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カテゴリー別アーカイブ: EUの地方自治情報メモ

北アとアイルランドで国境を越えた交通安全プロジェクトが始動

2010年11月19日 

 英領北アイルランドとアイルランドの境界地帯の田舎道で、交通事故による死者・けが人を減らすためのプロジェクトが、11月初めに始まった。このプロジェクトは、英国とアイルランドの様々な団体が参加し、両国にとり最も大きな課題の1つである道路交通安全問題に対処するもの。
 具体的には、現場での救出作業、車両安定化、負傷者の取り扱いの基準向上に向けた双方の消防隊員の訓練・装備に投資するほか、若者やその家族を教育し、情報を共有していく。一連の取り組みを通じて、若者が自らの運転習慣や態度に意識を向けることを狙う。
 資金は、英国・アイルランドのスペシャルEUプログラム・ボディー(SEUPB)が運営する「INTERREG (国境を越えた地域間協力の促進を目的とする戦略的プログラム)IVA」を通じ、EUの「欧州地域開発基金(ERDF)」から拠出される。

【出典】
-“New Cross Border Road Safety Initiative Launched on the 8th of September”, UK Government News, 9 November 2010
-“Minister Michael McGimpsey welcomed the new cross border road safety initiative being launched today in Dublin”, Northern Ireland Executive, 8 November 2010
http://www.northernireland.gov.uk/news/news-dhssps/news-dhssps-08112010-driving-change-new.htm


英国セントヘレンズで、欧州初のLED街灯を試験導入

2010年11月19日 

 イングランド北西部の町セントヘレンズで、欧州で初めてLED(発光ダイオード)街灯が試験導入される。LED灯は従来の白熱灯と比べ、同じ明るさでも消費電力が約7割も少なく、同自治体の二酸化炭素(CO2)排出量と、年間150万ポンドに上る電力料金を減らすものと期待されている。
 この試みは、2009年に始動したBLISS(Better Lighting in Sustainable Streets)プロジェクトに基づき、ベルギー、ドイツ、オランダの諸都市との提携で行われる。BLISSは街灯、道路照明灯、公共スペースの照明に使われるエネルギーの量をいかに削減できるかを模索するのが目的で、5年間の予算は総額720万ユーロ。うち一部をEUが拠出する。
 プロジェクトの成果は2014年に発表される予定。事故や犯罪、社会的妥当性といった面での考慮をおろそかにせずに、エネルギー費用を抑え、最もコスト効率の高い方法を自治体が選べるよう、設計指針を作成することも検討されている。

【出典】ユーロジャパンセンター


英政府、地域開発公社の廃止発表

2010年10月20日 

 英国の新連立政権は、2012年までにイングランドの地域開発公社(RDA)を廃止する方針だ。歳出削減の一環で、23億ポンドのコスト節減につながる見込み。
 RDAの機能の一部はローカル・エンタープライズ・パートナーシップ(LEP)に移管され、欧州連合(EU)の「欧州地域開発基金(ERDF)」の分配も主にLEPが担当することになる。LEPの具体的な役割は年内に発表される白書で明らかにされるが、地方自治体と地元企業による提携の形を取るとみられ、商工会議所が窓口になる可能性もある。多くのビジネス団体、連盟、機関は現在、RDAの補助金に依存しており、新たなLEPからも同等の助成条件を求めることが予想される。RDAはこれまで、運営のまずさや民主的な説明責任の欠如が批判の的となってきた。英政府はRDAが管理していた1997〜2006年向けERDF予算の配分の不正確さをめぐり、EUから罰金を科された経緯がある。欧州委員会のスポークスマンは新たなERDFの分配制度について、資金が拠出される前に地域政策総局が目を通す必要があるだろうとの見解を示した。

【出典】 英政府及び社会的企業イーストミッドランズ(SEEM)
http://www.communities.gov.uk/documents/localgovernment/pdf/1626854.pdf
http://www.seem.uk.net/home/newsdata/seem/139


