5月6日、英国では国王の戴冠式が行われ、日本でもその様子が報じられました。皆様は、戴冠日の前後に、英国や世界各地で「ビッグランチ」と呼ばれるイベントが開催されたことはご存知でしょうか?
「ビッグランチ」は毎年6月に、市民が自宅前の路上などを会場として昼食会を開き、近隣住民と食事を楽しんで、コミュニティを活性化するという英国のチャリティプロジェクトが元となっており、これまでも王室行事がある際に開催されています。2009年度に国営宝くじコミュニティ基金からの出資を受けてはじまり、当初の参加者は70万人 程度でしたが、「近くに住んでいても知らなかった人と友人になれた」「コミュニティのつながりを強めて地域の課題解決につなげたい」などと賛同者が増え、2022年の参加者は1,720万人に上りました。
「ビッグランチ」の企画にあたっては、チャリティ団体が、企画者向けにチラシなどのテンプレートを提供しているほか、路上を封鎖するための手続きについて相談対応なども行っています。また、国や地方自治体も路上イベント開催のためのガイドライン(どの程度の規模で食に関する資格や保険が必要になるかなどの具体的な事項など)を示しており、積極的な市民参加を募っています。
戴冠日の前後にはまた、他のチャリティ団体によって「ビッグヘルプアウト」という各コミュニティでのボランティア活動を促進する活動も展開され、600万人が参加したと言います。地域で行う一つ一つの活動規模は小さくても、英国では、チャリティ団体のこうした活動の積み重ねによって、コミュニティの活性化が図られてきたのだと感じました。
ロンドン事務所 所長補佐 福田