欧州委員会は加盟各国および各地域に対し、低炭素経済への移行を加速するため、持続可能な成長の促進を目的としたプロジェクトへの結束基金の活用を要請した。
同委員会は、気候、エネルギー、環境問題への対処を支える行動を通じて賢く持続可能な成長に投資することで変化を促すには、地域政策が重要な役割を果たすと主張。地域や都市はエネルギー効率、建築物、再生可能エネルギー、クリーンな交通への投資に注力すべきだとしている。
このように奨励する背景には、地域向け資金のうち、比較的小さい割合しか持続可能な成長に特に影響を与える活動に振り向けられていない現状がある。2007〜2013年予算では、総額3,440億ユーロの地域向け資金の約3割が持続可能活動に充てられているが、2009年末時点でこの持続可能な成長向け資金から具体的なプロジェクトに割り当てられたのは22%にすぎない。中でも、エネルギー関連と環境プログラムへの投資が平均を下回っている。ただ状況は加盟国間で大きく異なり、ベルギーが持続可能な成長を促すプロジェクト向けに確保してある資金の80%超、アイルランドとルクセンブルクも70%以上を使っている一方、ギリシャとポルトガルは10%に満たない。
【出典】 “Communication from the Commission to the European Parliament, the Council, The European Economic and Social Committee and the Committee of the Regions – Regional Policy contributing to sustainable growth in Europe 2020” 26 January 2011
http://ec.europa.eu/regional_policy/sources/docoffic/official/communic/sustainable/comm2011_17_en.pdf