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カテゴリー別アーカイブ: EUの地方自治情報メモ

欧州委員会、持続可能な開発プロジェクトへの結束基金活用を奨励

2011年02月18日 

 欧州委員会は加盟各国および各地域に対し、低炭素経済への移行を加速するため、持続可能な成長の促進を目的としたプロジェクトへの結束基金の活用を要請した。
 同委員会は、気候、エネルギー、環境問題への対処を支える行動を通じて賢く持続可能な成長に投資することで変化を促すには、地域政策が重要な役割を果たすと主張。地域や都市はエネルギー効率、建築物、再生可能エネルギー、クリーンな交通への投資に注力すべきだとしている。
 このように奨励する背景には、地域向け資金のうち、比較的小さい割合しか持続可能な成長に特に影響を与える活動に振り向けられていない現状がある。2007〜2013年予算では、総額3,440億ユーロの地域向け資金の約3割が持続可能活動に充てられているが、2009年末時点でこの持続可能な成長向け資金から具体的なプロジェクトに割り当てられたのは22%にすぎない。中でも、エネルギー関連と環境プログラムへの投資が平均を下回っている。ただ状況は加盟国間で大きく異なり、ベルギーが持続可能な成長を促すプロジェクト向けに確保してある資金の80%超、アイルランドとルクセンブルクも70%以上を使っている一方、ギリシャとポルトガルは10%に満たない。

【出典】 “Communication from the Commission to the European Parliament, the Council, The European Economic and Social Committee and the Committee of the Regions – Regional Policy contributing to sustainable growth in Europe 2020” 26 January 2011
http://ec.europa.eu/regional_policy/sources/docoffic/official/communic/sustainable/comm2011_17_en.pdf


ウェールズ、欧州で最も持続可能な地域と評価

2011年02月18日 

 欧州委員会は毎年、持続可能性を促進する同委員会の方針に適合するプロジェクトを実施したと見なされる地域を表彰している。2011年1月31日にはウェールズが、賢く、持続可能で、包括的な成長に向けた欧州2020年戦略に沿ったプロジェクトを成功裏に実行したとして、「Regions of Excellence」賞を受賞した。
 ウェールズは、中小企業支援イニシアティブ「JEREMIE」と「都市部の持続可能な投資のための欧州共同支援(JESSICA)」の両スキームを通じ、中小企業に資金を提供して成長を促したほか、コミュニティーの再生支援に向け投資を行い、持続可能な投資にEU基金を活用する手法を主導したと評価された。特に注目を集めた他の2件のプロジェクトは、エネルギー効率向上や売り上げ拡大に寄与する新製品・技術の開発に印刷をどう活用できるかを企業に示す、スウォンジー大学の「DIPLE(デジタル、産業、包装、スリム化、環境)印刷技術」プロジェクトと、ブリッジ・マリーン・サイエンス・グループ(Bridge Marine Science Group)による「環境海洋科学における成長(GEMS:Growth in Environmental Marine Sciences)」プロジェクトである。
 2007年以来、EU基金はウェールズ全体で29億ポンド余りを投じて208件のプロジェクトを支援し、2万2,000人の雇用創出に貢献してきた。

【出典】 “EU Funds – Another Award for Wales!”, Welch European Funding Office, Monday 31 January 2011
http://wales.gov.uk/newsroom/firstminister/2011/110131euawards/?lang=en&ts=3


欧州委員会、EU基金割り当て制度の見直しに意欲

2011年02月18日 

 欧州委員会は人口1人当たり域内総生産(GDP)がEU平均の75~90%である中間カテゴリーを新たに設けることによって、EU基金の割り当て制度を見直したい考えだ。
 現行制度では、EU資金を受け取る際の地域区分として、人口1人当たりGDPがEU平均の75%未満と定義される最貧地域(「収れん」地域)と、残りの「競争的」地域の2種類が存在する。
 欧州委によると、平均より貧しいものの、「収れん」地域と見なされるほど貧しくない地域向けに第3のカテゴリーを設けることで、より公平でバランスが取れ、かつ透明な制度が実現する。これら地域は「収れん」地域と「競争的」地域の中間の金額を受け取ることになるという。
 フランスの7地域、スペイン、イタリア、ギリシャの各4地域、旧東ドイツ地域全体、フィンランド東部、スコットランド北部、イングランドの最貧地域が新たなカテゴリーの対象となる見込み。
 この提案は、現在行われているEU地域政策の未来に関する協議の根幹を成す。欧州委はこの新地域カテゴリーに追加資金を割り当てることについて、加盟各国を説得する必要があるが、現時点ではドイツとスウェーデンが支援に後ろ向きな姿勢を示している。


