英国において行われている、ラストワンマイル(「顧客にモノ・サービスが到達する最後の接点」)における各分野での取り組みについてご紹介します。
(1)物流分野:ラストマイル物流ハブによる配送車両削減と大気汚染低減
ロンドン中心部の自治体「シティ・オブ・ロンドン・コーポレーション」は、昨年末、ロンドン中心部の配送を集約し、交通量を減らし、有害な排気ガスを削減するための初のラストマイル物流ハブを承認しました。これは、ロンドン・ウォール駐車場の39台分の駐車スペースを、アマゾン・ロジスティクスのハブとして活用するもので、宅配便のラストワンマイルにおける配達は、宅配用電動アシスト自転車と徒歩にて行われ、「シティ」の道路から大量の宅配用自動車が削減されることになります。
(2)交通分野:パーソナルモビリティの普及
電動マイクロモビリティの一つであるe-scooter(電動キックボード)については、日本でも実証実験が始まっているところですが、英国の首都ロンドンにおいても、今年6月から公道でのレンタルサービスの実証実験が始まりました。交通事故等の危険性が指摘されているものの、e-scooterは自動車に代わる革新的で環境に優しい、ラストワンマイルの新たな交通手段の一つとして利用が広まっています。
ラストワンマイルにおける変化は、市民・消費者・ユーザーが普段目にする世界観の変化に直結します。新しい制度や新しいテクノロジーを駆使した、ラストワンマイルでの様々な取り組みが活発に行われることにより、人々や社会をより豊かにする(特に、豊かさや社会の進化を”実感”させる)ことの可能性を大いに感じました。
e-scooterの乗車体験記など、さらに詳しい内容はこちらをご覧ください。
< https://www.jlgc.org.uk/jp/ad_report/lastmile/ >
ロンドン事務所 所長補佐 西川