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カテゴリー別アーカイブ: EUの地方自治情報メモ

EU、スコットランドに投資

2009年03月12日 

 欧州委員会のダヌータ・ヒューブナー地域政策担当委員は2008年12月17日、スコットランドを訪問した。
 欧州理事会が先に採択した「欧州経済再生計画」について自治政府のアレックス・サーモンド第1首相と話し合うほか、結束政策を通じて助成金が投じられた再建・教育プロジェクトを視察するのが主な目的だ。
 再生計画によると、2009年はスコットランドに1,800万ポンドが提供される見込み。追加的な前払金を通じ、同地域は直ちに計画の恩恵を受けられる。EUによる2007〜13年の対スコットランド投資は総額13億ポンドに達する見通しで、主に「欧州地域開発基金(ERDF)」(4億1,600万ポンド)と「欧州農業農村開発基金(EAFRD)」(5億3,500万ポンド)から拠出される。

【出典】
欧州委員会プレスリリース
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/1978&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
再生計画
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=MEMO/08/740&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en


EU、EIBと新規制を通じエネルギー効率化を支援

2009年03月12日 

 欧州投資銀行(EIB)は2月10日、欧州委員会と協力し、欧州の各都市や地域におけるエネルギー効率化・持続可能なエネルギー開発プロジェクトの支援に向け1,500万ユーロの基金を年内に設立すると発表した。
EIBは加えて、同セクターに対する通常の融資活動を強化する考えを示している。また2008年1月には欧州委の主導により、欧州各地の100近い都市が「市長誓約(Covenant of Mayors)」に署名。2020年までに二酸化炭素(CO2)排出量を20%減らすという欧州連合(EU)の目標を上回る水準の削減に取り組む決意表明を行った。
 やはりエネルギー効率化の分野では、欧州委員会が2008年12月、全加盟国が家庭のエネルギー効率向上を目的にEU構造基金を活用できるようにすることを提案。現在は新規加盟国だけを対象とし、投資額の上限が各国に割り当てられた「欧州地域開発基金(ERDF、構造基金の一種)」の2%に設定されている。その後の議論でさらに変更が加えられ、上限がERDFの4%に引き上げられる方向だ。最近の報道によると、欧州議会は修正案を支持する公算が大きい。

【出典】
Draft report on the proposal for a regulation of the European Parliament and of the Council amending Regulation (EC) No 1080/2006 on the European Regional Development Fund as regards the eligibility of energy efficiency and renewable energy investments in housing (COM(2008)0838 – C6-0473/2008 – 2008/0245(COD)), Committee on Regional Development, Rapporteur: Emmanouil Angelakas
http://www.europarl.europa.eu/meetdocs/2004_2009/documents/pr/765/765103/765103en.pdf
EIB to support Europe’s cities and regions in promoting energy efficiency, 10 February 2009, European Investment Bank (EIB)
http://www.eib.org/about/press/2009/2009-020-eib-to-support-europes-cities-and-regions-in-promoting-energy-efficiency.htm


英国、近隣諸国よりLCPDの影響大きく

2009年03月12日 

 EUの「大型燃焼施設指令(LCPD)」が2008年に英国に及ぼした影響が、近隣諸国と比べ著しく大きいことが最新調査で分かった。
 同指令は域内における二酸化硫黄(SO2)や窒素酸化物の排出量を削減する目的で1988年に導入された。ICISヘレン(エネルギー市場調査会社)の調査によると、エネルギーの卸売価格は規制の影響を多大に受けている。また英国は指令を守るために多くの石炭火力発電所を閉鎖しているが、この影響も他国より大きくなりそうだ。同国が2015年末までに11ギガワット超の発電容量を失う見込みなのに比べ、フランスは3.6ギガワット、ベルギーは1.4ギガワット、イタリアは6.7ギガワットにすぎない。ドイツの石炭火力発電への依存度は英国と変わらないものの、指令の影響はより小さいといえる。同国は1990年に国内の排出量を制限する「連邦排出管理法」を成立させるなど、対応が素早いためだ。


