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カテゴリー別アーカイブ: EUの地方自治情報メモ

欧州委、「アーバンll」都市再生プログラムの評価報告書を発表

2010年08月20日 

 欧州委員会は2010年7月、都市再生プログラム「アーバンll」の事後評価報告書を発表した。
 このイニシアチブは、持続可能な都市開発を促進するため、革新的かつ統合された手法を通じて経済的に沈滞した都市地域を活性化させるのが目的。報告書は、危機的状況にある街区が課題に取り組む上で、同プログラムがプラスの貢献をしたと結論付けている。
 「アーバンll」が導入された都市の1つがデンマーク第2の都市オーフスで、500万ユーロの支援金はGellerup、Hasle、Herredsvangの3街区に集中投下された。様々な社会経済指標に基づくと、これらを合わせた区域はデンマークで最も貧困な地域とされる。
 資金の42%はレジャー・文化活動に割り当てられ、雇用・起業支援と犯罪およびアルコール・薬物乱用防止にもそれぞれ20%、18%が充当された。また、5%は物理的な再生活動に使用されている。
 事後評価では、起業と犯罪率の面で明らかな改善が見られたが、雇用率の達成度は物足りなさが残った。義務教育修了後に高等教育を受けている住民の割合は、53%から54%へとわずかに改善した。

【出典】
欧州委員会
http://ec.europa.eu/regional_policy/sources/docgener/evaluation/expost2006/urban_ii_en.htm
欧州委員会:オーフスのケーススタディー
http://ec.europa.eu/regional_policy/sources/docgener/evaluation/pdf/expost2006/urbanii/case_studies/arhus.pdf


EU構造基金、英国で利用拡大

2010年08月20日 

 2010年8月、ノッティンガム大学のイノベーションパークで新たに航空宇宙技術センターの建設が開始された。この種の研究・開発(R&D)センターが設置されるのはノッティンガムでは初めてで、100人の雇用創出が見込まれる。
 同プロジェクトが実現したのは、「欧州地域開発基金(ERDF)」を通じた360万ポンドの助成金の貢献が大きい。イーストミッドランズ地方の輸送機器産業では既に、航空宇宙が雇用全体の約6割を占めているが、航空宇宙技術センターが完成すれば、この比率はさらに上昇するとみられる。
 英国の他の地域を見ると、プリマス、トーベイ、ブリストルの3都市では、小規模企業や新規事業が最大5,000ポンドの小額融資を受けられることになりそうだ。イングランド南西部を対象とする総額200万ポンドの基金創設を受けたもの。
 このマイクロクレジット基金は、同地域で起業文化を育てるための多角的アプローチの一環として導入されたビジネス支援策の1つで、ERDFが資金の一部を拠出する。同基金はまた、イングランド南西部向けERDF競争力・雇用実施計画の柱の1つである、より広範な都市産業プログラムにも深く関わっている。


スコットランドの地域再生に支援金

2010年07月20日 

 スコットランドで荒廃地域の再興に向けた5,000万ポンドの支援パッケージが確保された。
 資金は欧州投資銀行(EIB)の「都市部の持続可能な投資のための欧州共同支援(JESSICA)」イニシアチブを通じ、見捨てられた土地や崩れた建物の再生、公共交通機関の改善、環境に優しいエネルギーによる熱供給システム、グリーン住宅といった様々なプロジェクトに充てられる。これは都市再生企業に融資の形で提供され、プロジェクトが収益を上げた時点で返済する仕組みだ。プロジェクトが成功すれば、その利益は新たなプロジェクトに再投資され、常に循環を続ける理想的な基金となる。
 この基金は多くの雇用を創出すると期待されている。

【出典】スコットランド自治政府プレスリリース
http://www.scotland.gov.uk/News/Releases/2010/07/06103659
http://www.scotland.gov.uk/Topics/Built-Environment/regeneration


ウェールズ南部の観光振興にオフロード・サイクリングセンター

2010年07月20日 

 欧州連合(EU)の支援を受け、ウェールズ南部でアドベンチャー観光新興プロジェクトが始動する。
 目玉は英国で最も優れた「オフロード・サイクリングセンター・オブ・エクセレンス」の設立で、マーサーティドヴィルに世界をリードする商業サイクリングパークを作る。ウェールズ自治政府のアルン・フレッド・ジョーンズ国家遺産相によれば、これは全ウェールズを対象とするアドベンチャー観光新興イニシアチブの一環。同イニシアチブではいくつかの観光センターを設立する計画で、アウトドア活動向けに世界レベルの施設を提供していく。自治政府は観光経済の開発を主要課題の1つと見なしており、新たな施設がさらに多くの観光客を地元に呼び込むと期待している。
 ウェールズ観光サテライト勘定によると、2007年にはウェールズを訪れた観光客が総額42億ポンドを費やした。これにより、7万8,000人分の雇用が直接支えられた計算になる。

【出典】ユーロジャパンセンター


EU、イングランド北東部の発展を支援

2010年07月20日 

 このほど開催されたイベント「ERDF Investing in your Future」で、イングランド北東部では総額2億ポンド余りのEU資金のおかげで、これまでに2,700社近くの企業が新規設立されたことが分かった。
 過去12カ月間の代表例としては、ミドルズブラに建設された低炭素製造セクターを支援するための大型のイノベーション・技術支援施設が挙げられる。
 だが新連立政権下においては、同地域の将来は不透明だ。財務省は先に、EUによる支援プログラムを管理する北東イングランド経済開発公社(ワン・ノースイースト)に対し、財政難を理由にEU資金の使用を禁じた(EU資金はワン・ノースイーストが共同出資するプロジェクトにしか適用されない)。これは企業にとっては障害で、EU資金へのアクセスがますます困難になると恐れがある。

