Japan Local Government Centre (JLGC) : London > EUの地方自治情報メモ

カテゴリー別アーカイブ: EUの地方自治情報メモ

欧州委、構造基金の活用でスウェーデンを賞賛

2009年09月18日 

 欧州委員会のパベウ・サメツキ地域政策担当委員はスウェーデンを訪問した際、同国が構造基金を通じて受けたEUからの支援を最大限に活用し、技術革新と研究にコミットメントを示している点を賞賛した。
 同委員はEUの助成を受けたいくつかのプロジェクトを視察。その中には、ビジネス開発やアクセスの向上、ICT(情報通信技術)の利用拡大を目指す南部スコーネ/ブレーキンゲ地方のプログラムが含まれる。
 同プロジェクトは、欧州委が欧州経済再生計画の一環として手配した様々な方策の恩恵を受けており、とりわけ構造基金から拠出された180万ユーロの前払金は、EUの支援を得たプロジェクトの早期立ち上げに貢献した。同地域のプログラムには最終的に、2007~13年向けの「欧州地域開発基金(ERDF)」予算から7,070万ユーロが割り当てられる。スウェーデン全体では、この期間に総額12億ユーロのERDF資金を受け取ることになる。

【出典】
– 欧州委員会プレスリリース
“Commissioner Samecki praises South Sweden for good use of EU funds: an astute combination of innovation and cross-border investment”, 03 September 2009, Brussels
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/09/1270&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
– Commission website (InfoRegio)
http://ec.europa.eu/regional_policy/country/prordn/details_new.cfm?gv_PAY=SE&gv_reg=707&gv_PGM=1026&LAN=7&gv_PER=2&gv_defL=9


欧州委、議長国スウェーデンと結束政策について協議

2009年09月18日 

 欧州委員会の新たな地域政策担当委員に選ばれたパベウ・サメツキ氏は9月4日、2009年後半のEU議長国を務めるスウェーデンを訪れ、この期間の優先課題について協議した。結束政策で優先すべき事項として、最も経済基盤が弱い地域への資源の集中、EUの最外端地域を専門とする作業部会の設置、バルト海地域の開発戦略(詳細は8月号を参照のこと)を確認。
 特に3番目は、周辺諸国との協力関係の強化のほか、運輸・エネルギー網の相互連結の改善、公害低減、バランスの取れた経済開発の支援、海上安全・危機管理の向上に寄与するとみられている。
 スウェーデンはまた、規制の修正に関する話し合いを継続する方針で、欧州委が7月22日に提示した構造基金の最新見直し案について、妥協点を探る考えだ。

【出典】
– Website of the Swedish Presidency of the European Union
http://www.se2009.eu/en/meetings_news/2009/9/11/baltic_sea_week_opens
– 欧州委員会ホームページ (InfoRegio Newsroom)
http://ec.europa.eu/regional_policy/newsroom/index_en.htm


EU、新たな地域政策担当委員が就任

2009年09月18日 

 2009年9月4日、欧州議会議員選挙で当選したダヌータ・ヒューブナー氏(現在、同議会・地域開発委員会委員長、ポーランド、欧州人民党グループ)に代わり、パベウ・サメツキ氏(ポーランド)が欧州委員会の新たな地域政策担当委員に就任した。
 同氏は既に、向こう数カ月の最優先事項の1つとして、欧州連合(EU)結束政策の将来について議論を行う考えを表明。秋までにオリエンテーション・ペーパーを提示するという。
 サメツキ氏はとりわけ、結束政策の成果向上を目標に掲げる。「事後評価の結果から判断する限り、加盟各国は政策の効果に十分な注意を払ってこなかった恐れがある」として、従来より結果を重視する方針だ。また別の優先課題として、新たな基準・標準を導入し、構造基金を配分する際の誤差やムラを減らすべきと述べた。

【出典】
– 欧州委員会ホームページ
http://ec.europa.eu/commission_barroso/samecki/index_en.cfm
– Speech of Pawel Samecki: “The reform of Cohesion Policy – towards an integrated territorially based management” – Annual Congress of the European Regional Science Association, 26 August 2009, Łódź, Poland
http://ec.europa.eu/commission_barroso/samecki/pdf/2009/250809_lodz.pdf


