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CLAIRメールマガジン vol.258(2020年9月11日)=一足先に、レジ袋有料化を導入した英国では

2020年09月11日 

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【ロンドン事務所】一足先に、レジ袋有料化を導入した英国では
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日本では、今年7月からレジ袋の有料化が始まりましたが、英国ではウェールズ
(2011年)、北アイルランド(2013年)、スコットランド(2014年)に続き、2015年
にイングランドでも大規模小売業者に対しレジ袋の有料化(1袋5ペンス)を義務付けました。

レジ袋の有料化による売上の活用については、小売業者の裁量に任されていますが、
政府は慈善活動・団体への寄付を奨励しています。(※1)

これら環境政策を所管する環境・食糧・農村地域省(Defra(※2))によると、イ
ングランドの主要スーパーマーケットでは、2015年のレジ袋有償化から2019年の間に、
レジ袋の売上(≒使用量)が95%以上減少しており、数値でいえば、2014年において
は1人あたり平均140袋、2019年は10袋、2020年は年間わずか4袋という結果となっています。

現在、250人以上の従業員を雇用するすべての小売業者に、レジ袋の有料化を義務付
けていますが、政府はこれをすべての事業者に拡大するとともに、最低料金を10ペンス
に引き上げることを協議しています。

また、レジ袋有料化に対する人々の反応とその変化を調査した研究によると、イギリ
スのすべての年齢、性別、所得層において、実際にレジ袋の使用量が大幅に減少しただ
けではなく、レジ袋有料化に賛同する意見が増加してきていることが明らかになりました。

加えて、英国の一般市民の間で、レジ袋だけではなくゴミ全般に対する意識の高まり
が見られ、レジ袋有料化政策だけでなく、「使い捨てプラスチック」や「過剰包装」を
削減するための政策に目を向けさせている可能性があると、報告されています。

このように、レジ袋の有料化政策は、実際のレジ袋削減だけではなく、人々の行動や
意識を変える効果もあるのかもしれません。

しかし、レジ袋削減については環境問題の一部にすぎず、更なるプラスチックごみの
削減策が求められています。

英国内においては、プラスチックごみ削減が逆に環境負荷につながるのではないかと
いう批判的報道(プラスチック包装のままの方がフードロスが少なくなるのでは?など)
もされているところであり、政府がどのように環境政策を進めていくのか、今後の動向が注目されます。

(※1)北アイルランド政府は賦課金として徴収。
(※2)Department for Environment, Food & Rural Affairs

ロンドン事務所所長補佐 新野

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