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カテゴリー別アーカイブ: EUの地方自治情報メモ

欧州委、エネルギー効率の優先化主張

2011年05月13日 

 欧州委員会のヘデゴー気候変動担当委員は4月、欧州全域の地方政府に対し、エネルギー効率化の「優先度を高め」、EU予算を省エネルギー対策のてこ入れに活用すべきとの見解を示した。構造・結束基金をビルの改修やパイプラインの修復といった措置に投じる必要があるとしている。
 同じく4月には、地域・地方自治体の集まりである欧州地域総会(Assembly of European Regions)が報告書を発表、地域におけるエネルギープロジェクトへの投資の重要性が浮き彫りになった。それによると、既に以下のような資金供給体制が整っている:
―「e5」プロジェクト:オーストリア・ニーダーエスターライヒ州のこのプロジェクトは、エネルギー効率表示制度を通じて自治体間の競争を促すことにより、いかに効果的に持続可能性を促進できるかを示す。
―グリーン・イノベーション2011コール:ウィーン地域は、目に見える形での環境への好影響が期待できるプロジェクトを支援する考えに基づき、プロジェクトの募集を取り仕切っている。プロジェクト募集の主な適格基準としては、再生可能エネルギー源の総動員、エネルギー効率の改善が挙げられる。

出典:
-“Europe’s energy future is not only about energy efficiency, it’s also about ‘Efficient Energy’”, Assembly of European Regions, 14 April 2011
http://www.aer.eu/en/news/2011/2011041401.html
-“How do European Regions invest for green growth?”, Assembly of European Regions, 12 April 2011
http://www.aer.eu/en/news/2011/2011041202.html
-“Regional Investments in Energy Projects Assembly of European Regions”, Assembly of European Regions, April 2011
http://www.aer.eu/fileadmin/user_upload/Commissions/RegionalPolicies/EventsAndMeetings/2011/energy_days/EN-Report-Energy_investment-8.04.2011.pdf


地域委員会、欧州委の結束報告書に関する見解表明

2011年05月13日 

 EUの地域委員会(CoR)は4月、EU構造基金の改革案を盛り込んだ欧州委員会の「2010年11月第5結束報告書(November 2010 Fifth cohesion report)」 に関する公式見解を採択した。CoRは多くの面で、欧州委とは異なる意見を提示している。

具体的には:
―EUの財政規律を破った加盟国への地域支援凍結には断固反対。中央政府の失策により、地方・地域自治体が不利な立場に置かれるのはおかしい。
―GDP以外に、領域、社会、環境面での発展指標を追加的な基準として導入するよう提案。
―利用可能な資金を細かい強制的な優先事項に振り向けることには反対。優先事項はその地域の長所・短所に基づき、地域レベル定義すべき。
―地方・地域自治体間の協力には、一層の技術支援が必要。
―GDPがEU平均の75~90%である地域向けに、「中間の」資金供給カテゴリー創設を提案。

出典:
– “Committee of the Regions presents proposals for future cohesion policy”, Committee of the Regions, 1 April 2011
http://www.cor.europa.eu/pages/PressTemplate.aspx?view=detail&id=b0a92bb4-7fbd-4cea-aade-1cf0a26429aa


英国の地方自治体、ごみ収集の頻度増加を拒否

2011年05月13日 

 英国のコミュニティ・地方自治相は昨年、監査委員会に地方自治体のごみ収集に関するガイダンスを廃止するよう命じた。
 自治体にはそれまで、ごみ収集の頻度を減らす権限が与えられていた。ところが、プレス・アソシエーションの最新調査によると、半数以上の自治体が2週間に1回しか収集しておらず、そのいずれも頻度増加を検討していないことが判明。主な理由は、隔週の収集によりリサイクルや節約が促されるというものだ。例えばカークリーズ(Kirklees)の自治体は、ある週は一般ごみと台所ごみ、次の週はリサイクルごみというように交代制を採用している。広報担当者は現行制度は効果的で、リサイクル率の向上と埋め立てごみの削減につながっていると主張している。
 自治体はまた、一層のコスト削減に向けごみを減らす方針。例えば、ウエストミッドランズの32自治体は4カ月にわたり、「Love Food, Hate Waste」 と呼ばれるキャンペーンを共同で展開。購入した食品をもっと大切にし、埋め立てごみを減らし、節約に努めるよう市民に呼び掛けている。

出典:
-“Get ready for some extra pounds in your pocket this spring!”, Worcestershire County Council, 26 March 2011
http://www.worcestershire.gov.uk/cms/communications/features/lfhw.aspx


