カテゴリー別アーカイブ: デンマーク

コペンハーゲン市がタブレットPC付レンタル自転車システムを導入

2013年10月30日 

コペンハーゲン市交通局は、2013年8月16日に、タブレットPC付自転車を導入した新しいレンタル自転車システム「gobike(ゴーバイク)」を開始した。

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ハンドル部分に設置されているタブレットPCにはGPSが搭載されており、タブレットPC上では、以下の機能が利用できる。 ・目的地までのルート検索、ナビゲーションシステム ・公共交通機関の時刻検索 ・現地のイベント情報の検索 ・利用可能なレンタル自転車及びステーション情報の検索 ・その他関連情報の検索 また、携帯電話から専用アプリケーションにアクセスし、利用可能なレンタル自転車を検索し、予約することもできる。 コペンハーゲン市は、1995年から公共レンタル自転車システムを導入し、市内約110のステーションに約2,000台のレンタル自転車を設置していたが、市民や観光客にとって、より便利で利用しやすいものにするため、2012年末に新システムの導入を決定した。 2013年秋には、65のステーションに250台の自転車を配置し、2014年春までには1,260台まで拡大する予定。電動自転車の導入も順次行う。利用料金は、1時間20DKr(デンマーク・クローネ、約360円(10月現在))。

<参考資料>
・「gobike」公式ウェブサイト(英語) http://gobike.com/
・オランダ自転車協議会(FIETSBERAAD)ウェブサイト(英語) http://www.fietsberaad.nl/index.cfm?lang=en§ion=nieuws&mode=newsArticle&newsYear=2013&repository=Copenhagen+introduces+rental+bikes+with+tablets

<参考情報> コペンハーゲン市 人口559,440人(2013年、コペンハーゲン市統計より)


有毒ガスで食肉加工地区の開発がストップ

2011年11月15日 

コペンハーゲン市の夜の人気スポット、ベステルブロ地区コドビエンの未来が脅威にさらされている。地下のアンモニア施設の安全性に疑問が生じたためだ。
 可燃性で有毒であるアンモニアが、舗装道路の下の管を通じて、冷却システムの燃料として、広大だが今ではほとんど稼働していない食肉加工保存施設に送られている。
 この20年間再開発が行われ、レストラン、バー、ギャラリーなどが同地域に移って来、コペンハーゲンでの創造的活動や、社会的なハブとしての評価が高まってきている。
 しかし、コンサルタント会社COWIによるアンモニアの輸送システムのアセスメントの後、コペンハーゲン市の環境部局、自然環境センターは、COWIが詳細なリスクアセスメントを行うまで、進行中や予定されている一切の開発を中断させた。
 多くの人を集めてのイベントも開催することが禁止された。
 コドビエンはコペンハーゲン市が所有しているが、アンモニアを除去するのには8千万クローネから1億クローネがかかる見込みだ。
 アンモニアのもたらす危険性のため、同地域での経済活動が大きく阻害され、補償金額は1億クローネに到達すると見込まれている。

【出典】コペンハーゲンポスト(2011年11月14日)
http://www.cphpost.dk/news/local/87-local/52507-toxic-gas-stalls-development-of-meatpacking-district.html


サイクリング・シティの混乱を一掃する提案

2011年06月15日 

コペンハーゲン市民の1/3が自転車を通勤に利用している。この活用実態は政界中から賞賛されているため、都市が自転車インフラを整備する方法を議論するときにはいつもコペンハーゲンが話題になる。
 しかし良いことばかりでなく、市内には毎日、大量の自転車が駐輪し、中心部の鉄道駅の外では乱雑さと混乱を招いている。観光客にはそれがデンマーク人のアウトドア好きを代表する魅力的な場所に映るかもしれないが、住民たちはうんざりし始めている。

 フランク・ジェンセンFrank Jensen市長は、違法駐輪した利用者に50クローナーの罰金を科すことで、駐輪が許された場所への移動を促し、都市のイメージの向上を図りたい考えである。
 しかし市長の提案は多くの反対に遭っている。デンマーク自転車協会(DCF)は、「市がやるべきは、罰金を科すより前に、まずは清潔でより多くの駐輪施設を増やすことだ。
充分な駐輪施設が整備されれば、その時点で我々は市長の提案を支持するかもしれない」と主張している。
 もっとも駐輪場を増やしただけでは混雑の原因を解消することにならない。なぜなら多くの盗難自転車や放置自転車が正規の駐輪場に置かれるからである。自転車にラベルを貼り、申し出が無ければ撤去するという警察の計画はこの問題解決に攻を奏すであろうし、技術者のJen Junker Eriksen氏が開発したパーキング・ディスクparking discs(※)の活用も放置自転車を特定するための信頼できるシステムとなり得るだろう。
 現在、パーキング・ディスクの活用をするかどうかが議論の的になっている。全国導入には法令が必要で、コペンハーゲン市の都市計画局はまずはもっと小さな都市でテスト導入すべきとの考えを示している。
 
