本日発表された公共支出の包括的支出見直し(Spending Review)の結果として、50万人の公務員が職を失うことになりそうである。
ダニー・アレクサンダー副財務大臣は、部外秘の説明資料に目を通しているところを写真に撮られたことから、現在見込まれている人員削減の全容を公表した。それによると、数千人に及ぶホワイトホールの公務員(訳注:国家公務員)が解雇を迫られるとともに、公務員の給与は凍結される見通しである。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 20.10.2010
カテゴリー別アーカイブ: 英国
大きな社会(Big Society)」に関する認識調査(政治課題「大きな社会」に対する大衆の判決)
2010年10月14日雑誌Local Government Chronicleは、主要な地方自治体、ボランティア団体、およびパリッシュ等小規模自治体を対象に、「大きな社会」に対する見解について調査を実施した。
これによって重要な事実が数多く判明したが、最もショッキングな結果は、「大きな社会」の目的として政府が明言している成果の達成について、肝心要のボランティアセクターこそが、最も懐疑的だったことである。また、主要な地方自治体が、「大きな社会」によってパリッシュが強い役割を持つようになるということについて懐疑的であるのに対し、パリッシュはこれに対する強い期待を表明するなど、自治体によって顕著な相違が見られる。
*参照LGC 14.10.2010, p. 12 to 18
歳出削減により「100万人が失業」の可能性
2010年10月13日会計事務所プライスウォーターハウスクーパース社によると、8300万ポンドに及ぶ政府の公共支出削減の決定の結果として、今後4年間で100万人が失業すると見込まれている。
同社のレポートでは、学校や病院の建設計画の撤回により、公共部門で50万人が、民間部門でも同じく50万人近くが職を失うこととなりそうだと予測している。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 13.10.2010
労働組合が市民の不服従運動を計画
2010年10月13日全英労働組合は、公共部門の支出削減に対する政府への圧力を強めるために、組織的なストライキ、市民の不服従運動、さらには「ここ何十年となかった規模の抵抗運動」を行うと脅しをかけている。
主要な労働組合の1つであるUniteは、自治体が支出削減への備えを行うにつれて、食事の宅配、学校における果物の無料配布や高齢者へのケアサービスが「蜘蛛の糸」の危険に瀕していると警告した。「公共サービス防衛」と名付けられたこの運動は、本日の全英労働組合の年次総会に先立ち、国内の大部分の主要な労働組合により署名された。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 13.9.2010
福祉手当の受給状況が最悪の地域が明らかに
2010年10月11日英国の134の地域では、住民の半数以上が国からの福祉手当で生活していることが、本日発表された報告によって明らかになった。
Centre for Policy Studies(政策研究シンクタンク)からの報告によると、英国は無職世帯数がヨーロッパの中で最も多い国となっている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 11.10.2010
外郭団体廃止は負債処理のため過重負担に
2010年10月08日政府内からの漏洩文書により、180に上る特殊法人を廃止することによって巨額の経費節減を確保しようとした政府の計画は、廃止にかかる賃貸借契約の違約金、退職金、年金をカバーするために必要な負債が何十億ポンドにも上るため、頓挫する可能性があることが明らかになった。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 8.10.2010
児童貧困対策地域先進事業が成功(教育省が報告書の中で地域の貧困対策の成功を賞賛)
2010年10月08日労働党政権下で10の児童貧困対策パイロット事業が地方自治体により実施された。これらの対策は2011年まで実施される予定であり、教育省はこのたび児童貧困対策の進捗状況に係る中間報告を発表した。
これまでのところ、コンウォール県やタイン・ゲートウェイ(ノース・タインサイド市及びサウス・タインサイド市を含む大都市圏地域)などいくつかの地域では、児童貧困家庭の減少や家族支援に関して顕著な成果があったことが分かった。現在の課題は、これらの取り組みを、どのようにして「地域主導財政(place-based budgeting)」確立への努力や地方分権の実現に結びつけていくことができるかかである。
ピクルス大臣が大都市における「地方主権」を宣言
2010年10月04日エリック・ピクルス・コミュニティ・地方自治大臣は昨日、イングランドの12の大都市に対して「地方主権」を宣言し、直接公選首長制に関する住民投票導入のための新しい立法を約束した。
11月提出予定の地域主義法案(Localism Bill)では、バーミンガム市、リーズ市、シェフィールド市、リバプール市、ブリストル市、マンチェスター市などの都市で、公共支出における強化された権限を持った直接公選首長導入のための住民投票を促す内容となる見込みである。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 4.10.2010
労働党新党首、地方自治体の権限を強化する方針「エド党首、地域主権を言明」
2010年09月30日労働党のエド・ミリバンド新党首は、党首選後初となる演説において、地域社会を再構築したいと述べた。
ミリバンド党首は、労働党政権下において、地域の課題が無視されてきたことや、実質的な地域政策に対してあまりにも多くの官僚主義的なハードルが設けられてきたことを認めた。彼は党首選の選挙運動中、地域社会の権限強化への熱意について、ことあるごとに強調していた。
*参照 The MJ 2010年9月30日号 1面
新規則により自治体の広報紙は年4回までに制限
2010年09月29日2010年9月29日、エリック・ピクルス・コミュニティ・地方自治大臣は、自治体自身による広報紙(新聞)の発刊および自治体によるロビー活動に関する新しい規則について発表した。
自治体は自らの広報紙の発行を年4回までに制限しなければならず、また行政サービスに直接関係のある事柄だけを取り上げるようにしなければならないこととされた。この制限の目的は、民間の地方紙との競合を回避することにある。これに加えて、自治体は今後、政府機関に対するロビー活動を行うために私企業を雇うことや、政党の党大会会場でロビー活動のための出展スペースを購入することが出来なくなる。