EUが2010年に環境指数を作成

2009年09月07日 

 欧州連合(EU)の欧州委員会(European Commission)は8月20日、「GDPとこれからの指標:変化する世界における進展度合いの測定」(GDP and beyond: Mesuring progress in a changing world)と題する政策提言の中で、国・地域レベルでの環境問題に関する新しい指標を作成すると発表した。
 GDPは国・地域内の経済的活動による付加価値を示す指標で、国や地域の全般的な発展度合いを示す指標として現在も広く利用されている。しかし、GDP算出の性質上、環境問題など国民生活の質につながるデータが加味されておらず、GDPの指標のみに基づいて政策を議論することは不十分であると指摘されてきた。もっとも、現時点では政策論議や国民の間での議論に利用できるような簡潔で包括的な環境指標は存在しない。
 そこで、欧州委員会は、環境への負担の度合いを示す指数を2010年に試験的に作成する。
 この指数は、国や地域内での気候変動、エネルギー使用、生態系の変化、大気汚染、水質汚染、廃棄物量などの度合いを基に計算され、毎年EU全体とEU加盟国ごとの指数が発表される。(指数の数値が大きいほど、環境への負担が大きい状態である、というもの)
 将来的にはGDPの発表と同時に環境指数も発表することを目標としており、政策論議が行われる際のデータとしてGDPを補完する役割が期待されている。

【出典】
「GDP and beyond: Mesuring progress in a changing world」
http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=COM:2009:0433:FIN:EN:PDF


第三者報告書、EU地域政策の見直し提言

2009年08月21日 

EUの結束政策はなおも改善の余地がある——。
欧州委員会が発表した第三者報告書は、現在までの地域政策の成果をこう評価した上で、2013年以降について様々な提言を行っている。
 この報告書はイタリア経済・財務省のファブリツィオ・バルカ開発政策局長によって取りまとめられたもので、同氏は結束政策の影響を「不満足」と主張。より効果的なものにするには、改革が必要との見方を示した。
 報告書ではその柱として10の主要ガイドラインが示されており、中でも目立つのが欧州委員会の権限を強化すべきという点。目標の達成度を評価するだけでなく、費用対効果の観点から、必要に応じてプロジェクトの優先順位を変更できるようにすることを提案している。さらに、欧州委が検証可能なコミットメントを特定するとともに、同委が「実施評価」(必要なら)、加盟国が「結果に関する戦略報告書」を毎年準備すべきとした。

出典:
– Barca report: “An agenda for a reformed cohesion policy” April 2009
http://ec.europa.eu/regional_policy/policy/future/pdf/report_barca_v0306.pdf
– ユーロジャパンセンター


欧州委、バルト海地域の開発戦略発表

2009年08月21日 

 欧州委員会はこのほど、バルト海地域の開発に向けた広範な戦略と、それに付随する行動計画を採択した。
 この戦略は「環境持続可能性」「経済的繁栄」「地理的利便性と魅力」「地域の安全性確保」の4つの柱から成る。
 新たに専用の基金を設ける予定はないが、同地域のEU加盟国は代わりに500億ユーロに上る結束基金を活用するよう促されている。EUが“マクロ地域”レベルでこれほど包括的な戦略を打ち出したのは初めてであることから、欧州委の発表は大きな関心を集めた。同委は、今回の実験的アプローチがドナウ地域や地中海地域など、他のマクロ地域の参考になり得るとする。いずれは他の地域についても、同様のイニシアティブが策定される見込みだ。

出典:
– 欧州委員会プレスリリース:“European Commission launches Strategy to boost development of Baltic Sea Region”, 10 June 2009
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/09/893&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
– ユーロジャパンセンター


EUで「欧州文化地域」構想

2009年08月21日 

 「欧州文化首都」に指定されたEU加盟国の都市では、1年間にわたり集中的に各種の文化行事が催される。
国内だけでなく国際的にも自国の文化をアピールできることから、観光客の誘引に結び付いており、その経済効果は計り知れない。しかも、EUからは多額の助成金が提供される。
 そうした中、コーンウォール(英国)、クヤフスコ・ポモルスキェ県(ポーランド)、南オストロボスニア地方(フィンランド)の3地域が結束。欧州委員会に対し、地域レベルで同様のスキームを導入するよう呼び掛けている。現時点では、アイルランド南西部、ブルガリアのヴィディン州、デンマーク南部、イタリアのカラブリア州、2011年の欧州文化都市であるタリン(エストニア)、ギリシャのスラーキ地方をはじめとする20を超える他の地域が関心・支持を表明。支持派は欧州委が最終的に「欧州文化地域」コンセプトを認める可能性が高いと踏んでおり、実現すれば欧州の各地域の知名度向上に貢献しそうだ。