EU地域委員会、内務めぐり地方自治体への適切な資金援助求める

2011年04月20日 

 EU地域委員会(Committee of the Regions: CoR)はブリュッセルで開催された「内務をめぐるEU資金援助の未来:新たな視点(The Future of EU Funding for Home Affairs: A fresh look)」と呼ばれる会議で、移民の統合、亡命者、難民、国際保護下にある人々の受け入れに関する行動において、欧州の地方・地域自治体が果たす役割の重要性を説いた。
 またCoRは参加者に対し、地方・地域自治体がこれら任務を遂行するには、適切な資金援助が必要であることを改めて強調した。
 欧州委員会のマルムストロム内務担当委員はCoRの見解を支持しているとみられ、「今や加盟国レベルでの受け入れ強化から離れ、第三国国民の統合を地方レベルで促進する目的で特別に設計された戦略に、もっと的を絞って支援する方向に転換するときだ。これら戦略は主に地方・地域の自治体や非国家主体によって実行され、様々な方策から個々の状況に最適なものを選ぶことになるだろう」と指摘した。しかし欧州委員会は、これ以外の行動は採択していない。

出典:
– “CoR President Mercedes Bresso pledges for increased role of municipalities and regions in EU Home Affairs”, Committee of the Regions, 8 April 2011
http://www.cor.europa.eu/pages/PressTemplate.aspx?view=detail&id=f2128041-2a37-412d-bfad-bcaa92dad7e6


英政府、地域の経済成長に向け新たな経済特区設立

2011年04月20日 

 英国政府は2011年3月23日、地方の長期的な経済成長を促す目的で21カ所に新たなエンタープライズゾーン(経済特区)を設けると発表した。
 11カ所は既に指定されているが、残りについては競争入札を通じて決定される。11カ所のゾーンはバーミンガム&ソリハル、リーズ市地域、シェフィールド市地域、リバプール市地域、グレーターマンチェスター、グレーターブリストル、ティーズバレー、北東イングランド、ブラックカントリー、ダービー・ダービーシャー・ノッティンガム・ノッティンガムシャーの各ローカル・エンタープライズ・パートナーシップ(LEP)地域内のほか、ロンドン・ニューアム区のロイヤルドックスに設置される。
 新規エンタープライズゾーンには、プランニングのほか、法人税やビジネスレイトの税率設定などに関し、多大な権限が与えられる。具体的には、
1)現在の議会任期中にゾーンに転入した企業は統一事業税が100%免除(5年間で最大25万5,000ポンド相当)される。
2) LEP地域の経済優先事項を支援するため、ゾーン内で統一事業税の伸びを最低25年間維持し、LEP内の地方自治体間で分配する。
3)中央政府と地方自治体が開発し「大胆に簡素化」されたプランニング手法を各ゾーンに適用する。
4) 政府は全ゾーンに超高速ブロードバンドが行き渡るよう支援する、などが挙げられる。
 政府は英国全土でのスキーム導入に向け、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドと協議する予定。

出典:
– Budget 2011, HM Treasury
http://cdn.hm-treasury.gov.uk/2011budget_complete.pdf


INTERREG、スコットランド西部などでビジネス支援

2011年04月20日 

 EUの「INTERREG (国境を越えた地域間協力の促進を目的とする戦略的プログラム)IVA」(2007〜2013年)はこれまで、スコットランド西部、アイルランド国境地域、北アイルランドにおける様々なプロジェクトを支援してきた。同プログラムは、新たなビジネス機会を創出し競争力を高める国境を越えたプロジェクトに支援を提供するのが目的。
 最近では、これら3地域の共同プロジェクトである「Innovation for Competitive Enterprises(ICE)」に200万ユーロ超がEUから拠出された。同プロジェクトに参加する企業は3年にわたり、新製品・サービスの開発に関するアドバイスやガイダンスを受けることができる。
 INTERREG IVAを通じたビジネス支援としては他に、2-3世代にわたる家族経営企業に、事業継承問題への取り組みやイノベーション、成長、ビジネス競争力の向上の面で支援を提供する「Success through Succession」などが挙げられる。

出典:
– Glasgow Caledonian University
http://www.gcu.ac.uk/sts/abouttheprogramme/
– Caledonian Family Business Centre
http://www.familybusinesscentre.com/ice.html


欧州委員会、日本からの食品輸入管理を厳格化

2011年04月20日 

 EUは3 月末、福島第1原子力発電所からの放射能が生産に影響する恐れのある日本の一部地域から輸入される食品・飼料を対象に、管理体制を強化することを決定した。
 事故の影響を直接的に最も強く受けている4県を含む12都県(福島、群馬、茨城、栃木、宮城、山形、新潟、長野、山梨、埼玉、東京、千葉)で生産される全ての食品・飼料は、日本から出荷される前に検査が義務付けられ、EU内で無作為抽出検査が行われる。
 また、これら製品については、EUの許容水準の上限を超える放射性物質を含まないことを示す、日本の管轄当局が発行した証明書を添付しなければならない。こうした措置は毎月見直される。
 一部のEU加盟国は事故発生以来、独自の放射能汚染対策を実施している。例えばフランスは、同国南部の雨水と牛乳から放射性ヨウ素131が検出されたことを受け、3月11日以降に日本から輸入された全製品を検査している。