EU基金、英国とフィンランドのブロードバンド・プロジェクトを支援

2010年10月20日 

 農村地域における2件の大規模なブロードバンド(高速大容量)敷設プロジェクトに、EUの「欧州地域開発基金(ERDF)」が貢献した。
 1つはフィンランド南東部ペルトゥンマー(Pertunmaa)の案件で、ERDFは資金の44%を拠出する。これは全世帯にブロードバンドを普及させる国家プロジェクトの第1弾で、南サヴォ県が主導。データ転送速度は100メガビット毎秒に上り、ネットワーク設計を手掛けるエルテルネットワークス(Eltel Networks)が敷設契約を獲得した。もう1つは、イングランド南西部コーンウォール州とその沖合にあるシリー諸島での同様のスキーム。ERDFの負担は40%余りで、ネットワーク展開は通信大手BTグループが担当する。両プロジェクトの主な違いは、ペルトゥンマーの場合は自治体が残りの資金を拠出するのに対し、コーンウォールの案件はBTが残りを負担する点。後者は新連立政権の狙い通り、ブロードバンド環境提供のコスト負担を国家から民間に移すことになる。これら2つのイニシアチブは、ビジネス競争力を向上させ、雇用機会を創出するほか、移動の必要性を減らすことで低炭素化に貢献すると期待されている。

【出典】
– BTのプレスリリース(2010年9月30日)
– エルテルネットワークスのプレスリリース(2010年9月16日)
http://www.btplc.com/News/Articles/Showarticle.cfm?ArticleID=09E09367-DD85-4A73-A08A-B455F68A39A8
http://www.eltelnetworks.com/Main.aspx?ID=240F4D28-12F8-4356-84ED-24CD4C9C749C


EU基金、中欧のバイオガス研究プロジェクトを支援

2010年10月20日 

 「持続可能で革新的な欧州バイオガス環境(Sustainable and Innovative European Biogas Environment=SEBE)」は技術・規制研究を通じ、有効な再生可能エネルギー源としてのバイオガスの可能性を中欧全域で追求するプロジェクト。
 拠点はオーストリアのシュタイアーマルク州にあるが、チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロベニア、スロバキアの地域にも広げることを目指している。EUはこれを支援するため、「欧州地域開発基金(ERDF)」から260万ユーロの拠出を決定した。このプロジェクトの目的は、教育、訓練、ネットワークリソースを提供することにもある。現在、研究者の大半はドイツとオーストリアの研究機関に籍を置いているものの、SEBEは国境を越えたコンピテンシーセンターを次々と設立することで、これを拡大したい考えだ。

【出典】欧州委員会研究情報センター
http://ec.europa.eu/research/infocentre/article_en.cfm?id=/research/headlines/news/article_10_09_13_en.html&item=Infocentre&artid=17853


将来の結束政策―地域助成の危機

2010年10月20日 

 欧州委員会は11月、EU予算の見直しに伴う結束レポートを公表する。2011年1月にはEU加盟国向けに結束フォーラムを開催する予定だ。
 2014年にはドイツのブランデンブルク州、ノルトライン・ウェストファーレン州、メクレンブルク・フォアポンメルン州、ケムニッツ、ドレスデン、テューリンゲン州、ザクセン・アンハルト州、英国のコーンウォール州・シリー諸島など、域内の20地域が結束基金をカットされる恐れがある。これは、同基金が1人当たり国内総生産(GDP)がEU平均の75%未満の地域を対象とするため。こうした地域にとっては、数十億ユーロ規模の支援を失うことを意味する。こうしたことから、該当地域は2014~2020年予算で移行制度を設けることを求めている。ただ金融危機により、もはや単純に移行制度を導入するというわけにはいかなくなった。代わりに、欧州委では資金配分において地域政策と分野政策のどちらかを重視すべきかで意見が割れている。地域の代弁者らは、突然の助成中止は現在進行中のプロジェクトを危機に陥れ、長期的な計画を立てることができないとして、強く反発。例えばザクセン・アンハルト州の場合、移行制度がないと資金の3分の2を失うことになる。移行資金があれば、経済的に遅れた地域の発展を維持することができるが、一方でこれら資金をどのような根拠で配分すべきかという問題も、11月の結束レポートで回答が待たれるところだ。

【出典】2013年以降のEU結束・地域政策に関する欧州議会決議
http://www.europarl.europa.eu/sides/getDoc.do?pubRef=-//EP//TEXT+TA+P7-TA-2010-0356+0+DOC+XML+V0//EN&language=EN