※注:パーキング・ディスク
 自転車のハンドルバーに取り付け、置かれた時間を表示する装置。駐輪取締官はその自転車がどれくらいの期間、駐輪しているかをすぐに判別でき、30日間以上経った場合は撤去するしくみ。
 
【出典】コペンハーゲンポストのウェブサイト
 http://www.cphpost.dk/news/local/87-local/51664-proposals-compete-to-clean-up-bike-city-mess.html


政府が「2050年エネルギー戦略」を発表

2011年04月15日 

デンマーク政府は本日(2011年2月24日)、2050年までに国がどのように石炭、石油及びガスに依存せず、温室効果ガスを飛躍的に削減していくかをまとめた「2050年エネルギー戦略」を公表した。
 このエネルギー戦略では、化石燃料の産業利用を2020年までに2009年比で2割削減する多くの提案が含まれており、2050年までに完全に化石燃料から脱却することを目指している。
 気候・エネルギー省大臣は、デンマークはこのような詳細で野心的な戦略を提示する世界で初めての国になると述べた。
 戦略では、風力、バイオマス、バイオガスといった再生可能エネルギーを大幅に増やしていくことを盛り込んでいる。
 2020年までに風力発電だけで全体電力消費量の40%以上をカバーし(現在は20%)、再生可能エネルギーで全体の60%以上を賄う計画だ。同時にエネルギー効率を高める努力を強化することで2020年までに総エネルギー消費量を2006年比で6%減らす。
 企業には2020年までに総収益成長率の0.1%相当の追加負担が生じる見込みだ。
 大臣はグリーンエネルギーへの転換に係るコストは化石燃料費の今後の上昇を考慮して判断されるべきであるとして次のように強調した。「エネルギー効率を高めるための大規模な投資と再生可能エネルギーの利用拡大がタダで出来ると考えている者など誰もいない。しかし化石燃料に今後も依存し続けることは、あらゆる兆候が示しているように将来かえって高くつくことになる。次のステップは議会でこの政府提案を審議してもらうことであり、広範な合意が得られるものと期待している。」
 政府提案には次の内容が盛り込まれている。
・バイオマス及びバイオガス
・風力
・エネルギー効率
・研究、開発及び実証

【出典】気候・エネルギー省ウェブサイト(2011年2月24日)
 http://www.kemin.dk/en-us/newsandpress/news/2011/sider/energystrategy2050.aspx


教育改革は読むことに重点を置く-授業数の増加、読解力の向上、テストの上乗せを提案-

2011年02月15日 

Nedergaard教育大臣は、教育改革に関する政府提案を発表し、読解力の改善に大きな重点を置くと述べた。「能力と自由」と名付けられたこの提案は、生徒の成績を教育に要する費用に見合うものとすることを目的とした19のイニシアティブを含んでいる。
「教育システムに要する予算が高額であることを考慮すると、現在の結果は我々の期待に見合うものではない」と教育大臣は述べた。
このイニシアティブは、PISA(OECD生徒学習到達度調査)読解力テストの結果によると、デンマークは前回から3つ順位を落とし、33の参加国中18位となったことを受けて発表された。
計画によると、全学校の生徒が2年生終了後読むことができるレベルに達するよう求めている。また保育園のリーダーは今後、保育園レベルのデンマーク語を教えるためのトレーニングを受けることになる。2年生の生徒は読解力に関するテストを受け、その結果が公表される予定である。
また、生徒の一般知識を向上するため、デンマーク語、数学、英語及び自然科学の授業が増加される予定である。

【出典】コペンハーゲンポストのウェブサイト
http://www.cphpost.dk/news/education/198-education/50628-school-reform-focuses-on-readin-readin-and-more-readin.html