出典:
– “Food safety: the EU reinforces controls on imports from Japan”, European Commission, 24 March 2011
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/11/362&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
– “Questions and Answers: Safety of food products imported from Japan” European Commission, 1 April 2011)
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=MEMO/11/215&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en


ERDF、ストラスクライド大の技術イノベーションセンター設立を支援

2011年03月18日 

 スコットランドのグラスゴーで2011年3 月11日、ストラスクライド大学に技術イノベーションセンター(TIC)を設立する計画が発表された。プロジェクト費は8,900万ポンドで、うち690万ポンドは欧州地域開発基金(ERDF)からの助成金で賄われる。
 TICは電力/エネルギー、フォトニクス/センサー、先端工学、製薬、バイオナノ工学など、スコットランドの経済再生に不可欠と見なされている分野に力点を置く。また産学連携の中心として機能することが期待され、既にスコティッシュ・アンド・サザン・エナジー(SSE)やスコティッシュ・パワーなどのパートナーを得ている。
 TICはERDFに加え、スコットランド助成評議会(Scottish Funding Council)から1,500万ポンド、スコットランド開発公社(スコティッシュ・エンタープライズ)から1,100万ポンド、同大への欧州投資銀行(EIB)の融資枠から5,700万ポンドの資金を得た。同プロジェクトは、グラスゴーを再生可能エネルギー(中でも海洋エネルギー)の研究センターに育てることを目指すスコットランドの新たなイニシアティブ「国際技術・再生可能エネルギー区(ITREZ :International Technology and Renewable Energy Zone)」の重要な部分を占めるとみられている。TICでは850人の雇用創出が見込まれている。

【出典】
– “University unveils plans for £89 million technology and innovation centre”, Strathclyde University press release, 11 March 2011
http://www.strath.ac.uk/press/newsreleases/headline_364116_en.html


ERDF、東スコットランドの雇用創出に貢献

2011年03月18日 

 ERDFはこのほど、東スコットランド投資基金(ESIF:East of Scotland Investment Fund)に180万ポンドの資金を提供した。
 ESIFは、既存・新規の中小企業に総額500万ポンドの融資を行うのが目的。各社は5万ポンドまでの借り入れが可能で、設立または事業拡大コストの最大半分を賄うことができる。同基金を通じ、向こう5年間で最大1,000人の雇用が創出される見込みだ。
 ESIFは2010年、金融大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)によって設立された。同行は初期資金として150万ポンドを拠出、残りの170万ポンドは9つの地元自治体(アンガス、ダンディー、エディンバラ、フォーカーク、ファイフ、ミッドロージアン、マレー、パース&キンロス、ウエストロージアン)が提供した。スコットランド自治政府のジム・マザー企業・エネルギー・観光相は3月14日、同基金の運用開始を宣言している。なお、スコットランドの西岸でも過去14年にわたり同様のスキームが運営されている。

【出典】
– “Investment fund open for business”, Scottish government press release, 14 March 2011
http://www.scotland.gov.uk/News/Releases/2011/03/14105227
Example of funding application form for SMEs: http://www.eastscotinvest.co.uk/sitepix/downloads/ESIF_application_ERDF.pdf


中小市町村によるEUレベルの団体発足

2011年03月18日 

 小さな町の見解・懸念をEUの政策決定に反映させる目的で、欧州中小市町村連合(CTME:European Confederation of Towns and Municipalities of the European Union)が設立された。中でもEU構造基金の見直しなど、自分たちに直接影響する政策措置について発言力を高めたい考えだ。

 CTMEはドイツ、フランス、イタリア、ポーランド、ハンガリー、スペイン、ルーマニアの8カ国の全国組織から成る。EUでは域内人口の50%以上が中小規模の市町村・自治体に住んでいることから、EUレベルの組織の必要性を痛感していた。同団体は運営手続きの簡素化を働きかけることにより、小さな町がEU基金にもっと容易にアクセスできることを目指す。また、各地域内の領域的多様性(territorial diversity)に注意が払われることを望んでいる。
 同様の団体は1986年から欧州レベルで存在しているが、CTMEは小さな町の市民の声が届くようにすることで、バランスを回復できるものと考えている。向こう数カ月でより多くの全国組織が参加することを期待しているという。

【出典】
– “EU News Bulletin”, Irish Regions Brussels Office, February 2011
http://www.iro.ie/documents/IrishRegionsBrusselsOffice-EUNewsBulletinno79February2011.pdf


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