スコットランドで高エネルギー効率の「水素オフイス」開設

2011年01月20日 

 スコットランド東部ファイフの町メシル(Methil)にあるエネルギー・パーク内で1月18日、自家発電設備を持つ「水素オフイス(Hydrogen Office)」がオープンした。この施設は北海沖の新たな洋上風力発電所の近くに位置し、出力750キロワットの風力タービンと10キロワットの燃料電池を組み合わせた水素エネルギーシステムを有する。
 風力タービンによって発生した電力を強力な燃料電池に蓄え、無風の日にこれを放出する仕組みだ。
 水素オフイスはスコットランド開発公社、欧州連合(EU)の欧州地域開発基金(ERDF)、ファイフ自治体、スコットランド自治政府、アルシェラ・インベストメンツ(Alsherra Investments Ltd.)、非営利団体のエナジー・セービング・トラストの共同開発により、470万ポンドを投じて完成した。敷地面積54万2,000平方メートルのメシル・ドックス・ビジネスパークのエネルギー需要を満たすだけでなく、周辺の家庭の家電や自動車にも電力を供給できるようになる見込み。

【出典】水素オフイスのウェブサイト
http://www.hydrogenoffice.com


ロジスティクスのグリーン化助言で800万ポンドの新規契約

2011年01月20日 

 イングランド北東部サンダーランドを拠点とする団体グロース・ロジスティクス2(Growth Logistics 2)は1月8日、顧客企業に対し、総額800万ポンドの新規契約を獲得する手助けを行ったと発表した。
 このプロジェクトは地元企業がロジスティクス活動の環境適合性を改善できるよう無料でアドバイスを提供するもので、ワン・ノースイースト(北東イングランド経済開発公社)と欧州地域開発基金(ERDF)2007〜13年予算から資金が拠出されている。
 加えて同プロジェクトにより、40人の新規雇用が創出され、企業に総額150万ポンドの経費削減をもたらした。1月12日の一般公開日には、顧客であるスノーケル(Snorkel)、コタム・ブラッシュ(Cottam Brush)、ウェシントン・クライオジェニックス(Wessington Cryogenics)の3社がグロース・ロジスティクス2が提供するベネフィットや知識について説明を行った。

【出典】 Growth Logistics 2
http://www.growthlogistics2.co.uk/


イングランド南西部、中小企業の財務知識改善へ

2011年01月20日 

 イングランド南西部でこのほど、資金調達に苦慮する中小企業オーナーに必要な知識を伝授するプログラムが始動したことが明らかになった。
 「Understanding Finance for Business」と称するこのプロジェクトは欧州地域開発基金(ERDF)の支援の下、GWE ビジネス・ウエスト(GWE Business West)が運営。企業に財務指南や最低12時間の支援を行い、取り得るあらゆる選択肢について理解を促すほか、オーナーが資金を調達する上で直面する問題の解決策を提供する。GWE ビジネス・ウエストが実施した調査によると、同地域の企業の30%は資金調達の難しさを、成長を阻害する最大の要因と見なしている。
 この新たなイニシアチブは、地元企業から大いに歓迎されている。

【出典】GWEビジネス・ウエストのウェブサイト
http://www.gwebusinesswest.co.uk/


イングランド東部のEV充電ポイント設置計画、補助金獲得で弾み

2010年12月20日 

 電気自動車(EV)の開発・普及で、イングランド東部が英国をリードしそうだ。
 充電インフラ整備を推進する政府の「プラグドイン・プレイシズ(Plugged-In Places)」プログラム を通じ、最大290万ポンドの補助金を獲得したためで、東イングランド開発公社(EEDA)、EUの欧州地域開発基金(ERDF)、その他の民間・公共団体を含むパートナーからの資金を合わせると、総額予算は700万ポンドとなる。
 イングランド東部の「EValu8(エヴァリュエイト)」プロジェクトは、同地域の1,200カ所にスマート充電ポイントの設置を目指すもので、2011年春から着手の予定。究極の目標は2013年末までに、同地域の全ての地元企業と住民から25マイル以内の場所に、充電ポイントが存在するようになることだという。
 イングランド東部の企業や大学は、既に次世代自動車の研究開発に携わっているため、今回の発表は地元から歓迎されている。次世代のEV、部品、サービスを実際に試すいい機会となることだろう。