閣僚理事会、エネルギー効率向上の提案めぐり合意

2009年03月12日 

 欧州委員会は2008年12月3日、加盟国がEU構造基金を通じて低所得家庭のエネルギー効率を向上させ、再生可能エネルギーを活用できるようにする提案を採択した。
 閣僚理事会は当初、この案に反対していたが、今年1月末になって妥協案で合意。その一環として対象を低所得家庭に限定せず、投資額の上限を各国に割り当てられた「欧州地域開発基金(ERDF、構造基金の一種)」の4%に設定するといった修正がなされた。
 提案は欧州議会を通過する必要があり、議長国のチェコは「合意は最優先課題の1つ」と位置付けている。


地域委員会(Committee of the Regions) 第77回総会の開催

2009年01月15日 

欧州各地の地方自治体からの代表が集い、2008年11月26日、27日にEUの地域委員会がブリュッセルで開催された。
主な議題は金融危機への対処と移民問題であったが、いずれに関してもEUが政策決定を行う際に地方自治体がより一層関与できるようEUの欧州委員会に要望した。

・金融危機が地域や住民に与える影響に関して懸念を表明。欧州連合がこれまでに取ってきた金融危機への対処を評価しつつ、地域での投資やインフラ整備事業の継続のため、中小企業や地方自治体への一層の支援を要請。
・EU地域内の地方自治体は、地域内の公共支出の3分の1、公共投資の3分の2を占めている。EUとして金融危機への対処や将来の経済成長のための政策を形成するに際しては、早い段階で地方自治体の意見も諮るよう要望。
・EU圏内におけるEUの移民政策に関して、地方自治体も大いに影響を受けている。移民を受け入れることとなる地方自治体の資金需要の面も含めて、EUとして移民政策を決定する際には地方自治体も関与できるようにすることを要望。この移民に関する資金需要について欧州委員会のバローゾ委員長は、地方自治体がEUから資金援助を受けられる仕組みを整備すると表明。

【出典】
地域委員会ウェブページ(総会議事について)
http://www.cor.europa.eu/pages/PressTemplate.aspx?view=detail&id=c077033f-c01d-4d6c-aded-eb9c88f1bba3
地域委員会の金融危機への対処に関する決議事項(PDFファイルへのリンク)
http://www.cor.europa.eu/COR_cms/(S(tu111z55bzmrjg554hmx0255))/ui/ViewDocument.aspx?siteid=default&contentID=e98ac62c-9116-471e-a268-520e3ece5260


欧州共同体の地域的活動に関する2つの発表

2008年11月28日 

 欧州委員会European Commissionは、地方自治体等の活動に関連する協議書を10月の6日と8日に続けて発表した。一つは、領域的結束に関するもので、もう一方は途上国援助に関するもので、自治体からの反応が注目された。
 記事本文はマンスリートピック10月分に掲載しております。
https://www.jlgc.org.uk/jp/information/index.html#monthly


欧州理事会をブリュッセルで開催

2008年11月25日 

 2008年10月15日、16日に欧州理事会(the European Council: EUの首脳会議)がブリュッセルで開催された。
 英国でも金融機関の破たん問題が地方自治体の運用資金の毀損にまで広がりを見せる状況にあり、今回のブリュッセルでの会議では目下の金融危機にいかに対処すべきかを中心に議論された。
 その中でメディアの注目を集めていたものは以下のとおり。

・英国などが実施した金融機関への救済策を評価。EUとしても金融機関安定のための施策を取っていく。
・「第2のブレトンウッズ体制」の構築を目指し、金融機関、市場への監視を強化する方向で国際金融システムの改革を提案。
・アメリカを始め先進国、新興国の首脳を集めての緊急経済サミットの開催を提案。
・イタリアやポーランドなどが、目下の金融危機を理由に、今年12月を期限としていたEUの環境施策(注)の合意締結の棚上げを提案。

しかし経済問題を理由に環境保護の取り組みを後退させる訳にはいかないとの意見が西欧諸国に強く、EUとしては当初の通り12月中の合意を目指すこととした。
(注)2020年までにEU(27カ国)全体で、①温室効果ガスの排出量を20%削減、②エネルギー生産のうち20%を再生可能エネルギーから生産、③効率性の向上によってエネルギー消費を20%削減、を達成するという目標を2007年3月に掲げていた。

