の景気後退を考慮して、昨年の5%を上限とし、それ以下でキャッピングされるだろうと、政府は示唆した。
地方自治体協議会は今週、カウンシルタックスの税額は、次の会計年度で平均して3.5%上昇すると見込んでいる。ジョン・ヒーリー地方自治担当閣外大臣は、地方自治体にカウンシルタックス引き上げ率を抑制するよう警告した。FT社の取材に対し、ヒーリー氏は「私は、自治体に、政府が課す税率の制限を押し付けられるよりも、むしろ職員に対するより適切な報酬額を設定してもらいたい。」と述べた。
※参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=283252)より
21.1.09(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=1513683)


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