【出典】欧州議会プレスリリース
http://www.trade.uktradeinvest.gov.uk/export/countries/europe/northerneurope/sweden/localisation/112675.html


EU、アイルランドの地域に支援金

2010年07月20日 

 欧州議会は6月15日、リセッション(景気後退)の影響を最も強く受けた国の1つであるアイルランドに対し、「欧州グローバル化調整基金(EGAF)」から支援金を拠出することを承認した。
 EGAFは企業や団体を支援する他のEU基金とは異なり、経済のグローバル化で最も打撃を受けた地域の個人を助ける目的で設立された。支援パッケージはガラス製造部門で失職した労働者のうち、最も不利な立場にある598人に職業指導、起業支援、様々な訓練コースを提供し、必要に応じて手当を支給する。EUによる支援は投資を渇望するアイルランドの各地域にとり、重要な刺激になると目されている。

【出典】欧州議会プレスリリース
http://www.europarl.europa.eu/news/expert/infopress_page/034-75319-151-05-23-905-20100531IPR75296-31-05-2010-2010-false/default_en.htm


EU、「レジオスターズ」賞の受賞者発表

2010年07月01日 

 欧州委員会は5月20日、今年の「レジオスターズ(RegioStars)」賞の受賞者を発表した。レジオスターズ賞は、地域開発の優れた実践事例を特定し、EU結束政策の支援による最も革新的なプロジェクトを表彰する年次イベント。
 6つの賞は大きく3種類のテーマ(「シティスターズ(CityStars)」「情報通信」「情報通信技術(ICT)」)に分けられ、スウェーデン中東部のマイクロファイナンス・インスティチュートやドイツ・ブランデンブルク州による移動モニタリングの新ビジネスモデルなどが選ばれた。前者は、移住女性の融資へのアクセスを改善するプロジェクトで、後者は様々な地域パートナーの専門知識を利用し、従来の医療環境の枠外で心臓発作に苦しむ患者を監視・治療するテレメディスン(遠隔医療)プロジェクトである。これまでに100人以上の患者が恩恵を受けている。

【出典】 欧州委員会
http://ec.europa.eu/regional_policy/cooperation/interregional/ecochange/regiostars_en.cfm


EU、構造基金へのアクセス簡素化に向けた新規則採択

2010年07月01日 

 欧州連合(EU)の閣僚理事会は6月3日、EU構造基金へのアクセスを容易にするための規則を採択した。
 これにはエストニア、ラトビア、ルーマニアなど経済危機の影響を最も強く受けた加盟国の流動性確保に向けた措置に加え、非コミットメントのルールを簡素化し、特定の事業計画の資金吸収を改善する方策などが含まれる。いわゆる「自動非コミットメント・ルール」に基づき、EU基金を受け取ってから2年以内に使用しなかったプログラムは、欧州委員会に資金を返却しなければならない。ただし、自動非コミットメントの期限は2007年度の歳出権限ベース予算額(commitment appropriations)には適用されない。2007年度の歳出権限は6分の1ずつに分けられ、それぞれ2008〜2013年の各年の予算割当に上乗せされる。これにより、加盟各国は合わせて約2億2,000万ユーロの資金を失わずに済む。うち900万ユーロは英国、600万ユーロはドイツ、400万ユーロはオランダに分配される。
 これら方策により、EU基金の域内経済への影響力が強まる見込み。

【出典】 欧州連合理事会プレスリリース
http://www.consilium.europa.eu/uedocs/NewsWord/en/ecofin/114860.doc


EU、オランダのバイオプロセス・プラントに投資

2010年07月01日 

 EU欧州地域開発基金(ERDF)、オランダの農業・自然・食品安全省と経済省、ロッテルダム、デルフト、ハーグの各地方自治体が、デルフトの新たな「バイオプロセス・パイロット施設」に総額1億ユーロ余りを共同投資する計画が、このほど発表された。
 この施設は研究機関、産業界、大学によるコンソーシアムBe-Basicが運営し、新規バイオプロセスの工業的スケールアップを目指してバイオマスエネルギー生産の実証試験を行う。規模においても、また全ての参加希望者に開放される点でも、世界で類を見ないものとなりそうだ。さらに、研究者、学生、技術者が訓練を受けられるセンター・オブ・エクセレンスとしても機能する予定。
 同施設を通じ、オランダはバイオガス経済の開発で先駆者になると期待されている。

【出典】 “BE-Basic Bioprocess Pilot Facility makes sustainable economy possible”, Be-Basic, 28 May 2010
http://www.be-basic.org/PilotFacility.html


欧州の1,600都市、未使用基金を気候変動対策に活用可能か

2010年05月20日 

 欧州連合(EU)の「市長誓約(Covenant of Mayors)」に参加する約1,600都市が、欧州経済復興パッケージ助成の未使用額1億1,500万ユーロを、地域・都市向けのエネルギー効率化・持続可能なエネルギー開発プロジェクトに充てることが認められそうだ。バローゾ欧州委員長が明らかにしたもので、本来小規模な年間1,500万ユーロの予算に、大きく上乗せされることになる。
 市長誓約は、2020年までに二酸化炭素(CO2)排出量を20%削減する欧州連合(EU)の目標を上回る取り組みを、各都市のリーダーたちが約束するもの。例えばスコットランド第2の都市グラスゴーは、向こう10年で30%の排出削減を目指している。
 未使用額を実際に他の目的に使えるようにするには、まず承認が必要となるが、市長らは概ね今回の提案を歓迎。この資金は2010年末までに使い切らなければならないため、欧州委員会の迅速な対応を求めている。

【出典】ユーロジャパンセンター


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