グリーンエネルギーは税務省の頭痛のタネ-グリーンエネルギーの使用量が増加に伴い、エネルギー税収が減少-

2010年12月15日 

デンマーク・税務省によると、グリーン・イニシアティブに基づく税収の減少により900億クローネの経済的損失が生じるという。これを受けてPoulsen税務大臣は、エネルギー税収の減少と北海の石油資源からの収入減が経済に与える影響について、包括的な分析を実施する
「現行税制度の安定性を確認し、化石燃料が枯渇した場合起こり得ることについて検証する必要がある」とポールセン氏は述べた。
昨年政府は340億クローネのエネルギー税を得た。また、自動車税が236億クローネ、北海におけるデンマーク石油プロジェクトから246億クローネである。デンマークでは風力発電などグリーンエネルギーが大きな割合を占めており、電気自動車は2015年まで登録料を免除されているが、Poulsen氏は2020年まで税収の大幅な減少はないと見込んでいる。しかし、もし電気自動車の販売台数が大幅に上昇した場合、通常の車にかかる登録税の132億クローネを失うことになるだろう。
政治家はグリーンエネルギーにより生じる穴を埋めるため、新たな課税を導入する必要があると専門家は指摘し、その例として渋滞税、電気自動車のバッテリーに対する課税、新しいグリーンエネルギー税、農業で発生するCO2に対する課税を挙げている。
税務大臣は調査結果を来年までにまとめるとしている。

【出典】コペンハーゲンポストのウェブサイト
http://www.cphpost.dk/news/politics/90-politics/50604-green-energy-proves-headache-for-taxman.html
現行税制度の安定性を確認し、化石燃料が枯渇した場合起こり得ることについて検証する必要がある」とポールセン氏は述べた。


デンマーク首相が福祉国家を目指す意欲を表明

2010年11月01日 

国会の初日、ラスムセン・デンマーク首相は政治家、王族を含む来賓を前に、40分間の演説を行った。首相は、自身が所属する自由党及び連立パートナーである保守党が共に合意に至っていない税制や早期退職制度などの話題には触れず、福祉国家の実現に向けた取組を強化することに焦点を当てた。
演説において、最低学年の児童の授業時間数を一日6時間に延長することが提案された。これにより授業時間数を最大2時間延長することになり、これに要する経費は、自宅で生活している高校生に支給されている奨学金を削減することで賄う予定である。
また首相は、貧困地区を解消する手段として公営住宅を廃止する計画とともに、2050年までに石油、ガスの利用をやめ炭素ガスを排出しない国を実現するという政府目標、アフガニスタンに駐留するデンマーク軍を2014年までに撤退すること、若年層の年金制度改革を発表した。
野党である社会民主党のトーニング・シュミット党首は、首相の演説は成長のためのイニシアティブを欠いていると批判し、任期の2011年11月より前に総選挙を実施するよう求めた。

【出典】The Copenhagen Postウェブサイト
http://www.cphpost.dk/news/politics/90-politics/50172-pm-announces-ambitions-for-the-welfare-state.html


世界最大級の洋上風力発電所

2010年09月15日 

デンマーク議会は、40万世帯に環境に優しい電力を供給する風力発電所をアンホルト(Anholt)島沖に建設する計画を許可した。
デンマーク議会は、アンホルト洋上風力発電所の建設と運営について、DONG Energy社からの応札の受入れをほぼ満場一致で決定した。
入札結果に基づき、Lykke Friis気候・エネルギー大臣は現在のエネルギー政策を支持する各政党と、洋上風力発電所の建設に関する将来モデルの分析を開始することについて合意した。この調査の目的は、将来の投資に向けた土台を築き、消費者に可能な限り安価な電力を提供することである。
400メガワット発電可能なこの発電施設は、デンマーク最大の洋上風力発電所で、2012年から2013年には、40万世帯の電力消費量に相当する環境に優しい電力を供給できる予定である。また同時に、このプロジェクトは雇用を創出し、最大8000人が建設期間中に職を得ることができる。さらに、デンマークは2020年までに再生可能エネルギーの割合を30%にするという目標に、1%近づくことになる。
唯一の応札者であったDONG Energy社は、発電施設の寿命の約半分の期間を、1kwあたり1.051デンマーク・クローネで落札した。残りの期間は、補助金などはなく市場価格で販売される。これは現在建設中の風力発電施設Rødsand IIより高額であるが、隣国の同様の風力発電施設と同等の価格である。
また、アンホルト洋上風力発電所は、消費者にとって最終的には安い買い物となるだろう。年間の補助金は1kiw当たり0.01デンマーク・クローネの見込みで、平均的な家庭(4000kw使用)に換算すると年間44デンマーク・クローネとなる。しかし、この発電所で生産される電力により、電力価格が抑制され補助金分は相殺されると考えられている。
気候・エネルギー大臣は、電気・天然ガスの輸送システムを運営する国営会社であるEnerginet.dkに対し、風力発電所とアンホルト島を海底ケーブルで結び、電力網に接続するよう指示した。これにより、島の140人の住民は軽油発電機に替わり、環境に優しい電気を利用することができる。このプロジェクトは、化石燃料からの脱却を目指す国のエネルギー政策に基づくものであり、さらに地域環境の改善に貢献すると考えられる。

