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カテゴリー別アーカイブ: EUの地方自治情報メモ

欧州議会、より効果的な結束政策を提案

2009年04月17日 

 欧州議会は3月24日、領域的結束(Territorial Cohesion)に関するグリーンペーパーに対し不満を表明した。
 領域的結束の明確な定義も目的も示されていない上、領域的結束をどのように既存の結束政策に取り込むかの説明がなく、部門別政策の領域的な影響の測定方法が全く提案されていないとの主張だ。議会は構造基金の配分手続きの一層の簡素化を主眼とする、6つの決議を採択。中でも領域的結束に関する決議は、構造基金に対する地域の適格性を決定する際の基準について問題を提起し、欧州委員会に適格性の主な基準として域内総生産(GDP)の利点を考慮するよう促した。同委はこれらの提案を受け入れたとみられ、ダヌータ・ヒューブナー地域政策担当委員は向こう数週間以内に簡素化に関する主要な提案を行う考えを示した。

【出典】ユーロジャパンセンター


英国、EU構造基金の管理ミスで罰金

2009年04月17日 

 欧州委員会は4月初め、イングランド北部へのEU補助金の管理がずさんだとして、英政府に2,500万ポンドの罰金を科すと明らかにした。
 問題となったのは1997〜99年の「欧州地域開発基金(ERDF)」で、同委は関連プロジェクトの記録管理と不適切な支出に懸念を表明。2000〜06年分に関しても別途、制裁金を科すとみられている。ただ詐欺行為の存在については明確に否定した。英コミュニティー・地方自治省は中央政府の基金から罰金を支払う考えを示したほか、自身の予算から既に4,500万ポンドを確保。従って、今回の制裁が現行の再生プロジェクトに影響を及ぼすことはないとみられる。同省はまた、既存の報告・監視システムを改善したとしている。

【出典】ユーロジャパンセンター


イングランドの地域、EU基金喪失で打撃

2009年04月17日 

 2009年1月末、英政府はイングランドに割り当てられた2000〜06年の「欧州地域開発基金(ERDF)」の未使用分に関し、欧州委員会からの使用期限延長の申し出を辞退した。
 ブラウン首相は同地域で怒りの声が上がったのを受け、問題の見直しを確約。これによりイングランドの地域がたなぼたの資金を使える期待が高まったが、数カ月にわたる交渉の末、ジョン・ヒーリー地方自治担当閣外相は4月2日に期限を延長しない方針を表明した。決定に伴い、イングランドは2,500万ポンドを失う見込み。コミュニティー・地方自治省は欧州委の提案について、柔軟性に欠け、余分な費用が発生すると主張。加えて、各地域が所定の期間内に予算を使い切るのは著しく困難だとした。結果的に、余った資金は英国の欧州連合(EU)分担金から差し引かれることになりそうだ。

【出典】ユーロジャパンセンター


EU、アイルランドとスコットランドの提携プロジェクトに補助金

2009年04月17日 

 EUは3月半ば、アイルランドと英領北アイルランド、スコットランドによる小型フェリーの提携プロジェクトに23万3,000ポンド超の助成金を給付することで合意した。
 このプロジェクトは、アイルランド島とスコットランド間を行き来する新たな小型フェリーの導入に向け、共同調達・設計戦略を打ち出すのが目的。小さな島々の開発に多大な影響を及ぼすとみられ、北ア自治政府のコナー・マーフィー地域開発相は「我々の最も遠方にあるコミュニティーに利益と改善をもたらすだろう」と述べた。財政援助は「INTERREG (国境を越えた地域間協力の促進を目的とする戦略的プログラム)IVA」を通じて行われる予定で、少なくとも8航路が調査の一環として検証される。現時点では、北アのバリーカッスル〜ラスリン島路線などで老朽化したフェリーが取り替えられる可能性が高い。小型フェリー・プロジェクトは2010年夏に完了する見込みだ。

【出典】
– 北アイルランド自治政府ニュースリリース
“Europe To Fund Island Ferries Project”, 18 March 2009
http://www.northernireland.gov.uk/news/news-drd/news-drd-180309.htm


EU地域委員会(Committee of the Regions) 委員長が声明を発表

2009年04月14日 

 地域委員会(Committee of the Regions) のLuc Van den Brande委員長が、欧州の首脳と政府は地方自治体(地方政府)が目下の経済危機においてなしうる重要な役割を考慮していない、との声明を出した。
 Brande議長は、現在の欧州理事会議長国であるチェコのMirek Topolanek首相に宛てた書簡で、3月19、20日に開催された欧州理事会でも経済危機下における地方自治体(地方政府)の重要な役割について言及がなかった点に不満を表明している。
【出典】2009年3月26日付 地域委員会プレスリリース
http://www.cor.europa.eu/pages/PressTemplate.aspx?view=detail&id=a653820d-1a38-474c-8f00-71c52ba9314c

【参考】
・地域委員会は344人の委員で構成されるEUの地域政策についての諮問機関である。委員は各国の地方自治体(地方政府)の議員などから各国政府によって指名されている(選出方法については国ごとに異なる)。Brande議長はベルギーからの代表。
・欧州理事会はEU加盟国の首脳と欧州委員会委員長で構成される首脳会議で、年4回開催される。2009年3月に開催された欧州理事会では主に経済危機への対処が議論された。
・Brande議長の声明の背景として、不況下で地方自治体は税収が減少する一方で、社会福祉などの住民サービスの需要が増加するという困難な状況に直面しており、EUや中央政府からの資金援助がなければ立ち行かなくなりそうな地方自治体も存在する。
・英国の地方自治体では地域経済を下支えするため雇用のあっせん、失業者への職業訓練、商店街での路上駐車の無料化など様々な取り組みを行っている。
【出典】地域委員会のウェブページ
http://www.cor.europa.eu/pages/HomeTemplate.aspx


