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CLAIRメールマガジン vol.293(2022年3月11日)=「英国、2030年にガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止へ」

2022年03月10日 

英国では、電気自動車へのシフトが本格的に始まろうとしています。気候変動対策の一環として、政府は、2030年にガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止する予定です。(ただし、一部のハイブリッド車は除く。)

交通調査コンサルタント会社であるNew Auto Motiveによると、英国で2021年の1~11月に登録された電気自動車が16.3万台であったのに対し、2022年は30万台の電気自動車の販売が見込まれています。この台数は市場の約15%に相当し、環境問題への関心の高まりや、リチウム電池の価格低下の影響で、今後もシェアが伸びていくとみられています。

しかしながら、この電気自動車の急増に対し、公共充電スポットの設備が追いついていないことや、充電スポット数の地域格差に関して、業界団体から懸念の声が上がっています。各地方自治体においても、気候変動対策を進める上で、この状況を問題視しており、充電スポットの増設に取り組んでいます。イングランド北部のバロー市では、10台以下の充電スポットしかなく、新たに設置される18台の充電スポットは、各地域の公営駐車場に設置される予定です。

電気自動車に関するインフラ整備については、IT業界も後押ししています。充電スポットを検索するためのアプリZap Mapでは、充電タイプ(低速、高速、急速)や場所(ホテル・レストランなど)、充電場所を考慮したルートなどの検索が可能です。また、現状では充電する際に、電力供給会社ごとに異なるアプリやカードを使用する必要があるのに対し、供給会社との連携により充電及び支払いを1つのアプリに集約する「Zap-Pay」のリリースも予定されています。

2030年まであと8年。この野心的な目標が今後どのような成果を生み出すのでしょうか。世界をリードする英国から目が離せません。

ロンドン事務所 所長補佐 新野

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