出典:
– European Region of Culture Campaign
http://www.e-r-o-c.com/
– ユーロジャパンセンター


結束基金、中小企業の支援強化

2009年08月21日 

 欧州委員会のダヌータ・ヒューブナー地域政策担当委員は7月9日、EUの結束政策を通じた中小企業の支援を強化するための新たなイニシアティブを提案した。
 2007〜13年向けの結束基金から少なくとも270億ユーロを拠出、うち多くが技術とイノベーションに充てられる。残る100億ユーロ前後は情報通信技術(ICT)の分野や起業、環境に優しいプロジェクトに振り向けられる予定だ。
 欧州委によると、北欧諸国や英国、オーストリアは現在、構造・結束基金から分配される資金のうち、15〜25%を中小企業に投じている。EUによる中小企業支援の一例としては、今年7月に欧州投資銀行(EIB)とオランダの協同組合銀行ラボバンクが3億ユーロの次世代ローンを同国で提供することで合意。ラボバンクは金融仲介機関として、中小企業の投資プロジェクトを支援する。EIBは今年に入ってから、オランダの中小企業に総額5億ユーロ相当を融資している。

出典:
– 欧州委員会プレスリリース:“Hübner calls on regions to boost small businesses with Cohesion Policy investment”, 9 July
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/1121&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en


EU、地方の省エネプロジェクトを支援

2009年08月21日 

 欧州委員会と欧州投資銀行(EIB)が、新たな助成スキーム「ELENA(European Local Energy Assistance)」の設立を進めている。
 「欧州インテリジェント・エネルギー・プログラム(IEE)」の一環で、2009年の後半に始動させる計画だ。欧州委はこのスキームを通じ、総額1,500万ユーロを拠出。欧州連合(EU)の省エネルギー目標達成への貢献が見込まれる、地方自治体の投資プロジェクトまたはプログラムの開発費用に充てる。運営はEIBが担当する。ELENAにより、地方への投資促進が期待でき、中でも建築(公共・民間の建物、街灯の改修、再生可能エネルギー源の構築環境への統合)と都市交通(電気自動車の導入を後押し)の両セクターが恩恵を受けられる見通しだ。

出典:
– 欧州委員会エネルギー・運輸総局
http://www.managenergy.net/com.html#funding


アイスランドがEU加盟を申請

2009年07月20日 

 2009年7月16日に国会の過半数の賛同を得たアイスランドが、7月23日にEUへの加盟を正式に申請した。
 今後EU加盟27カ国の全会一致の承認により「加盟候補国」の地位を与えられ、EU加盟条件などの交渉が開始する見込みである。
(現時点ではマケドニア、クロアチア、トルコがEUの「加盟候補国」の立場にある。)
 アイスランドは「欧州経済地域(EEA)」や欧州の加盟国を自由に出入国できる「シェンゲン協定」にも参加しており、既に欧州各国とは強い繋がりを持っているものの、EUの基準がアイスランドの漁業に悪影響を及ぼすおそれがあるとしてEU加盟には否定的であった。しかし、金融危機によって国内金融業が大打撃を受けて以降は、経済の安定化のためにEU加盟への気運が高まっていた。EUの漁業政策をどこまで受け入れられるかが今後の加盟交渉の焦点と見られている。
 今後のスケジュールについては、「加盟候補国」の地位を与えられた後で具体的な加盟交渉が開始され、この交渉で得られた加盟条件で2011年後半から2012年前半にアイスランドの国民投票に付され、早ければ2013年にEU加盟となる。

【出典】
Swedish Presidency of the European Union(EU議長国(スウェーデン)のホームページ)
http://www.se2009.eu/en/meetings_news/2009/7/23/iceland_and_the_eu_set_out_together
BBC
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/europe/8164573.stm


ページの先頭へ