【出典】
ブリュッセル会議・議長声明
http://www.consilium.europa.eu/ueDocs/cms_Data/docs/pressData/en/ec/103441.pdf
EUとしての金融危機への対処について(ガーディアン紙)
http://www.guardian.co.uk/business/2008/oct/16/europe-economy
EU環境政策の維持について(ガーディアン紙)
http://www.guardian.co.uk/environment/2008/oct/16/carbonemissions-climatechange


リスボン条約の批准

2008年09月04日 

・アイルランドでの最近の調査では、もしも再度の国民投票が行われれば、62%対38%で否決されるであろうことがわかった。
・つまり6月12日の53% 対 47%の反対より反対が増えていることになる。
・反対の一番の理由は「よく理解できないこと」である。
(リスボン条約について)
・リスボン条約の主な目的は、EUの構造をより簡素で効率的なものにすることである。欧州理事会の理事長の設置や外交上級代表の設置が含まれる。
・EUはいくつかの条約から成り立っている。ローマ条約、マーストリヒト条約、アムステルダム条約その他である。
・リスボン条約はこれら条約を修正するものである。そのため理解しにくいものとなっている。
(アイルランドの批准がない場合)
・リスボン条約には「この条約は全ての参加者の批准が行われることを条件に2009年1月1日に発効する。」としている。
・しかしアイルランドでは二度目の国民投票の見込みはない。
・しかしアイルランドが批准できるよう、リスボン条約の修正を行うには、作業量が多すぎる。そのため、リスボン条約によらず、現行制度のもと、その運用により事実上の目的を達成することになるかもしれない。

【出典】
タイムズ紙(アイルランド・条約反対派が増加)
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/ireland/article4408073.ece
リスボン条約(条約案)
http://www.consilium.europa.eu/uedocs/cmsUpload/cg00014.en07.pdf


アイルランドでの国民投票結果について(リスボン条約)

2008年06月16日 

・2008年6月12日のアイルランドの国民投票で、リスボン条約の受け入れについて、反対53.4%、賛成46.4%で反対が上回った。
・反対理由で最も多かったのは「理解できないため」であった。
・リスボン条約は、2005年にEU憲法がフランスとオランダの拒絶により頓挫して以来のEU改革の試みである。マーストリヒト条約とローマ条約を修正するもの。
・修正による主な変更点は、欧州理事会との合同決議の範囲拡大によるEU議会の影響力増、欧州理事会の理事長の創設、そして連合上級代表の創設である。
・条約が批准された際は、リスボン条約はまた基本的人権憲章も策定することになる。
・リスボン条約は2007年12月にリスボンで署名された。2008年中に27の加盟国によって批准されなければならない。その後2009年1月から発効の予定である。
・しかし今回のアイルランドでの住民投票の結果によって、先行きが不安なものとなった。
・既に18カ国が国会での投票によって批准している。しかしアイルランドは憲法の規定により、国民投票で認められなければ批准することができない。また、イギリスはブラウン首相が国民投票を回避した。イギリス外相はアイルランドの結果の後、イギリスは批准の手続きを進めると述べた。
・アイルランドは現在のところ2回目の国民投票を行う予定はないという。
・関係者は条約発効はまだ絶望的なものとはなっていないとしているが、アイルランドの批准ができない場合、条約は破棄または修正がなされることとなる。

【出典】
アイルランドでの国民投票否決に関する新聞記事
http://www.guardian.co.uk/world/2008/jun/13/ireland
http://www.timesonline.co.uk/tol/comment/leading_article/article4133301.ece
リスボン条約の説明
http://europa.eu/lisbon_treaty/index_en.htm


EUの地域政策について②

2008年04月07日 

EUの地域政策について
○全地域に共通する問題への対応策
 EU全域に共通する問題に対応するため、4つの共同体イニシアティブが設けられている。
(1)INTERREGⅢ(国境横断的・国際的・地域間協力):構造基金のうち、欧州地域開発基金の対象
(2)URBANⅡ(都市等再生):構造基金のうち、地域開発基金の対象
(3)LEADER(農村開発):構造基金のうち、欧州農業指導保障基金の対象
(4)EQUAL(労働部門の差別撤廃):構造基金のうち、欧州社会基金の対象                               

【出典】
欧州委員会
http://ec.europa.eu/regional_policy/funds/prord/sf_en.htm
外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/eu/kouzou_s.html#3


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