英国イングランド北部の自治体リーズ市が設立し、若年者向けメンタルヘルスサービスサイトの成功例として評価されている「MindMate.org.uk」について紹介します。
(1)MindMate.org.ukとは
このサイトには、若年者向けの情報、若年者の養育者向けの情報、若年者に関わる専門家(教員やケアワーカーなど)の情報などが掲載されており、各記事は専門家による臨床的な正確性について監修を受けるとともに、
それぞれの対象グループ(若年者、養育者、専門家)による認証を受けています。例えば、若年者向けの情報ページでは、若年者が陥りやすい、うつや自傷行為などのメンタル面での問題への対処法のほか、緊急時に市民が利用できる
精神福祉・児童福祉関係の行政サービスについて網羅的に掲載されており、利用者は自分の症状やニーズから必要なサービスをワンストップで探し、利用することができます。
また、MindMate.org.ukの設立にあたっては企画段階から地域の若年者の意見を取り入れ、設立後の運営・記事執筆・広報活動にも地域の若年者グループが関わるなど、若年者が積極的に事業に参加している点も特徴的です。
(2)実績と評価
2018年のレポートによれば、Mindmate.org.ukは1か月当たり8500件のユニークビュー(閲覧者数の実数)があったほか、児童福祉関係者や精神医療関係者など、地域で若年者のメンタルヘルスケアに取り組む専門家からも、信頼できる
情報源として高く評価されています。現在では、MindMateの名称はウェブサイトだけにとどまらず、リーズ市の若年者のメンタルヘルス・ウェルビーイングの向上に関する取り組みのブランドとして確立されています。「子供たちの成長に
とって英国で最高の都市となる」という政策目標を掲げるリーズ市におけるこの取り組みは全国的にも高い評価を受けており、英国内のその他の都市でも類似のサービスを立ち上げようとする動きが広がっています。
リーズ市の取り組みについてのさらに詳しい内容はこちらをご覧ください。
< https://www.jlgc.org.uk/jp/ad_report/mindmate_leeds/ >
ロンドン事務所 所長補佐 濱本