【出典】イングランド東部のウェブサイト
http://www.eastofengland.uk.com/business
http://www.futuretransport.co.uk/news-and-events/news.aspx


バルト海地域で環境保護プロジェクト

2010年12月20日 

 欧州委員会は先ごろ、バルト海地域の環境保護に向け、2,000万ユーロを拠出する方針を明らかにした。バルト海に広がっている危険物質や富栄養化などの緊急問題に対処するためで、周辺のEU加盟国およびロシアの自治体・地域当局、非国家主体が支援を受けられる。

 「バルト海地域戦略」は、ロシアなど近隣諸国を含む「マクロ地域」レベルのものとして1年前(2009年10月)に採択された初めてのEU戦略で、既に多くの成果が表れている。この戦略は、専用の基金を持たない代わりに、国境を越えた合同プロジェクトのほか、各国・地域の政府、欧州委員会、他のEU諸機関、汎バルト海団体、金融機関、NGOによる共同行動のための包括的な枠組みを提供する。この枠組みにより、農業活動や船舶からの汚染削減を通じたバルト海の浄化など、数多くの環境保護プロジェクトが実行に移されている。

【出典】欧州委員会プレスリリース
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/10/1613&type=HTML


EU、ドナウ地域発展に向けた戦略採択

2010年12月20日 

 「EU・ドナウ地域戦略」が12月8日に採択され、同地域はバルト海地域に続き、EUで2番目の「マクロ地域」となった。同戦略は報告書および行動計画から成り、以下のような目標を定めている:

• 同地域に住む全てのEU市民が2013年までに高速ブロードバンドに接続できる
• ドナウ川の貨物輸送量を2020年までに20%増やす
• ドナウ川のチョウザメの数を2020年までに安定的なレベルに引き上げる
• 黒海の生態系を2020年までに1960年代の水準に再生する

 戦略の対象となる分野としては、他に運輸、社会経済活動(ドナウ川の船舶の近代化、共同研究センターの設立、マクロ地域への観光誘致)、環境(排水処理施設の建設)などが挙げられる。この戦略用に直接的な支援金が追加拠出されることはないが、欧州地域開発基金(ERDF)、結束基金、欧州社会基金(ESF)から既に割り当てられている計1,000億ユーロの資金をより多く活用できるようになる見込み。欧州投資銀行(EIB)と欧州復興開発銀行(EBRD)からの助成金や融資も期待できる。この戦略は、マクロ地域政策を通じて現地の問題に対処しようという動きの一環だが、新たな課題はドナウ地域14カ国のうち6カ国がEU加盟国ではない点にある。

【出典】 欧州委員会のドナウ地域戦略のページ
http://ec.europa.eu/regional_policy/cooperation/danube/index_en.htm


欧州委員会、ウェールズの支援方法を見直し

2010年11月19日 

 欧州委員会は11月10日、ウェールズ各地域の支援方法を見直す提案を行った。この報告書は、EUによる2014年以降の助成方針に関わるもので、都市部での支出制限を緩和する内容。
 これにより、カーディフ、スウォンジー、ニューポート、レクサムといったウェールズの都市が、新たに続々とEU資金を受ける資格を得ることになる見込みである。報告書はまた、ウェールズの最も貧しい地域への支援金が干上がるのでは、という懸念を打ち消したほか、EU資金が直接地域に提供される代わりに、英政府に管理されるようになる可能性は低いことを示唆した。欧州委員会は2011年半ばまでに、2014〜20年のEU予算を正式に提案する予定で、その後、欧州理事会および欧州議会との話し合いが行われる。
 EUの共同拠出プログラムの下で、これまで資金を受けることができなかった都市を支援することは、ウェールズ経済強化に向けた戦略的手法を後押しする上で、欠かせないとみられている。

【出典】
11月発表の欧州委員会報告書
http://ec.europa.eu/regional_policy/sources/docoffic/official/reports/cohesion5/index_en.cfm


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