【出典】
デンマーク 気候・エネルギー省ウェブサイト
http://www.kemin.dk/en-us/newsandpress/news/2010/sider/greenlightforoneoftheworldslargestoffshorewindparks.aspx


クリーン・テクノロジー先進都市を目指すコペンハーゲン市

2010年08月01日 

コペンハーゲン市は、クリーン・テクノロジー先進都市を目指す計画の一部として、今後3年半の間に110億デンマーク・クローネ(約1683億円)の土木関係予算をグリーン投資に支出する予定である、と全国紙のBerlingske Tidendeが伝えた。
Frank Jensenコペンハーゲン市長は、多くのヨーロッパの首都が環境計画を作成する中で、環境関連ビジネスを巡る競争は世界的に厳しい状況であることを認めた上で、次のように述べた。
「既にコペンハーゲン市は、2025年までにカーボン・ニュートラルを達成するために必要な支援策を設定している。今回は、環境都市としてのコペンハーゲンに対する世界的な認識を高めるため、この目標と来年の包括的土木プロジェクトを結びつけたいと考えた。またこれにより、雇用を創出し、企業の関心を集め、コペンハーゲンを「グリーン・バレー」にすることが可能であると考えている。
2009年にコペンハーゲンで開催された気候変動枠組条約締結国会議(COP15)は残念な結果に終わったが、コペンハーゲンの環境都市としてのイメージは損なわれていない。むしろ、コペンハーゲンが供給率97%の地域暖房やカーボン・ニュートラルという目標を設定した方法について、大きな関心がもたれている。これをフルに活用することにより、多くの好意を雇用と成長に転換することが可能である。
コペンハーゲン市はまた、近隣の地方自治体及びスウェーデン南部の地方自治体に取組に参加するよう働きかけている。さらに、大学、企業、地方自治体間のマッチングに対し投資する用意も出来ている。
コペンハーゲン市を新しいグリーン技術が開発され試験される場所とする、これが目標である。」
コペンハーゲン市の新グリーン戦略は、9月29日、30日に市が主催するWorld Climate Solutionsで発表される。

【出典】デンマーク公式ウエブサイト(Denmark.dk)
http://www.denmark.dk/en/servicemenu/News/Environment-Energy-Climate-News/CopenhagenAimsToBeALeadingCleantechCapital.htm


道路を私営化する自治体が増加-少なくとも10%の地方自治体が、経費節減のため住宅地の道路を私営化する計画-

2010年06月29日 

財政状況が厳しい地方自治体が、所有する住宅地の道路を私営化した場合、多くの郊外居住者は、道路の維持費を負担することになる。
日刊紙のBerlingske Tidendeが行った調査結果によると、少なくとも10%の地方自治体が道路の私営化を検討、または既に実施している。
コペンハーゲンの北に位置するLyngby-Taarbæk 市では、25kmの道路に対する責任を地元住民に移譲することにより、500万クローネ(約7500万円)の経費を削減できると見込んでいる。
一方で、住宅所有者はこの傾向に好意的ではない。
全国住宅所有者団体のAllan Malskær氏はデンマーク・ラジオに対し、「権力の濫用である。各々5万~10万クローネ(約7万5千円~15万円)の費用負担が生ずるが、住宅所有者はこれを拒否することができない。住民に移譲した後も、地方自治体は道路の維持状況や作業期日を管理する必要がある」と述べた。

【出典】コペンハーゲン・ポストのウェブサイト
http://www.cphpost.dk/news/national/49355-more-councils-planning-to-privatise-roads.html


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