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CLAIRメールマガジン vol.281(2021年9月13日)=「デジタル・ガバメントの先進国、イギリスから」

2021年09月13日 

 英国は、デジタル・ガバメントの先進国だと感じます。筆者自身、これまでさまざまな手続きを経てきましたが、一度も「役所」を訪れたことがなく、全ての行政手続がオンラインで完結します。
 実際に、デジタル化の国際順位を示すOECDの「デジタル・ガバメント・インデックス(2019)」では、韓国に次いで2位、World Wide Web Foundation「オープン・データ・バロメーター(2016)」では1位にランクインしています。
 積極的に政府のデジタル化が進められたのはキャメロン政権時であり、各政府機関のウェブサイトは単一の「GOV.UK」に統合され、各政府機関を横断した内容(各種補助金やパスポートの申請など)掲載されています。
 また、英国医療制度である「National Health Service(「NHS」という。)」 は、独自にウェブサイトを持っており、コロナ禍において、当該ウェブサイト上でワクチンの接種予約・変更手続が完結できます。

 ここからは、筆者自身が体験した身近なデジタル化の一例を紹介します。
 筆者の住むロンドン・バーネット区では、図書館の利用登録はオンライン上で行うことができ、特に住所を証明するような添付書類を求められることはありません。同区では電子図書サービスも提供しており、 以下3つのプラットフォームで書籍などを借りることができます。
 〇BorrowBox(書籍・オーディオブックを提供)
 〇libby overdrive (主に子供向けの書籍が多い)
 〇pressreader(新聞や雑誌が多い)

 筆者はロックダウン中、本屋も図書館も開いていなかったため、電子図書館を頻繁に利用していました。利用できる書籍数・オーディオブック数は予想以上に多いのですが、図書館と同じように、人気の本は予約が必要です。
 また、テニスコートの予約もオンライン上で可能です。同区とローンテニス協会(テニスの全国統治機関)がパートナーシップを結び、同協会のウェブサイトで、公園内のコートの予約・使用料(※有料コートの場合)の支払いができます。有料コートは機械施錠されており、使用料の支払後に送付されるPINコードを入力して解錠します。
 もちろん、日本と英国では制度が異なる部分もあるため、一概に単純比較することはできませんが、上記事例のように、民間事業者と連携してデジタル化を図る取り組みは、日本の地方自治体にとっても参考になるのではないでしょうか。

※ その他デジタル化の事例については、こちらのADレポートをご覧ください。
https://www.jlgc.org.uk/jp/ad_report/digital_uk/

ロンドン事務所 所長補佐 新野

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