EU、英国初の波力発電プロジェクトを支援

2010年09月20日 

 イングランド南西部コーンウォールの沖合16キロの海域で、英国初の波力発電基地「ウェーブハブ(WaveHub)」が設置された。出力は20メガワットと、この種の施設としては世界最大規模。
 この施設は南西イングランド地域開発公社(SWRDA)と地場企業2社によって開発され、資金は地域当局、英政府、欧州連合(EU)が共同で拠出。米オーシャンパワー・テクノロジーズ(OPT)をはじめ、国内外の企業にまず5年間リースされる予定になっており、海底ケーブルで送電し、陸上の電力網に系統連係される。波力発電市場は2050年までに20億ポンドに拡大し、2040年までに1万6,000人の雇用を創出すると見込まれるため、このプロジェクトは英産業界にとり非常に大きなチャンスになると考えられている。また、イングランド南西部はこれを通じ、グリーン産業の専門センターとしての地位を確立できることになる。

【出典】
プロジェクトに関する南西イングランド地域開発公社とコンバージェンス・プログラムからの情報
http://www.southwestrda.org.uk/working_for_the_region/key_sw_projects/cornwall__the_isles_of_scilly/wave_hub.aspx
http://www.convergencecornwall.com/convergence-investments/wave-hub-development-costs-south-west-regional-development-agency.php


ヨークシャー・ハンバー地方で企業への資金援助可能に

2010年09月20日 

 欧州投資銀行(EIB)がベンチャーキャピタル・貸付基金「ファイナンス・ヨークシャー」への共同拠出を決めたことで、地元企業への様々な融資や投資が可能になった。
 9,000万ポンドの同基金は今年3月に設立されたが、必要な資金が十分に集まらず、運営が開始されていなかった。援助額は1社当たり1万5,000~200万ポンドで、中小企業にシードコーン(研究助成)、融資、出資の形で投資。これにより、開発や買収が可能になる。投資は2014年までの4年間にわたり行われるが、ファイナンス・ヨークシャーはその時点で投資が成功しており、2019年までに5,000万ポンドのエバーグリーン(利益再投資型)ファンドが実現すると期待している。この基金を通じ、6,000人近くの雇用が創出・維持され、ヨークシャー経済に6億200万ポンドの総付加価値(GVA)をもたらす見込み。

【出典】
ファイナンス・ヨークシャーのウェブサイト
http://www.finance-yorkshire.com/about /


スウェーデンでユニークなEU基金のコンサルサービス

2010年09月20日 

 「ウエストスウェーデン・EUプロジェクト・アナリシス・サービス」と呼ばれるコンサルティングサービスが始動した。
 ウエストスウェーデンは1992年、同国西部の3地方(ハッランド、ヴェルムランド、ヴェストラ・イェータランド)を代表する組織として設立され、EU加盟による機会を最大限に活用し、地元・地域の開発を支援する目的を持つ。同サービスは、ウエストスウェーデンが地方自治体と膝を突き合わせてアドバイスするもので、地域の優先順位やニーズに基づき、あらゆる資金援助の選択肢を評価する。成功例の1つが、最初のテストケースとなったヴェルムランド地方のアルヴィカ(Arvika)。ウエストスウェーデンは、同市がEU基金を使って25地域を開発したいことを確認した上で、これらを分析し、改めて優先順位を付けた。その結果、申請されたプロジェクトのうち3つが承認され、総額26万ユーロを受け取ることになった。
 このモデルはEUの他の地域からも既に注目を集めており、EU全体で模倣される可能性もある。

【出典】
ウエストスウェーデンのプレゼンテーション
http://www.westsweden.se/fileadmin/mediabank/www.westsweden.se/resources/Presentationer/Presentation_-_ENGELSKA.pdf


北アイルランド、農林業者向けバイオマスエネルギー基金立ち上げ

2010年08月20日 

 北アイルランド農業農村地域開発省はこの夏、「バイオマス加工チャレンジ基金」を立ち上げた。欧州連合(EU)の持続可能な競争力強化プログラムの一環として、資金の一部は「欧州地域開発基金(ERDF)」から拠出される。
 この基金は農林業者に対し、バイオマス燃料を用いた小型の再生可能エネルギー生産装置の設置を奨励するのが目的で、基本的に農業・林業活動に役立てるものとする。農業廃棄物や他のバイオマス素材の加工を通じて事業効率と環境持続可能性を向上させるため、様々な技術や方式の購入を支援していく。支援は必要な資金と設置コストに対する金銭的援助の形で行われ、適格コストの最大4割相当、プロジェクト当たり最高40万ユーロの助成金が支払われる。支援の対象となるプロジェクトの選定は競争ベースで行われる。

【出典】北アイルランド農業農村地域開発省
http://www.dardni.gov.uk/index/grants-and-funding/biomass-processing-challenge-fund/biomass_processing_challenge_fund-draft_brochure.htm


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