地域支援で環境的側面を強化

2009年03月23日 

 欧州委員会のダヌータ・ヒューブナー地域政策担当委員は3月9日、地域支援における環境的側面を強化する計画を打ち出した。
 同委員は記者会見で「この危機的な情勢の中、特に重要なのは、結束政策を通じた投資拡大の必要性に対する認知度を向上させることだ」とコメント。欧州連合(EU)加盟国は2007〜13年に、グリーン・プロジェクト向けに総額1,050億ユーロを支給されることになる。これは地域政策予算の3割以上を占め、2000〜06年予算の3倍近くに相当する。欧州委は今回の支出を通じ、環境保護とビジネス活性化の一挙両得を狙う。ヒューブナー委員は「地域の各自治体は気候変動対策で最前線に立つことになる」として、地域レベルで低炭素経済を支援することが重要だと述べた。

出典:
– 欧州委員会プレスリリース “Cohesion Policy backs “green economy” for growth and long-term jobs in Europe” 9 March 2009
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/09/369&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en


EUの地域・都市、意思決定プロセスでの発言権拡大求める

2009年03月23日 

 プラハで3月5〜6日、EU地域委員会(CoR)の主催による隔年会合「欧州地域・都市サミット」が開かれた。
 250を超える域内の地域や市町村から総勢およそ500人の代表者が参加し、国家再生計画の開発・実行により関与できるよう求めた。多くの参加者は国家や欧州レベルで下される決定について、地元での実行に伴いもたらされる実際的影響に日常的に対処しなければならないにも関わらず、合意形成プロセスで大きな役割を与えられていないことに怒りを表明。これに対し、ジョゼ・マヌエル・バローゾ欧州委員長は5月のEU緊急サミットに地域代表を招く考えを示したほか、EUの成長と雇用戦略の次の段階では地方自治体の役割拡大が最優先事項になるだろうと述べた。

出典:
-CoRのホームページでサミットの結論公開
http://www.cor.europa.eu/pages/PressTemplate.aspx?view=detail&id=e223894e-ce62-4722-b4a5-47da5a4989d7


欧州地域・都市サミット、保護主義阻止を呼び掛け

2009年03月23日 

 プラハで開催された欧州地域・都市サミットでは、地域・地方の政治家が、EUの地域・加盟国は経済危機の影響に対処する際、保護主義に陥ってはならないという明確なメッセージを発した。
 CoRのルク・ファンデン・ブランデ委員長は「各地域は競い合うのではなく、協力し合うべきだ。同様に、各国は保護主義を阻止しなければならない」と述べた。参加者は、特定の加盟国・地域はその手続きの調整に向けた努力が今のところ実っていないとの見解で一致。加盟各国に対し、反保護主義の明確な立場を示すとともに、欧州経済の再生と成長を支援するため域内市場の潜在力を守るよう要請した。

出典:
-CoRのホームページでサミットの結論公開
http://www.cor.europa.eu/pages/PressTemplate.aspx?view=detail&id=e223894e-ce62-4722-b4a5-47da5a4989d7


欧州議会、地域政策プロジェクトへの財政支援迅速化・柔軟化を承認

2009年03月23日 

 欧州議会は3月11日、508対30(棄権52)の圧倒的多数で欧州経済の再生に向けたEU構造基金の見直しを求める報告書「欧州経済再生計画」を採択した。
 この報告書はブルガリアのエフゲニ・キリロフ議員(欧州社会党G)が取りまとめたもので、地域政策プロジェクトへの財政支援を迅速化・柔軟化するよう提言。特に、
(1)欧州委員会と加盟各国は構造・結束基金の割り当てを従来より素早く簡単かつ柔軟に行う方策を取り入れても、実施状況を監視する責任を怠ってはならない
(2)欧州委は経済対策がEUの市場競争ルールや社会・環境保護基準に反しないよう厳しく監視すべき
——としている。これら全てが欧州経済の再生に寄与すると期待されている。

出典:
– 欧州議会プレスリリース“Getting cohesion funds into the real economy faster”, 09 March 2009
http://www.europarl.europa.eu/news/public/story_page/059-51168-061-03-10-910-20090306STO51167-2009-02-03-2009/default_en.htm
– 欧州議会ホームページで公表された2009年3月11日の投票結果のリスト
http://www.europarl.europa.eu/news/expert/tous_les_epvotes/default/default_lt.htm


ウェールズ、スコットランド、北アにERDF未使用分の柔軟活用認める

2009年03月23日 

 2009年3月の発表によると、ウェールズとスコットランド、北アイルランドは2000〜06年予算で割り当てられた「欧州地域開発基金(ERDF)」の未使用分合わせて1億3,900万ポンドについて、より柔軟に活用することが認められた。
 欧州委員会の決定によるもので、各結束政策プログラムの戦略的支出分野を定義する「優先軸」間で資金を移動させる場合、関係当局は10%の柔軟性の幅(従来は2%)が認められる。欧州委は加盟各国に対し、経済危機対策に特化したプログラムに資金を移す機会を積極的に与えたいと考えている。ウェールズとスコットランド、北アイルランドが同委の措置を歓迎する一方、英コミュニティー・地方自治省は「柔軟性が足らな過ぎる」と不満を示している。

出典:ユーロジャパンセンター


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